資料
1996

包括的核実験禁止条約(CTBT)

CONPREHENSIVE TEST BAN TREATY


 採  択 一九九六年九月一〇日(国連総会特別会議)
 署  名 一九九六年九月二四日(第五一国連総会) 
 日 本 国 一九九六年九月二四日署名        

前文

 この条約の締約国(以下「締約国」という。)は、

 軍備における核兵器の削減を含む、核軍備の縮小の分野及びすべての側面における核拡散の防止の分野における近年の国際協定及び他の積極的措置を歓迎し、

 そのような協定及び措置の完全かつ迅速な履行の重要性を強調し、

 現在の国際情勢が核軍備の縮小に向けての及びすべての側面における核兵器の拡散に対する一層効果的な措置をとる機会を提供するものと確信し、また、そのような措置をとる意図を宣言し、

 したがって、核兵器の廃絶という究極の目標をもって、世界的規模で核兵器を廃絶するため、計画的かつ斬新的な継続した努力の必要性及び厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小の必要性を強調し、

 すべての核兵器の実験的爆発その他の核爆発の停止は、核兵器の開発及び質的改善を抑制し並びに高度な新型核兵器を終了させることによって、すべての側面における核軍備の縮小及び核不拡散にとって効果的な措置となることを認識し、

 更に、そのようなすべての核爆発を終了させることは、核軍備の縮小を達成するための計画的な過程を実現する有意義な一歩となることを認識し、

 核実験の終了を達成する最も効果的な方法は、軍備縮小及び不拡散の分野において長い間国際社会の最優先目標の一つであった普遍的な及び国際的かつ効果的に検証することのできる包括的核実験禁止条約の締結によることを確信し、

 核兵器のすべての実験的爆発の永久的停止の達成を求めるため、千九百六十三年の大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験を禁止する条約の締約国によって表明された願望に留意し、

 この条約が環境保護に貢献し得ると表明された見解にも留意し、

 すべての国によるこの条約の遵守を喚起するという目的並びにすべての側面における核兵器の拡散防止、軍備縮小の過程並びに国際の平和及び安全の増進に効果的に貢献するという目的を確認して、

 次のとおりに協定した。

 

第一条 [基本的義務]

1 各締約国は、いかなる核兵器の実験的爆発又は他の核爆発も実施しないこと、並びに自国の管轄又は管理の下にあるいかなる場所においても、これらの核爆発を禁止及び防止することを約束する。

2 各締約国は、更に、核兵器の実験的爆発若しくは他の核爆発の実験を実現させ、奨励し又はいかなる態様によるかを問わずこれに参加することを慎むことを約束する。

 

第二条 [機構]

A 一般規定

1 締約国は、この条約の趣旨及び目的を達成し、この条約の遵守についての国際的な検証に関する規定を含む、この条約の規定の履行を確保し、並びに締約国間の協議及び協力のための場を提供するため、この条約により包括的核実験禁止条約機構(以下「機構」という。)を設立する。

2 すべての締約国は、機構の加盟国となる。締約国は、機構の加盟国としての地位を奪われることはない。

3 機構の所在地は、オーストリア共和国ウィーンとする。

4 機構の機関として、締約国会議、執行理事会及び技術事務局(国際データセンターを含む。)をこの条約により設置する。

5 各締約国は、この条約に従い機構がこの任務を遂行することに協力する。締約国は、この条約の趣旨及び目的又は規定の履行に関して提起される事項につき、直接に締約国間で、又は機構若しくは国際連合の枠内における国際連合憲章に基づく手続を含む他の適当な国際的な手続を通じて協議する。

6 機構は、できる限り干渉の程度が低く、かつ、検証活動の目的の適時の及び効果的な遂行に合致する方法で、この条約に規定する検証活動を行う。機構は、この条約に基づく自己の責任を果たすために必要な情報及び資料のみを要請する。機構は、この条約の履行を通じて知るに至った非軍事上及び軍事上の活動及び施設に関する情報の秘密を保護するためにすべての措置をとるものとし、特に、この条約に定める秘密扱いに関する規定を遵守する。

7 各締約国は、この条約の履行に関連して機構から秘密のものとして受領する情報及び資料を秘密として取り扱い並びに特別に処理する。締約国は、当該情報並びに資料をこの条約に基づく自国の権利及び義務との関連においてのみ取り扱う。

8 機構は、独立の機構として、可能な場合には、国際原子力機関等の他の国際機構との協力的な措置を通じ、既存の専門的知識及び施設を利用し、及び費用効率を最大にするよう努める。当該措置(重要度の低いかつ商業的及び契約的性質のものは除く。)は、承認のために締約国会議に提出される協定に定める。

9 機構の活動に要する費用は、国際連合と機構との間の加盟国の相違を考慮して調整される国際連合の分担率に従って締約国が毎年負担する。

10 準備委員会に対する締約国の財政的負担については、適当な方法により、機構の通常予算に対する当該締約国の分担金から控除する。

11 機構に対する分担金の支払いが延滞している機構の加盟国は、その未払の額が当該年に先立つ二年の間に当該加盟国から支払われるべきであった分担金の額に等しい場合には、機構において投票権を有しない。ただし、締約国会議は、支払の不履行が当該国にとってやむを得ない事情によると認めるときは、当該加盟国に投票を許すことができる。

 

B 締約国会議

<構成、手続及び意思決定>

12 締約国会議(以下「会議」という。)は、すべての締約国により構成する。各締約国は、会議において一人の代表を有するものとし、代表は代表代理及び随員を伴うことができる。

13 会議の第一回会期は、この条約が効力を生じた後三十日以内に寄託者が招集する。

14 会議は、別段の決定を行う場合を除くほか、毎年通常会期として会合する。

15 会議の特別会期は、次のいずれかの場合に開催される。この場合において、開催の決定又は要請において別段の明示がない限り、会議の決定、執行理事会の要請又は必要な支持の達成の後三十日以内に開催される。

