核も戦争もない平和な21世紀に(大会パンフ)より
NPRは、冷戦時代の核の三本柱は、大陸間弾道弾(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、爆撃機だったが、これからは新三本柱で行くとしています。そこでは、旧三本柱からなる核戦力と非核戦力を合わせたものが、一つの柱となります。後の二つの柱は、新しい事態の出現に対応できるようなインフラ、そしてミサイル防衛です。三本柱の一つとなったミサイル防衛ですが、明確な計画があるわけではありません。「ミサイル防衛は、多層で行うのがもっとも効果的である。つまり、いかなる射程の弾道ミサイルも飛翔のあらゆる段階で迎撃できることである」。発射直後の燃料が燃えている段階(ブースト段階)、大気圏外を飛んでいる中間軌道(ミッドコース)段階、大気圏内に落ちてくる最終(ターミナル)段階のすべてで迎撃を試みるというわけです。しかし、「ミサイル防衛は、他のあらゆる軍事システムと同様、一〇〇%有効でなくてもいい」と弱気です(敵が攻撃を断念することを期待しているようですが、敵が逆に、弾頭やミサイルの数を増やして応じれば軍拡競争の始まりです)。そして、陸上配備の低高度地域防衛用改良型パトリオット「PAC3以外、配備するシステムの選択を行っていない」と言います。米国全体を長距離弾道ミサイルから守る全土ミサイル防衛(NMD)と、展開した米軍などの狭い範囲を中・短距離弾道ミサイルから守る戦域ミサイル防衛(TMD)というクリントン政権時代の分類で行くと、PAC3は後者です。ブッシュ政権は、TMDも全土防衛用に組み入れる計画ですが、PAC3はそのためには開発されていませんから、決定済みというのはTMD用のことです。日本全土を北朝鮮からの攻撃に対してPAC3だけでカバーするには一〇〇カ所に配備が必要との国防省の試算がありますが、実際に迎撃できるかどうかは別問題です。
「緊急ミサイル防衛能力を提供しうる中・長期(二〇〇三年〜二〇〇八年)オプションがいくつか検討中である」として次のような例をあげています。
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THHAD(高高度広域防衛) |
NTW(海軍戦域防衛) |
PAC3(改良型パトリオット) |
NAD(海軍地域防衛) |
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陸上 上層(40km以上) |
海上 上層(100km以上) |
陸上 下層 |
海上 下層 |
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| 防衛対象 | 軍隊、近くの市民、インフラ |
航空母艦戦闘群、近くの領土、市民 |
狭い地域の米軍及び同盟軍の軍隊 |
前方展開の海軍艦船 |
| 迎撃対象 | 短・中距離ミサイル(終末段階) |
中距離ミサイル(中間飛翔段階) |
短距離ミサイル(スカッド)飛行機、巡航ミサイル | 短距離ミサイル飛行機、巡航ミサイル |
| 配備計画 (1年前) |
2007−8年に本格生産 |
ブロックII本格生産2007年春。配備2010年末前 |
2001年末、本格生産決定 |
2001年12月14日中止発表 (ABM条約脱退声明の翌日 原因:コスト増大とスケジュールの遅延 (何らかの形で復活と予想されている) |
| 配備計画 (現在) |
2010年以降に配備 (改良型の迎撃実験は2004年以降。) |
配備2010年末以降 (ブロックIを2005年緊急配備?) |
2002年末、本格生産決定 (これは運用実験完了前)2005年頃本格配備。 少数がすでに配備用に提供。(実験終了前) |
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| 迎撃実験 | 1995−1999年: 11回開発飛翔実験。(8回迎撃実験) 6回連続失敗。99年に2回成功。その後中止して、改良型ミサイルの開発中 |
1月にブロックI最初の実験「成功」 ブロックIIはNMD用とする可能性も 海上配備中間飛翔段階または、ブースト段階用。 |
1997−2001年に11回飛行実験。 (4回迎撃実験) 一度に2〜3のターゲットを対象。2回は一つずつミス。 2月に運用実験開始。 |
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| Arms Control Today, May 2002 より作成 | ||||