まえがき

 被爆五二周年原水爆禁止大会は、 核廃絶へ向けた大きなうねりの中で開催されました。 現在の 「核廃絶へ向けた歴史的な勢い」 にどう対応し、 この流れをどのようにして確かなものにしていくのか。 昨年、 ポスト被爆五〇年の新しい原水禁運動へと踏み出したその歩みを、 さらに発展させ具体化させることで、 原水禁の今後を方向付けていく、 重要な大会でした。 八月一から二日まで京都で国際会議、 八月四日から六日にかけて広島大会、 八月七日から九日まで長崎大会という日程で開催され、 その全容がこの報告決定集に収録されています。
 昨年から今年の大会にかけての、 一年ほどの間の動きをみれば、 世界が核廃絶へ向けて大きく動きはじめていることが分かります。
 核廃絶が一般的には国際法に違反するとした、 国際司法裁判所の 「勧告的意見」、 核廃絶へ向けての道筋を描くための 「キャンベラ委員会」 などの取り組み、 そして、 原水禁運動にとって長年の目標であったCTBT (包括的核実験禁止条約) の成立。 さらに、 核兵器廃絶を求める世界の一七ヵ国の元将官六〇人による声明、 マレーシアなどが提案した核兵器禁止条約の早期締結を求める国連決議の採択、 と大きな出来事が続きました。
 今年のビキニ・デーニに来日した、 カナダの元軍縮大使、 ダグラス・ロウチ氏はこうした状況を 「核兵器廃絶へ向けた歴史的な勢いのなか」 と表現しました。 そのロウチ氏らの取り組みの成果もあって、 NATO加盟のカナダでも、 核政策の見直しがはじまっています。
 私たちが注目しなくてはならないのは、 こうした動きが旧来の反核勢力の中だけではなく、 むしろ逆の立場であった人たちや、 国々の中からも、 起こってきているということです。 核軍備のただ中にいた軍人たちの声明、 アメリカの核の傘のもとにあるオーストラリアやカナダの動き……これまでの核廃絶へ向けた動きとは、 大きく質の異なる流れが生まれているのではないでしょうか。
 こうした世界のダイナミックな動きに対応し、 この歴史的な勢いを後戻りさせることなく、 核のない二一世紀へつなげていくために、 この世界大会での議論を十分に生かしていきたいと考えます。
 なお今年の大会は微減ながらほぼ昨年並みの規模で開催されました。 海外代表が七ヵ国一三人。 広島大会五〇〇〇人、 長崎大会二八〇〇人の参加者がありました。


目次

まえがき
被爆52周年原水爆禁止世界大会基調

国際会議
主催者あいさつ 岩松繁俊
キーノート・スピーチ 榎本庸夫
海外代表プロフィール
海外代表からのレポート  木村修三オリバー・マイヤーボリス・ゴルボフ

広島大会
開会総会

主催者のあいさつ 岩松繁俊
基調提案 榎本庸夫
各界代表あいさつ
 社会民主党 土井たか子/公明党 柳井伝八/新社会党 山口哲夫/自由民主党 山崎拓/民主党 竹村泰子/日本青年団協議会 青山英治
メッセージ
 日本労働組合総連合会 鷲尾悦也/新党さきがけ 堂本暁子
海外代表のあいさつ アラン・クランストン/トニー・ドゥブルム
被爆者からの訴え 広島県朝鮮人被爆者協議会 李実根
閉会あいさつ 中垣八郎

分科会報告
ヒバクシャ・フォーラム 世界の核被害者との連帯を求めて
CTBTから核兵器禁止条約へ 核廃絶に向けた歴史的勢い
核廃絶に向けた日本の役割 非核法と非核自治体運動
北東アジアの非核化に向けて 基地の縮少・撤去に向けて
脱原発の社会をめざして 新しいエネルギーの開発
公開討論・エネルギー問題を考える PartW
被爆の実相に学ぶ なぜ国家補償か
原発はゴメンだ全国交流の広場
女性の広場 沖縄・ヒロシマ・そしてアジア
子どもの広場
バスツアー ヒロシマと戦争
バスツアー ヒロシマの実相に学ぶ

分科会報告まとめ集会
開会あいさつ 宮崎安男
まとめ報告 榎本庸夫
ヒロシマ・アピール
閉会あいさつ 横原由起夫

長崎大会
開会総会

開会あいさつ 藤田純吉
主催者あいさつ 岩松繁俊
基調提案 榎本庸夫
特別報告 金順吉
各界代表あいさつ
 社会民主党 伊藤茂/自由民主党 野中広務/公明 松尾忠幸/新社会党 栗原君子/民主党 前川忠夫/日本青年団協議会 加藤義弘
メッセージ
 日本労働組合総連合会 鷲尾悦也/新党さきがけ 堂本暁子/長崎市長 伊藤一長
海外代表のあいさつ ゴードン・クラーク
被爆者の訴え 部落解放同盟長崎県連合会女性部長 梅本テル子

分科会報告
国際シンポジウム 核廃絶へ向けた課題をさぐる
日本の原子力政策を転換させるために 核燃料サイクルとプルトニウム
核兵器のない世界をめざして 非核三原則と日本の果たす役割
日本の戦争責任と国家補償 被爆五二年の長崎から
北東アジア非核化と安全保障 基地をなくすために (佐世保基地めぐり)
見て・聞いて・学ぼう 証言・交流とフィールドワーク
子どもの広場
被爆二世交流の広場
女性の広場

閉会総会
開会あいさつ 菊田昭
大会のまとめ 岩松繁俊
大会宣言
閉会あいさつ 泉忠士

資料
広島市平和宣言
長崎市平和宣言
みんなで読もう! ナガサキ市民平和宣言・一九九七年


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