(a)会議が決定する場合

(b)執行理事会が要請する場合

(c)いずれかの締約国が要請し、かつ、締約国の過半数が支持する場合

16 会議は、また、第七条の規定に従って改正会議として開催することができる。

17 会議は、また、第八条の規定に従って検討会議として開催することができる。

18 会期は、会議が別段の決定を行う場合を除くほか、機構の所在地で開催される。

19 会議は、その手続規則を採択する。会議は、各会議の始めに、議長及び他の必要な役員を選出する。これらの者は、次の会期において新たな議長及び他の役員が選出されるまで在任する。

20 定足数は、締約国の過半数とする。

21 核停役国は、一個の投票権を有する。

22 会議は、出席しかつ投票する締約国の過半数による議決で手続事項についての決定を行う。実質事項についての決定は、可能な限りコンセンサス方式によって行う。問題の決定に当たりコンセンサスが得られない場合には、会議の議長は、いかなる投票も二十四時間延期し、この間にコンセンサスの達成を容易にするためのあらゆる努力を払い、及び当該二十四時間の終了の前に会議に対して報告する。当該二十四時間の終了の時にコンセンサスが得られない場合には、会議は、この条約に別段の定めがある場合を除くほか、出席かつ投票する締約国の三分の二以上の多数による議決で決定を行う。実質事項であるか否かについての問題が生ずる場合には、会議が実質事項についての決定に必要な多数による議決で別段の決定を行わない限り、実質事項として取り扱う。

23 会議は、26(k)の規定に基づく任務を遂行する場合には、22に規定する実質事項に関する決定手続に従い、この条約の附属書一に掲げる国の一覧表にいずれかの国を加える決定を行う。会議は、22の規定にかかわらず、この条約の附属書一につきその他の修正についてコンセンサス方式によって決定を行う。

 

<権限及び任務>

24 会議は、機構の主要な機関であり、執行理事会及び技術事務局の権限及び任務に関するものを含め、この条約に従い、この条約の範囲内のいかなる問題又は事項も検討する。会議は、締約国が提起し又は執行理事会が中を喚起するこの条約の範囲内のいかなる問題又は事項についても、勧告しかつ決定することができる。

25 会議は、この条約の履行を監督し、その遵守状況を検討し、並びにその趣旨及び目的を推進するために行動する。会議は、執行理事会及び技術事務局の活動も監督するものとし、これらのいずれの機関に対してもその任務の遂行のために指針を与えることができる。26 会議は、次のことを行う。

(a)執行理事会が提出するこの条約の履行に関する機構の報告、年次計画及び予算を検

 討し及び採択し並びに他の報告を検討すること。

(b)9の規定に従って締約国が支払う分担金の率につき決定すること。

(c)執行理事会の理事国を選出すること。

(d)技術事務局の事務局長(以下「事務局長」という。)を任命すること。

(e)執行理事会が提出する執行理事会の手続規則を検討し及び承認すること。

(f)この条約の運用に影響を及ぼし得る科学及び技術の進歩を検討すること。このため、会議は、事務局長がその任務の遂行に当たり会議、執行理事会又は締約国に対してこの条約に関連する科学及び技術の分野における専門的な助言を行うことができるようにす

 るために、科学諮問委員会を設置することを事務局長に指示することができる。この場合において、科学諮問委員会は、この条約の履行に関連する特定の科学的分野における専門的知識及び経験に基づき、個人的資格において職務を遂行しかつ会議が採択する付託事項に従って任命される独立した専門家により構成すること。

(g)第五条の規定に従い、この条約の遵守を確保し並びにこの条約の違反する事態を是正し及び改善するため、必要な措置をとること。

(h)第一回会期において、準備委員会が作成し及び勧告する協定案、取決め案、規則案、運用手引書案、指針案その他の文書を検討し及び承認すること。

(i)38(h)の規定に従って機構のために執行理事会が締結することとなる協定又は取決めであって技術事務局と締約国、他の国及び国際機構との間で交渉するものを検討し及び承認すること。

(j)この条約に従い会議がその任務を遂行するために必要と認める補助機関を設置すること。

(k)適当な場合には、23の規定に従ってこの条約の附属書一を更新すること。

 

C 執行理事会

<構成、手続及び意思決定>

27 執行理事会は、五十一の理事国により構成する。各締約国は、この条の規定に従い、理事国としての任務を遂行する権利を有する。

28 執行理事会は衡平な地理的配分の必要性を考慮し、次の締約国により構成する。

(a)十のアフリカの締約国

(b)七の東欧の締約国

(c)九のラテン・アメリカ及びカリブの締約国

(d)七の中東及び南アジアの締約国

(e)十の北アメリカ及び西欧の締約国

(f)八の南東アジア、太平洋及び極東の締約国

 これらの各地理的地域のすべての国は、この条約の附属書一に掲げる。附属書一は、適当な場合には、23および26(k)の規定に従って会議が更新する。附属書一は、第七条の定める手続による改正又は修正の対象とされない。

29 執行理事会の理事国は会議が選出する。このため、各地理的地域においては、執行理事会の理事国の選挙のための当該地域の締約国の指名を次のとおり行う。

(a)各地理的地域に割り当てられる議席の三分の一以上は、政治的な及び安全保障上の利益を考慮して、国際的な資料によって決定されるこの条約に関連する原子力能力及び各地域によって決定される優先度による次の表示基準の全部又は一部を基礎として指名

 される当該地域の締約国によって占められる。

 I 国際監視制度施設の数

 II 監視技術に関する専門的知識及び経験

 III 機構の年次予算に対する拠出

(b)各地理的地域に割り当てられる議席の一は、輪番を基礎として、締約国となって以来又は理事国となって以来のいずれか短い方の期間において最も長い期間執行理事会の理事会の理事国として任務を遂行しなかった当該地域の締約国のうちの英語のアルファ

