○調布市の意見書提出実現に向けて尽力された藤川さんのコメントを含めて、以下に転載いたします。
9月28日、調布市議会は以下のような政府に対する意見書を全会一致で採択しました。世界の平和が著しく脅かされているいま、私たちはいつも広島・長崎の原点に帰って核も戦争もない世界をめざしていかなければならないと思います。そのための小さな一歩ではありますが、今この時点で、どうしても正しておかなければならないことに対して淡々と地域から発言していこう、そんな思いがこの意見書決議には込められています。このような試みが多くの地域に広がっていくことを祈りながら掲載させていただきます。(原水爆禁止調布市民会議・藤川)
核兵器廃絶への道が揺らいでいる。
日本政府の姿勢が問われるふたつの問題が起きている。「核兵器廃絶への明確な約束」を昨年のNPT(核不拡散条約)再検討会議が採択したことを受けて、日本政府は昨年の国連総会でオーストラリア政府と共同で「核兵器廃絶への道程」と名づけた決議案を提出して圧倒的な賛成を得た。この決議案の大きな意義としてあげられるのは、CTBTの条約発効の目標を2003年として初めて期限を画したことであった。小泉首相も今年の広島・長崎での平和祈念式典で多くの被爆者を含む市民の前で、CTBT発効促進のために全力で取り組むことを約束している。
しかし今年8月、本年の国連決議についてNGO団体と協議した外務省の担当者は、アメリカ政府の最近の動向に沿わないという理由でこの目標期限を明示しない意向であることを表明した。このことは、日本政府の核兵器廃絶への取り組みの後退を意味する。本年度わが国が国連総会に提出する決議案がそのような内容になるなら、昨年の決議に賛成した諸国の反発を招くことになるだろう。
もうひとつはアメリカの水爆における爆発現象(核融合)の研究を行い、核兵器に関する専門家集団と新しい核弾頭を設計し、製造する能力を維持することを目的として建設中の「国立点火施設(NIF)」に、日本の光学ガラス最大手メーカー「HOYA」の米国現地法人が主要部品を納入していることだ。CTBTをすでに批准している日本の企業がこのような核兵器用施設に協力することは「核兵器の開発及び質的改善を抑制し、並びに高度な新型核兵器の開発を終了させる」というこの条約の主要な目的の精神に明確に反する。ブッシュ政権は前政権の政策を踏襲せずCTBTの批准に後ろ向きな態度だが、もしこの施設(NIF)完成後にアメリカ政府が核実験を再開すれば、日本はCTBTの違反国となる。HOYAは広島・長崎市長や被爆者団体の抗議で一時はこのレーザー増幅用の特殊ガラスの納品を見合わせたが、この3月から再開すると発表して、その後は反核団体の抗議も受け付けない態度を明確にした。被爆国日本の企業として許されることではない。
よって調布市議会は、以下の事項を政府・外務省に要求するものである。
1、外務省はCTBTの早期発効に対する態度を後退させることなく、本年度以降も世界に向けて明確に約束した2003年発効という目標期限を堅持し、アメリカ政府はじめ諸外国への働きかけを続けること。
2、米国現地法人とはいえ、本社を日本に持つ企業が核兵器開発の協力を行うことは許されない。HOYAに対し、外務省は適切な指導を行い、「国立点火施設(NIF)への部品納入をやめさせること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する
平成13年9月28日 調布市議会議長 鈴木正昭
提出先 内閣総理大臣 外務大臣