原水禁大会パンフ
2002年大会パンフ

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 新型核

 前項の冒頭で触れた核兵器の開発の必要については、NPRはつぎのように述べています。「核兵器は、非核兵器の攻撃に耐えることのできるターゲットに対して使うことができる。(たとえば、地下深くのバンカーや生物兵器施設。)」このような「堅固な地中深く埋められたターゲット(HDBT)」の攻撃用としては、現在、限定的な地中貫通能力をもつB

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(一九九七年に配備)しかないといいます。(このB
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のシリーズは威力を調整できるはずですが、B
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は、高い威力しか持っておらず、もっと貫通能力が高く、威力は低く抑えられるものを開発すべきだと述べています。)エネルギー省は、三月一四日の上院軍事委員会で、B
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とB
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の二つの核爆弾の修正について検討することになると説明しています。弾頭を納める容器部分を重くて先のとがったものにすることで貫通能力を高めようという計画で、低威力化はめざさないといいます。この修正は核実験を必要としないかもしれません。一九九三年以来五キロトン(アフガニスタンで使われたデイジー・カッターの約一〇〇〇倍)以下の「低威力」の新型核兵器の開発は法律で禁止されていますが、これを骨抜きにしようとする試みが毎年なされています。
 エネルギー省は、「各国立研究所及びワシントンの本部で新型核弾頭概念チームを再設置する計画」です。「これは、我々のつぎの世代の核兵器設計者及び技術者を訓練するユニークな機会を提供する。」そして、「指示を受ければ、国の新しい必要に応じて新しい核弾頭を設計、開発、製造し、認定すること、及び、必要に応じて地下核実験を再開する準備態勢を維持すること」ができるように「核兵器施設体系を再活性化する」とNPRは説明しています。 
 NPRは、核実験については、指示があってから二〜三年で実験再開ができる態勢を維持する現在の規定は、長すぎるかもしれないから、コスト・ベニフィット分析をおこない、最善の準備期間を決めるとしています。また、未臨界実験は、核実験準備態勢を維持する上で重要な要素だといいます。核実験の予行演習の役割を果たしているのです。同時に、未臨界実験は核反応の診断・計測をしないものだから、予行演習としては不十分であり、計測態勢もテストする実験をする必要があると述べています。
 さらに、水爆の引き金となる核分裂爆発装置の芯の部分(ピット)の製造能力の増強も謳っています。プルトニウムからなるピットの製造工場(コロラド州ロッキーフラッツ)は、一九八九年に安全性・環境両面の理由で閉鎖されました。しかし、一九九〇年代末にニュー・メキシコ州にあるロスアラモス国立研究所のTA55という施設で小規模のピット生産が開始されました。エネルギー省は、二〇〇七年までにこの生産能力を年間一〇個にすることを計画しています。いずれは、年間五〇個の体制にする計画です。
研究所の近くのサンタフェ市にある反核グループのグレッグ・メローは、原水禁へのメールの中で、これらは、いずれにしても、明確な計画と言うほどのものではないと述べています。現在は、年間数個ずつ作っており、これらのピットを二つに割った半球が未臨界実験で使われているとのことです。エネルギー省は先頃、これとは別に本格的なピット生産工場を、二〇年ほど先を見越して建設すべく、その敷地選定作業に入ると発表しました。

地中貫通型の現実
実際の貫通の深さ
 B61−11    
 物理的限度 
 6メートル
30メートル
噴出防止に必要な深さ
  5キロトン  
 0.1キロトン  
200メートル
 70メートル
出典:*『米国科学者連合(FAS)』小型核批判論文 2001年4月
  Journal of the Federation of American Scientists(FAS) Vol.54,No.1
注: B61−11は、旧ソ連の地下司令部などを破壊するための9メガトン(広島15キロトンの600倍)
  の水爆の退役を補完するべく開発され1997年に導入。低威力の認証はされていない。

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