 ベット順の最初の締約国によって占められる。そのような基準に基づいて指名された締約国は、その議席の移譲を決定することができる。この場合には、当該締約国は、事務局長に対して議席を放棄する旨の書簡を発出するものとし、当該議席は、この(b)の規定に基づく順位のの次の締約国によって占められる。

(c)各地理的地域に割り当てられた残りの議席は、輪番又は選挙によって当該地域のすべての締約国により指名される締約国によって占められる。

30 執行理事会の各理事国は、執行理事会において一人の代表を有するものとし、代表は代表代理及び随員を伴うことができる。

31 執行理事会の各理事国は、自国が選出された会議の会期の終わりからその後の二番目の会議の通常年次会期の終わりまで在任する。ただし、執行理事会の第一回の選挙においては、28に規定する定められた理事国の数の割合に十分な配慮を払い、二十六の理事国は、三番目の通常年次会期の終わりまで在任するために選出される。

32 執行理事会は、その手続規則を作成し、承認のためこれを会議に提出する。

33 執行理事会は、その議長を理事国より選出する。

34 執行理事会は、通常会期として会合するほか、通常会期と通常会期の間においては、その権限及び任務の遂行のため必要に応じて会合する。

35 執行理事会の各理事国は、一個の投票権を有する。

36 執行理事会は、すべての理事国の過半数による議決で手続事項についての決定を行う。執行理事会は、この条約に別段の定めがある場合を除くほか、すべての理事国の三分の二以上の多数による議決で実質事項についての決定を行う。実質事項であるか否かについての問題が生ずる場合には、実質事項についての決定に必要な多数による議決で別段の決定が行われない限り、実質事項として取り扱う。

<権限及び任務>

37 執行理事会は、機構の執行機関である。執行理事会は、会議に対して責任を負う。執行理事会は、この条約によって与えられる権限及び任務を遂行する。執行理事会は、これらを遂行するに当たり、会議の勧告、決定及び指針に従って行動し、並びにこれらの勧告、決定及び指針の適切かつ継続的な履行を確保する。

38 執行理事会は、次のことを行う。

(a)この条約の効果的な履行及び遵守を促進すること。

(b)技術事務局の活動を監督すること。

(c)必要に応じて、この条約の趣旨及び目的の促進のための新たな提案の検討を会議に勧告すること。

(d)各締約国の国内当局と協力すること。

(e)機構の年次計画案及び予算案、この条約の履行に関する機構の報告案、執行理事会が必要と認める他の報告又は会議が要請する場合には当該要請による他の報告を検討し並びに会議に提出すること。

(f)会議の会期のための準備(議題案の作成を含む。)を行うこと。

(g)第七条の規定に従い、運営上の又は技術的な性質の事項について、議定書又はその附属書の修正案を検討し、その採択について締約国に勧告すること。

(h)会議の事前の承認を条件として、機構に代わって締約国、他の国及び国際機構と協定又は取決めを締結し、(i)の協定又は取決めを除くほか、その履行を監督すること。

(i)検証活動の履行に関する締約国及び他の国との協定又は取決めを承認し、その運用を監督すること。

(j)技術事務局が提案する新たな運用手引き書及び現行の運用手引書の修正を承認すること。

39 執行理事会は、会議の特別会期を要請することができる。

40 執行理事会は、次のことを行う。

(a)この条約の履行につき、情報交換を通じて、締約国間及び締約国と技術事務局との間の協力を容易にすること。

(b)第四条の規定に従って締約国間の協議及び説明を容易にすること。

(c)第四条の規定に従って現地査察の要請及び報告を受領し、検討し並びにそのための措置をとること。

41 執行理事会は、この条約の違反の可能性及びこの条約に規定する権利の濫用に監視、締約国が提起するいかなる懸念も検討する。その検討に当たり、執行理事会は、関係締約国に対し、一定の期間内に事態を是正するために措置をとるよう要請する。執行理事会は、更に行動が必要であると認める場合には、特に、次の一又は二以上の措置をとる。

(a)すべての締約国に対し問題又は事項を通報する。

(b)問題又は事項について会議の注意を喚起する。

(c)第五条の規定に従い、事態を是正し及びこの条約の遵守を確保するための措置に関し会議に対し勧告を行い及び、適当な場合には、そのための措置をとる。

 

D 技術事務局

42 技術事務局は、この条約の履行に当たって締約国を援助する。技術事務局は、会議及び執行理事会が任務を遂行するに当たり、会議及び執行理事会を補佐する。技術事務局は、この条約によって与えられる検証その他の任務及びこの条約に基づいて会議又は執行理事会によって委任される任務を遂行する。技術事務局には、その不可分の一体して国際データセンターを含む。

43 この条約の遵守の検証に関する技術事務局の任務には、第四条の規定及び議定書に従って特に次のことを含む。

(a)国際監視制度の運用を監督し及び調整することに責任を負うこと。

(b)国際データセンターを運用すること。

(c)国際監視制度の資料を定期的に受領し、処理し、分析し及び報告すること。

(d)監視観測所の設置及び運用について技術上の援助及び支援を提供すること。

(e)締約国間の協議及び説明を容易にするに当たって執行理事会を補佐すること。

(f)現地査察の要請を受領し及び処理し、当該要請の執行理事会による検討を容易にし、

 現地査察の準備を行い、現地査察の実施中に技術上の援助を提供し並びに執行理事会に

 報告すること。

(g)締約国、他の国又は国際機構と協定又は取決めについて交渉し及び執行理事会が事

 前に承認することを条件として、検証活動に関する協定又は取決めを締約国又は他の国

 と締結すること。

(h)この条約に定める他の検証事項につき国内当局を通じて締約国を援助すること。

44 技術事務局は、執行理事会が承認することを条件として、第四条の規定及び議定書に基づき、検証制度の種々の構成要素の運用の指針とするための運用手引書を作成し、維持する。この手引書は、この条約又は議定書の不可分の一部を成さず、執行理事会が承認することを条件として、技術事務局が修正する。技術事務局は、運用手引書の修正について速やかに締約国に通報する。

