原水禁大会
2003.3.27

被爆58周年原水禁世界大会の呼びかけ

 2003年を迎えて、私たちは新たな戦争と核の脅威という重大な局面に直面しています。9・11以降、米・ブッシュ政権は単独行動主義を一層強め、アフガニスタンにテロ報復戦争を行い、いま国際社会の世論を無視し、イラクへの武力攻撃が行われています。そのなかで米国はイラクに対して核兵器の使用をほのめかし、核兵器を使える兵器としてアピールしようとしています。とくに昨年ブッシュ政権が発表した「国家安全保障戦略」、「大量破壊兵器と戦う国家戦略」などによって核先制使用を正当化しようとしています。
 米国のイラク攻撃は国連の平和秩序に対する挑戦であり、対話と協調によって平和を築こうとする世界の人々の願いを踏みにじる行為です。国際世論を無視し、大国の論理を押し通そうとする米国のイラク攻撃を私たちは許してはなりません。イラク攻撃のあとに予想される混乱は、世界を無秩序な世界に導きかねない危険を含んでいます。
 しかし被爆国であり、平和憲法を持つ国の小泉内閣は、何ら平和のための積極的な方策を持ち合わせておらず、ただ米国の戦争政策に従うだけの対米追随の思考と行動に私たちは強い憤りをもつものです。
 このような状況の中で、平和への動きも広がっています。2月15日には60カ国、1千万人を超す人々が反戦・平和を訴え、その後もその行動は広がる一方です。これまで一歩一歩平和のために行動してきた世界の人々は、相たずさえ状況の悪化を食い止めようとしています。私たちもその行動に積極的に参加していかなければなりません。
 北東アジアでは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のNPT脱退と核兵器開発の動きが、新たな緊張を生みだしています。北朝鮮の言動と米国の対応は北東アジアを不安定化するだけでなく、戦争の危険を内包しています。私たちの目標は北東アジアを非核化することです。私たちはどのような理由であれ、核武装・核兵器に反対します。朝鮮半島の平和は対話による以外ないことを確認し、とくに朝鮮半島危機を口実に有事法制を進めることに強く反対しましょう。
 世界的に脱原発の流れが生まれつつあるなかで、日本は原発推進に固執する数少ない国の一つとなっています。浜岡原発一号機などの事故、東電をはじめとする各電力会社の事故隠し・トラブル隠しは、日本の原発の深刻で危険な状態を示しています。「もんじゅ裁判」での二審判決やプルサーマルの計画の頓挫は、プルトニウム利用政策への警鐘です。にもかかわらず再処理工場建設が進められている現実に私たちは強い憤りと危惧を感じます。私たちは原子力政策の根本的な政策転換を求め、一日も早く脱原発社会を築かねばなりません。
 原水爆禁止運動はヒロシマ・ナガサキのヒバク体験をもとに、ビキニ被害から始まった運動です。二度とヒバクシャを作りださないことを誓い、運動を進めてきました。しかし、ヒロシマ・ナガサキのヒバクシャに対する戦争責任と国家補償は不十分なままです。ヒバクシャは核の軍事利用、商業利用を問わず増え続け、差別や貧困などの中におかれています。
 私たちはいま声を大にしてイラクへの軍事攻撃に反対すると同時に、核兵器廃絶、ヒバクシャ援護、脱原発など、これまで私たちが取り組み、成果を上げてきたさまざまな課題を後退させないためにも、さまざな行動が求められています。
 このような考えによって、今年8月、被爆58周年原水爆禁止世界大会を開催します。
 戦争反対、核廃絶への大きなうねりを、平和へ向けての大きなうねりを世界の友人とともにつくりあげていきましょう。

2003年3月27日
原水爆禁止日本国民会議
議 長  岩松 繁俊

原子力資料情報室
共同代表  西尾 漠

太平洋軍備撤廃運動国際事務所
幹 事  田巻 一彦