被爆55周年 世界大会宣言

 核と戦争に彩られ、地球環境の破壊にまみれた20世紀最後の夏、私たちは、被爆55周年を迎えたヒロシマ・ナガサキに集い、原水爆禁止世界大会を開催しました。
 8月6日と8月9日、原子爆弾の投下によって作り出された人類史上例のない悲惨な体験をあらためて想起し、あの日のことを永遠に心に刻み続けることを誓います。
私たちは、核と戦争にまみれた20世紀の歴史の事実をしっかりと見つめ、教訓としていかなる国の核も認めず核の廃絶と核被害の根絶をめざした「核絶対否定」の思想を、世界のヒバクシャと連帯しながら訴えてきました。残念ながら、「今世紀中に核兵器の廃絶を」という願いは実現に至りませんでした。しかし、成果も着実に世界に広がっています。南半球を中心とした非核地帯の広がり、国際司法裁判所(ICJ)による核兵器使用の違法性判断、包括的核実験禁止条約(CTBT)の締結など、多くの点を挙げることができます。
 とくに、今年開催されたNPT(核不拡散条約)再検討会議において、核保有国に「核兵器廃絶の明確な約束」をさせたことは、今後の運動に展望を切り開いたものと言えます。しかし、廃絶の期限が明示されなかったことや、新たな核軍核競争の危険性をもたらしABM制限条約に違反するNMD(米本土ミサイル防衛)計画、さらに、相次ぐ未臨界核実験などさまざまな問題点もあるだけに、私たちは、今後、核兵器廃絶への具体化、実質化にむけて世界的な連携を強めなくてはなりません。21世紀初頭の私たちの共通の要求は核兵器禁止条約の成立です。
 また、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が今年6月、南北分断から55年にして初めて、首脳会談を開きました。この首脳会談により北東アジアの緊張緩和も一段と進み、今後の東アジア情勢に大きな影響を与えるものと期待されています。南北関係の改善にむけて積極的な支援を行なうとともに、これを機に朝鮮半島の平和と安定、そして、北東アジアの非核化の早期実現に向けた平和外交を積極的に推進していくよう取り組みましょう。
 核の商業利用についても、軍事利用と一体となるプルトニウム利用から速やかに、また完全に決別する社会を早急に実現しなければなりません。そのために日本はただちにプルサーマル計画から撤退しなければなりません。また、核燃料サイクルと「もんじゅ」計画も明確に中止させなければなりません。
ドイツの脱原発政策方針をはじめ、世界は、核利用そのものからの撤退を進めています。日本はいまや世界でもまれな原発推進国です。しかし、原子力の安全神話がJCOの臨界事故によって完全に崩壊したのは周知の通りです。21世紀の早い時期に脱原発への政策転換を実現させましょう。
 私たちは8月4日から9日にかけて行った国際会議、広島大会、長崎大会での真剣な討議を通じて、多くの点で共通の理解を得ることができました。
私たちは核のない社会をめざし、21世紀最初の開催となる被爆56周年原水爆禁止世界大会に向けて、次の運動に取り組みます。
 大会に参加した私たちすべての総意としてここに宣言します。

2000年8月9日   核も戦争もない21世紀を 被爆55周年原水爆禁止世界大会

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