45 運営上の事項に関する技術事務局の任務には、次のことを含む。

(a)機構の計画及び予算案を作成し及び執行理事会に提出すること。

(b)この条約は履行に関する機構の報告案及び会議又は執行理事会が要請する場合には

 他の報告を作成し及び執行理事会に提出すること。

(c)会議、執行理事会及び他の補助機関に対し、運営上及び技術上の援助を提供するこ

 と。

(d)この条約の履行に関し、機構に代わり、通信を発出し及び受領すること。

(e)機構と他の国際機関との間の協定に関する運営上の責任を負うこと。

46 締約国の機構に対するすべての要請及び通報は、締約国の国内当局を通じて事務局長に送付される。要請及び通報は、この条約の言語の一で行われる。これらの要請及び通報に対する回答については、事務局長は、当該要請及び通報の言語を使用する。

47 技術事務局は機構の計画案及び予算案を作成し及び執行理事会に提出するための技術事務局の責任につき、国際監視制度の一部として設置された各施設のために要するすべての費用について明確な会計を維持する。機構のすべての他の活動は、計画案及び予算案における取扱いと同様の取扱いが行われる。

48 技術事務局は、任務の遂行に関連して生じ、活動の実行に当たり知るに至り及び当該締約国との間の協議により解決することができなかった問題を執行理事会に速やかに通報する。

49 技術事務局は、技術事務局の長でありかつ主席行政官である事務局長及び科要員、技術要員その他の必要な人員により構成する。事務局長は、執行理事会の勧告に基づき四年の任期で会議が任命する。その任期は、一回に限り更新することができる。最初の事務局長は、準備委員会の勧告に基づき、会議の第一回会期において、会議が任命する。

50 事務局長は、技術事務局の職員の任命、組織及び任務の遂行につき会議及び執行理事会に対して責任を負う。職員の雇用及び勤務条件の決定に当たっては、最高水準の職業上の専門知識、経験、能率、能力及び誠実性を確保することの必要性に最大の考慮を払う。職員の採用に当たっては、技術事務局の責任を適切に遂行するために職員を必要な最小限度に保つという原則を指針とする。

51 事務局長には、適切な場合には、執行理事会との協議の後、特定の問題について勧告を行うための科学専門家の暫定的な作業部会を設置することができる。

52 事務局長、査察員、査察補その他の職員は、その任務の遂行に当たって、いかなる政府からも又は機構外のいかなるところからも指示を求め又は受けてはならない。これらの者は、機構に対しての影響を及ぼすおそれのあるいかなる行動も慎まなければならない。事務局長は、査察団の活動に責任を負う。

53 締約国は、事務局長、査察員、査察補、その他の職員の責任の専ら国際的な性質を尊重するものとし、これらの者が責任を果たすに当たってこれらの者を左右しようとしてはならない。

 

E 特権及び免除

54 機構は、締約国の領域内又はその管轄若しくは管理の下にあるその他の場所において、機構の任務の遂行のために必要な法律上の能力並びに特権及び免除を享受する。

55 締約国の代表、その代表代理及び随員並びに執行理事会のために選出された理事国の代表、その代表代理及び随員並びに事務局長、査察員、査察補及び機構の職員は、機構に関連する自己の任務を独立して遂行するために必要な特権及び免除を享受する。

56 この条に規定する法律上の能力、特権及び免除については、機構と締約国との間に協定及び機構との協定は、26の(h)及び(i)の規定に従って検討され及び承認される。

57 54及び55の規定にかかわらず、検証活動が行われている間事務局長、査察員、査察補及び技術事務局の職員が享受する特権及び免除については、議定書に定める。

 

第三条 [国内の実施措置]

1 各締約国は、自国の憲法上の手続に従い、この条約に基づく自国の義務を履行するために必要な措置をとる。各締約国は、特に、次のことのために必要な措置をとる。

(a)自国の領域内のいかなる場所又は国際法によって認められる自国の管轄の下にあ

 るその他のいかなる場所においても、自然人及び法人がこの条約によって締約国に対し

 て禁止されている活動を行うことを禁止すること。

(b)自国の管理の下にあるいかなる場所においても、自然人及び法人が(a)の活動を

 行うことを禁止すること。

(c)国際法に従い、自国の国籍を有する自然人がいかなる場所においても(a)の活動

 を行うことを禁止すること。

2 各締約国は、1の規定に基づく義務の履行を容易にするため、他の締約国と協力し、及び適当な形態の法律上の援助を与える。

3 各締約国は、この条の規定に従ってとる措置を機構に通報する。

4 各締約国は、この条約に基づく自国の義務を遂行するため、国内当局を指定し又は設置し、及びその旨をこの条約が自国について効力を生ずる時に機構に通報する。国内当局は、機構及び他の締約国との連絡のための国内の連絡先となる。

 

第四条 [検証]

A 一般協定

1 この条約を遵守するために、次の要素から成る検証体制を設立するものとし、この検証体制は、この条約の効力発生の時にこの条約の検証のための要件を満たすことができるものとする。

(a)国際監視制度

(b)協議及び説明

(c)現地査察

(d)信頼の醸成措置

2 検証活動は、客観的な情報に基づき、この条約の対象である事項に制限され並びに、締約国の主権を完全に尊重することを基礎として、できる限り干渉の程度が低く、かつ、当該活動の目的の効果的な及び適時の遂行に合致する方法で行われる。締約国は、検証の権利の濫用を慎む。

3 締約国は、この条約に従い、第三条4の規定に基づいて設置される国内当局を通じて、この条約の遵守の検証を促進するために、特に次のことによって機構及び他の締約国と協力する。

