原水禁大会
2005.8.9

被爆60周年原水禁世界大会 大会宣言

被爆60周年原水禁世界大会

 あの暑い夏、ヒロシマ・ナガサキを襲った筆舌に尽くしがたい惨劇から60年。8月6日と8月9日は、人類にとって忘れてはならない日となりました。被爆 60周年の今年、私たちはこの地に集い、原子爆弾がもたらした被害の実態を再度心に刻み、人類がはじめて受けた衝撃を語り継ぎ、行動する決意を新たにしました。

 この60年、チェルノブイリをはじめとする原子炉事故、アメリカ軍がイラクをはじめ世界各地で使用した劣化ウラン弾など、ヒバクの恐怖は人類に重くのしかかっています。いまなお世界中でヒバクシャが作り出されているにもかかわらず、原子力推進者・原子力産業によって放射線の影響は過小評価されてきた歴史でもありました。

 また、アメリカは「大量破壊兵器の存在」という虚構の上にイラクに侵攻し、自らは各種非人道的兵器や大量破壊兵器を使用し、大量殺りくを繰り広げフセイン政権を倒しました。しかし、主権移譲から1年以上経過した今もなお、反米勢力による「テロ」攻撃は後を絶たず、その対象は同盟国の市民にも拡大しています。憎しみと報復の連鎖は続き、尊い生命が犠牲となっています。沖縄では、米軍による対テロ・都市型戦闘訓練施設の設置と演習の強行に対して、県民あげての反対運動がとりくまれています。

 新たな核戦争の恐怖も続いています。ブッシュ政権は、「核態勢の見直し」などで核兵器保有を正当化するばかりか、先制攻撃を辞さないことさえ表明しています。さらに「使える」小型核兵器や地中貫通爆弾の開発、ミサイル防衛(MD)の推進など、新たな核軍拡を促進させています。そのことが、インドやパキスタンの核保有、朝鮮民主主義人民共和国の核兵器製造・保有表明など核拡散が世界ですすむ要因になっています。とくに、北朝鮮の核開発やNPT脱退は東北アジアの安全を不安定にするものです。6ヵ国協議で平和的解決を果たし、さらに東北アジア非核地帯化を実現する必要があります。そのためにも全国で平和・核軍縮をめざした具体的な運動や、憲法理念の実現をめざす「平和基本法」の制定に向けたとりくみが重要となっています。

 2005年5月ニューヨークの国連本部で開催されたNPT再検討会議は、NPT・2000年合意の死文化をはかるアメリカの政策によって、なんらの合意も得られず、議長声明さえ出せませんでした。この結果は、核軍縮・核兵器廃絶をめざす世界の人々に大きな衝撃と怒りをもたらしました。私たちは、核軍事戦略に対決し、これまで積み上げてきた核軍縮の成果を後退させず、国際的な枠組みの強化をはかり、核廃絶へ向けて連帯したとりくみを展開します。

 小泉政権は、アメリカとの軍事同盟を強化し、イラクの多国籍軍に自衛隊を参加させ、「紛争を武力では解決しない」という憲法を大きく踏み越えました。また、ミサイル防衛(MD)参加や米原子力空母の横須賀母港化、米軍の「再編・変革」(トランスフォーメーション)に伴う、日本の基地強化など、軍事大国化の道を歩んでいます。歴史を歪曲する「つくる会」教科書や、さらに憲法・教育基本法の改悪は、「いつかきた道」を歩み、戦争のできる国づくりをめざしていると言えます。憲法前文および9条を改悪させない広範な国民運動や平和教育の再構築をしていかなければなりません。

 世界では、脱原発の動きが進んでいます。日本においても珠洲・巻原発撤退や、美浜原発での痛ましい事故など、原子力政策の頓挫や矛盾が明らかとなっているにもかかわらず、六ヶ所再処理工場建設やプルサーマル計画を放棄せず、「もんじゅ」再開や再処理工場本格実験を開始しようとしています。これ以上の核の被害を防ぎ、リスクを次世代に残さないためにも、原子力政策の根本的転換を求め、プルトニウム利用政策の絶対中止を求め、止めよう再処理共同行動11月 19日集会などをとりくみます。

 ヒバクシャをめぐっても、集団認定訴訟、被爆二世・三世問題や在外被爆者など、多くの課題が未解決です。日本の戦争責任と戦後補償の問題として、国家補償を明記した被爆者援護法への改正など、早急に解決しなければなりません。また、あらゆる核利用の場でヒバクシャがつくられることに反対し、その救済にとりくみます。2006年のチェルノブイリ20周年を通じて放射線被害に対する認識を広めるとともにヒバクシャの人権確立にむけたとりくみを内外で作り出します。

 私たちは、核被害を根絶するため、世界のヒバクシャと連帯し「核絶対否定」の思想を広めるとともに、暴力と殺りくがくりかえされる社会を脱して対話と共存を基本とした平和な世界を実現し、核も戦争もない21世紀を子どもたちに贈るとりくみを全力で進めます。

 私たちは、困難であってもたたかいは必ず前進するという希望を胸に刻み、連合や核禁会議との大会共同開催の成果を生かすとともに、全国各地、世界の平和・核軍縮勢力・脱原発勢力との連帯の輪を拡大していきます。

 No More HIROSHIMAS. No More NAGASAKIS.No More ヒバクシャ. No More War!

 大会に参加した私たちすべての総意として、60年前の原点に立ち、あらためて世界に宣言します。