(a)検証措置を行うための必要な施設及び通信手段を設置すること。

(b)国際監視制度の一部を成す国内観測所から得られる資料を提供すること。

(c)適当な場合には協議及び説明の過程に参加すること。

(d)現地査察の実施を認めること。

(e)適当な場合には信頼の醸成措置に参加すること。

4 すべての締約国は、技術的及び財政的な能力のいかんにかかわらず、検証の平等な権利を享受し、及び検証を受け入れる平等な義務を負う。

5 いかなる締約国も、この条約の目的のため、国家の主権の尊重を含め一般的に認められている国際法の原則に適合する方法で、国内の検証技術手段によって得られた情報を使用することを妨げられない。

6 締約国は、この条約に関連しない機微に係わる施設、活動又は場所を保護する締約国の権利を害することなく、この条約の検証体制の要素及び5の規定に従って運用される国内の検証技術手段について干渉しない。

7 締約国は、機微に係わる施設を保護し並びにこの条約に関連しない秘密の情報及び資料の開示を防止する措置をとる権利を有する。

8 更に、検証活動の間に得られる非軍事上及び軍事上の活動及び施設に関するいかなる情報の秘密も保護するためにすべての必要な措置がとられる。

9 機構がこの条約によって設立された検証体制を通じて得られた情報は、8の規定に従うことを条件として、この条約及び議定書の関連規定に従ってすべて、この条約及び締約国が利用することができる。

10 この条約の規定は、科学的目的のための国際的な資料交換を制限すると解されてはならない。

11 各締約国は、適当な場合にはこの条約の効率的かつ費用効果的な検証を高めるための特別な措置を開発するため、検証体制の改善及び電磁波監視又は衛星監視のような追加的な監視技術による検証能力の検討に当たって機構及び他の締約国と協力することを約束する。当該措置は、合意される場合には、第七条の規定に従って、この条約の現行の規定、議定書若しくは議定書の追加的な規定に含められ又は、適当な場合には、第二条44の規定に従って運用手引書に反映される。

12 締約国は、すべての締約国の国内の検証履行の措置を強化することを可能にし及びこの条約の検証において使用される技術の平和的目的への応用からの利益を享受するために、当該技術に関して可能な最大限度まで交換することを容易にし及びその交換に参加するための締約国間協力を促進することを約束する。

13 この条約の規定は、平和的目的のための原子力の応用を一層発展させるための締約国経済及び技術の発展を妨げることを避ける方法で実施される。

 

<技術事務局の検証責任>

14 技術事務局は、この条約及び議定書に規定する検証分野における責任を果たすに当たり、締約国と協力して、この条約の目的のために次のことを行う。

(a)この条約の規定に従いこの条約の検証に関連する資料及び報告資料を受諾し及び配布し並びにこの任務に必要な世界的な規模の通信基盤を維持するための措置をとること。

(b)原則として技術事務局内において資料保管及び資料処理の中央連絡先となる国際データセンターを通じて定期的に次のことを行うこと。

 I 国際監視制度からの資料要請を受領し、開始すること

 II 適当な場合には、協議及び説明の過程、現地査察及び信頼の醸成措置から生ずる資

  料を受領すること

 III この条約及び議定書に従って締約国及び国際機構から他の関連資料を受領すること(c)関連する運用手引書に従って国際監視制度及び構成要素並びに国際データセンターの運用を監視し、調整し並びに確保すること。

(d)この条約の効果的な国際的な検証を可能にし及びこの条約の遵守に関する懸念の早期解決に貢献するため、合意される手続に従って国際監視制度の資料を定期的に処理し、分析し及び報告すること。

(e)すべての締約国に対し、未処理及び処理済みのすべての資料並びにいかなる報告資料も利用することができるようにすること。締約国は、第二条、この条の8及び13の規定に従って国際監視制度の資料の使用について責任を負うこと。

(f)すべての締約国に対し、すべての保管資料について平等な、公開の、適当なかつ適時のアクセスを提供すること。

(g)未処理及び処理済みの資料並びに報告資料を保管すること。

(h)国際監視制度からの追加の資料に対する要請を調整し及び容易にすること。

(i)いずれかの締約国から他の締約国に対する追加の資料の要請を調整すること。

(j)関係締約国が要請する場合には、監視施設及び個別の通信手段の設置及びに運用について、技術上の援助及び支援を行うこと。

(k)締約国に対し、その要請に応じ、検証体制から得られる資料を取りまとめ、保管し、処理し、分析し及び報告するために技術事務局及び国際データセンターが使用する技術を利用することができるようにすること。

(l)国際監視制度及び国際データセンターの全般的な成果を監視し、評価し及び報告すること。

15 14及び議定書に規定する検証責任を果たすに当たって技術事務局が使用することとなる合意される手続は、関連する運用手引書に定められる。

 

B 国際監視制度

16 国際監視制度は、地震学的監視、放射性核種監視(承認された実験施設を含む。)、水中音響監視、微気圧変動監視のための施設及び個別の通信手段によって構成され、並びに技術事務局の国際データセンターによって援助される。

17 国際監視制度は、技術事務局の権限の下に置かれる。国際監視制度のすべての監視施設は、議定書に基づき、当該施設を受け入れ又は当該施設について責任を有する国が所有し、及び運用する。

18 核締約国は、国際的な資料交換に参加し及び国際データセンターが利用することができるようにされたすべての資料にアクセスする権利を有する。各締約国は、自国の国内当局を通じて国際データセンターと協力する。

 

<国際監視制度の財政>

19 国際監視制度に組み込まれ並びに議定書の附属書一の付表一A、二A、3及びに4に掲げる施設並びにその任務のため、当該施設が議定書及び関連する運用手引書の技術上の要件に従って国際データセンターに資料を提供することを関係国及び機構が合意する範囲内において、機構は、議定書第一部4の規定に従って協定又は取決めに定まるとおり、次の事項に係わる費用を負担する。

(a)新たな施設の設置及び既存の施設の高度化。ただし、当該施設に責任を有する国がその費用を負担する場合は、この限りではない。

(b)適当な場合の施設の警備を含む国際監視制度の施設の運用及び維持並びに合意される資料確認手続

(c)必要な場合には、適切な通信分岐点を通じるものを含む、国際監視制度の未処理若しくは処理済みの資料の最も直接的かつ費用効果的な使用可能な方法による監視観測所、分析施設若しくは国内のデータセンターからの国際データセンターへの送付又は当該資料(適当な場合には、試料を含む。)の監視観測所から実験施設及び分析施設への送付

(d)機構に代わって行う試料の分析

20 機構は、議定書の附属書一の付表一Bに掲げる補助的な地震学的観測所網のため、議定書第一部4の規定に従って協定又は取決めに定めるとおり、次の事項に係わる費用のみを負担する。

(a)国際データセンターへの資料の送付

(b)当該観測所の資料の認証

(c)必要とされる技術的標準に合う観測所の高度化。ただし、そのような施設に対して責任を有する国がその費用を負担する場合は、この限りではない。

(d)必要な場合には、適切な施設が存在しない場所におけるこの条約の目的のための新たな観測所の設置。ただし、そのような施設に対して責任を有する国がその費用を負担する場合は、この限りではない。

(e)関連する運用手引書に定める機構が必要とする資料の提供に係わるその他の費用

21 機構は、また、議定書第一部Fの規定に従い、国際データセンターの報告資料及びサービスの標準の範囲から締約国が要請しかつ選択したものを当該締約国に提供する費用を負担する。追加の資料の作成及び送付の費用は、要請する締約国が負担する。

22 国際監視制度の施設を受け入れ又はその他の方法で責任を負う締約国又は国との間で締結される協定又は適当な場合の取決めには、これらの費用の負担についての規定を含む。当該規定には、締約国が受け入れ又は責任を負う施設のために19の(a)、20の(c)及び(d)に定める費用を当該締約国が負担し、並びに当該締約国が機構に対する分担金における適切な削減により償還することを定める方法を含む。当該削減は、締約国の年次分担金の五十パーセントを超えないものとし、引き続く年に持ち越すことができる。締約国は、他の締約国との間の協定又は取決めにより、執行理事会の同意を得て、当該削減を当該他の締約国と分担することができる。当該協定又は取決めは、第二条の26(h)及び38(i)の規定に従って承認される。

 

<国際監視制度の変更>

23 11に規定する措置であって監視技術の追加又は削除により国際監視制度に影響を与えるものは、合意される場合には、第七条の1から6までの規定に従ってこの条約及び議定書に含める。

24 次の国際監視制度の変更は、直接影響を受ける締約国の同意を条件として、第七条の7及び8の規定に従って運営上の又は技術的な性質の事項とされる。

(a)特定の監視技術のための施設の数で議定書に定めるものの変更

(b)議定書の附属書一の表に反映される特定の施設についてのその他の詳細(特に、施設に責任を有する国、場所、施設の名称、施設の種類、主要地震網と補助地震網のとの間の振り分けを含む。)の変更

  執行理事会は、第七条8(d)の規定に従って、変更が採択されることを勧告するときは、原則として第七条8(g)のきていに従い当該変更がその承認に関する事務局長の通告によって効力を生ずることを勧告する。

25 事務局長は、第七条8(b)の規定に従って執行理事会及び締約国に情報及び評価を提出するに当たり、24の規定に従って行われる提案に次の事項を含める。

(a)提案についての技術的評価

(b)提案の行政上及び財政上の影響についての意見

(c)提案によって直接影響を受ける国との協議に関する報告(当該国の同意の記述を含む。)

 

<暫定的措置>

26 事務局長は、議定書の附属書一の表に掲げる監視施設の重大又は回復不可能な故障が生じた場合には又は監視の範囲のその他の一時的な減少を埋めるために、直接影響を受ける国と協議し及び合意し並びに執行理事会の承認を得た上、必要な場合には執行理事会及び当該直接受ける国の合意を得て更に一年更新可能な暫定的措置で一年を超えない期間のものを開始する。当該措置は、国際監視制度の運用施設の数が関連する観測所網のために定める数を超えず並びに当該観測所網のための運用手引書に定める技術上及び運用上の要件をできるだけ満たすものとし、また、機構の予算内で実施される。事務局長は、また、事態を是正し、及びその恒久的な解決のための提案を行う。事務局長は、この26の規定に従って行われる決定についてすべての締約国に通告する。

 

<国内の協力施設>

27 締約国は、また別個に、正式には国際監視制度の一部でない国内の監視観測所からの追加の資料を国際データセンターが利用することができるよう協力措置を機構と共に設定する。

28 27の協力措置は、次のとおり設定する。

(a)技術事務局は、締約国の要請により及び当該国の費用で、特定の監視施設が国際監視制度の施設のための関連する運用手引書に定める技術上及び運用上の要件を満たすことを認証するための必要な措置をとり及び資料の認証のための措置をとる。技術事務局は、執行理事会の同意を条件として、そのような施設を正式に国内の協力施設として指定する。技術事務局は、適当な場合には、その認証を有効とするための必要な措置をとる。

(b)技術事務局は、国内の協力施設の最新の表を維持し、及びこれをすべての締約国に配布する。

(c)国際データセンターは、締約国が要請する場合には、協議及び説明の促進並びに現地査察の要請の検討のために、資料送信費用を当該締約国の負担により、国内の協力施設の資料を要請する。

  これらの施設から得られる追加の資料を使用可能とし及び国際データセンターが新たな又は迅速な報告又は説明を要請することができる条件は、それぞれの監視観測所網のための運用手引書に定める。

 

C 協議及び説明

29 締約国は、現地査察を要請する締約国の権利を害することなく、可能な場合には、まず、締約国間で又は機構と共に若しくは機構を通じて、この条約の基本的義務に違反する可能性についての懸念を引き起こす事態を説明し及び解決するためのあらゆる努力を払う。

30 29の規定に基づく要請を他の締約国から直接に受ける締約国は、要請締約国に対し、できる限り速やかに、いずれの場合も要請の後四十八時間以内に説明を提供する。要請締約国及び要請を受けた締約国は、執行理事会及び事務局長に対し、要請及び対応について通報することができる。

31 締約国は、事務局長に対し、この条約の基本的義務に違反する可能性についての懸念を引き起こす事態を説明することについて援助を要請する権利を有する。事務局長はm当該懸念に関して、技術事務局が有する適当な情報を提供する。事務局長は、要請締約国が要請する場合には、執行理事会に対し要請について及び要請に応じて提供した情報について通報する。

32 締約国は、執行理事会に対し、この条約の基本的義務に違反する可能性についての懸念を引き起こす事態について他の締約国からの説明を得るよう要請する権利を有する。この場合には、次のことを履行する。

(a)執行理事会は、説明の要請の受領の後二十四時間以内に、事務局長を通じ、要請を受けた締約国に対して当該要請を通報すること。

(b)要請を受けた締約国は、執行理事に対し、できる限り速やかに、要請の受領の後四十八時間以内に説明を提供すること。

(c)執行理事会は、説明に留意し、これをその受領の後二十四時間以内に要請締約国に通報すること。

(d)要請締約国は、説明が十分でないと認める場合には、執行理事会に対し、要請を受けた締約国から追加の説明を得るような要請する権利を有する。

  執行理事会は、他の締約国に対し、この32に規定する説明の要請及び要請を受けた締約国が提供する対応を遅滞なく通報する。

33 要請締約国は、32(d)の規定に従って得られる説明が不満足であると認められる場合には、執行理事会の理事国でない締約国が参加することのできる執行理事会の会合を要請する権利を有する。この会合において、執行理事会は、事態を検討し、第五条の規定に基づく措置を勧告することができる。

 

D 現地査察

<現地査察の要請>

34 各締約国は、この条及び議定書第二部の規定に基づき、いずれかの締約国の領域内若しくはその管轄若しくは管理の下にあるいかなる場所又はいずれかの国の管轄若しくは管理の外にあるいかなる場所においても現地査察を要請する権利を有する。

35 現地査察の唯一の目的は、核兵器の実験的爆発又は他の核爆発が第一条の規定に違反して行われたかどうかを明らかにし及び、可能な限り、違反した可能性のある者の確定に役立つ事実を収集することである。

36 要請締約国は、現地査察の要請をこの条約の範囲内で行い及び37の規定に基づく情報を査察要請に含める義務を負う。要請締約国は、根拠のない又は濫用的な査察要請を慎む。

37 現地査察の要請は、国際監視制度が収集する情報、一般的に認められている国際法の原則に適合する方法で国内の検証技術手段によって得られた関連する技術上の情報又はこれらの組み合わせに基づくものとする。要請には、議定書第二部41に規定する情報を含む。

38 要請締約国は、執行理事会に対して現地査察の要請を提出するものとし、また、事務局長に対して事務局長が直ちに処理を開始するよう要請を提出する。

 

<現地査察の要請の提出後の措置>

39 執行理事会は、現地査察の要請を受領したときは、直ちにその検討を開始する。

40 事務局長は、現地査察の要請を受領した後、二時間以内に要請締約国に対して当該要請の受領を確認し、査察が行われる行われる締約国に対して、六時間以内に当該要請を通報する。事務局長は、当該要請が議定書第二部41に規定する要件を満たすことを確認し、必要な場合には要請締約国がそれに従って当該要請を行うことを援助し、並びに当該要請を執行理事会及びすべての締約国に対して二十四時間以内に通報する。

41 現地査察の要請が要件を満たしている場合には、技術事務局は、現地査察の準備を遅滞なく開始する。

42 事務局長は、いずれかの締約国の管轄又は管理の下にある査察区域に係わる現地査察の要請を受領したときは、当該要請国において提起された懸念を説明し及び解決するために、査察が行われることを締約国に対して直ちに説明を求める。

43 42の規定に従って説明の要請を受領する締約国は、できる限り速やかに、当該説明の受領の後七十二時間以内に事務局長に対して説明及び利用可能な他の関連する情報を提供する。

44 事務局長は、執行理事会が現地査察の要請について決定する前に、執行理事会に対し、国際監視制度から得られる情報又は要請において特定される事象について締約国が提供する利用可能な追加の情報(42及び43に規定に従って提供される説明を含む。)並びに事務局長が関連すると認め又は執行理事会が要請する技術事務局内部のその他の情報を直ちに送付する。

45 執行理事会は、要請締約国が現地査察の要請において提起された懸念が解決されると認め、かつ、当該要請を撤回する場合を除くほか、他の規定に従って当該要請について決定する。

 

<執行理事会の決定>

46 執行理事会は、要請締約国から要請を受領した後九十六時間以内に現地査察の要請について決定する。現地査察を承認する決定は、執行理事会の理事国の三十以上の賛成投票によって行われる。執行理事会が当該査察を承認しない場合には、準備は停止され、当該要請について新たな行動はとられない。

47 査察団は、46の規定に基づく現地査察の承認の後二十五日以内に、執行理事会に対し、事務局長を通じて査察の経過報告を送付する。査察の継続は、執行理事会が査察の経過報告を受領した後九十六時間以内にすべての理事国の過半数による議決で当該査察を継続しないとの決定を行う場合を除くほか、承認されたものとみなされる。執行理事会が査察を継続しないとの決定を行う場合には、当該査察は、終了するものとし、査察団は、議定書第二部の109及び110の規定に従って被査察締約国の査察区域及び領域からできる限り速やかに退去する。

48 査察団は、現地査察の間執行理事会に対し、事務局長を通じて掘削を実施する提案を提出することができる。執行理事会は、当該提案を受領した後七十二時間以内に当該提案について決定する。堀削を承認する決定は、執行理事会のすべての理事国の過半数による議決で行われる。

49 査察団は、その任務を遂行することができるようにするために査察期間の延長が不可欠であると認める場合には、執行理事会に対し、事務局長を通じて規定書第二部4に定める六十日の期間を越えて最長七十日までの査察期間の延長を要請することができる。査察団は、その要請において、議定書第二部69に掲げる活動及び技術のいずれを延長期間中に実施する意向を有するかを明示する。執行理事会は、当該要請を受領した後七十二時間以内に当該延長の要請について決定を行う。査察期間の延長の承認についての決定は、執行理事会のすべての理事国の過半数による議決で行われる。

50 査察団は、47の規定に基づく現地査察の継続についての承認を終了するとの勧告を提出することができる。当該勧告は、執行理事会がこれを受領した後七十二時間以内にすべての理事国の三分の二以上の多数による議決で査察の終了を承認しないと決定する場合を除くほか、承認されたものとみなされる。査察団は、査察を終了させる場合には、議定書第二部の109及び110の規定に従って被査察締約国の査察区域及び領域からできる限り速やかに退去する。

51 要請締約国及び査察が行われる締約国は、投票権なしで現地査察に関する執行理事会の審議に参加することができる。要請締約国及び被査察締約国は、また、査察に関するその後の執行理事会の審議に投票権なしで参加することができる。

52 事務局長は、46から50までの規定に従い、執行理事会の決定並びに執行理事会に対する報告、提案、要請及び勧告について二十四時間以内にすべての締約国に通告する。

 

<執行理事会が現地査察を承認した後の措置>

53 執行理事会が承認した現地査察は、事務局長が指名した査察団によって並びにこの条約及び議定書に従って遅滞なく実施される。査察団は、執行理事会が要請締約国からの現地査察の要請を受領した後六日以内に入国地点に到着する。

54 事務局長は、現地査察の実施のための査察命令を与える。査察命令には、議定書第二部42に定める情報を含む。

55 事務局長は、議定書第二部43の規定に従い、査察国の入国地点への予定される到着の少なくとも二十四時間前に被査察締約国に対して査察を通告する。

 

<現地査察の実施>

56 各締約国は、機構がこの条約及び議定書により自国の領域又は自国の管轄若しくは管理の下にある場所における現地査察を実施することを認める。もっとも、いずれの締約国も自国の領域又は自国の管轄若しくは管理の下にある場所において同時に複数の現地査察を受け入れなければならないということはない。

57 被査察締約国は、この条約及び議定書により、次の権利を有し又は義務を負う。

(a)この条約の遵守を証明するためにあらゆる合理的な努力を払う権利及び義務並びにこのために査察団がその査察命令を遂行することができるようにする権利及び義務

(b)国家の安全保証上の利益を保護し及び査察の目的に関係しない秘密の情報のい開示を防止するために必要と認める措置を取る権利

(c)(b)規定並びに被査察締約国が財産権又は捜索及び押収に関して有する憲法上の義務を考慮して、専ら査察の目的に関する事実を確定するという目的のために査察区域内へのアクセスを認める義務

(d)第一条に規定する義務の違反を隠すためにこの57の規定及び議定書第二部88の規定を援用しない義務

(e)査察団が査察区域内において移動し並びにこの条約及び議定書に従って査察活動を実施する能力を妨げない義務

現地査察との関係におけるアクセスとは、査察団及び査察装置の査察区域への物理的アクセス並びに当該区域内における査察活動の実施を意味する。

58 現地査察は、出来る限り干渉の程度が低く、かつ、査察命令の効果的な及び適時の遂行に合致する方法で並びに議定書に定める手続に従って実施される。査察団は、可能な場合には、出来る限り干渉の程度が低い手続から開始し、この条約の違反の可能性についての懸念を明らかにするための十分な情報の収集に必要と認める場合にのみ、干渉の程度が高い手続に移行する。査察員は、査察の目的に必要な情報のみ及び資料のみを求め、並びに被査察締約国の通常の運用に対する干渉を最小限にするように努める。

59 被査察締約国は、現地査察団を援助し及びその任務を容易なものとする。

60 議定書第二部の86から96間での規定に従って行動する被査察締約国は、査察区域内におけるアクセスを制限する場合には、査察団と協議の上、他の代行手段を通じてこの条約の遵守を証明するあらゆる合理的な努力を払う。

<オブザーバー>

61 オブザーバーについては次の規定を適用する。

(a)要請締約国は、被査察締約国の同意を得て、自国又は第三者の締約国のいずれか一方の国民である代表者を現地査察の実施に立ち会わせるために派遣する事ができる。

(b)被査察締約国は、事務局長に対し執行理事会による現地査察の承認の後一二時間以内に提案されたオブザーバーを受け入れるか否かを通告する。

(c)オブザーバーを受け入れる場合において、被査察締約国は、議定書に従ってオブザーバーに対してアクススを認める。

(d)被査察締約国は、原則として、提案されたオブザーバーを受け入れる。ただし、被査察締約国が拒否する場合には、その事実は、査察報告に記録される。

すべての要請締約国からのオブザーバーの合計は、三名以内とする。

<現地査察についての報告>

62 査察報告には、次の事項を含む。

(a)査察団が行なった活動についての記述

(b)査察の目的に関する査察団の事実関係についての調査結果

(c)現地査察の間に与えられた協力についての報告

(e)現地査察の間査察団に与えられたアクセスの模範に関する事実に基ずく記述(提供された代替手段を含む。)

63 事務局長は被査察締約国に対し査察報告案を利用可能にする。被査察締約国は、事務局長にたいし、その意見及び説明を四八時間以内に提供並びに査察の目的に関係せず及び技術事務局の外部には送付されるべきではないと認める情報及び資料を特定する権利を有する。事務局長は、被査察締約国による査察報告案について被査察締約国が行う提案を検討し、可能な場合にはこれを含める。事務局長は、また、被査察締約国が提供した意見及び説明を査察報告に付加する。

64 事務局長は、査察報告を要請締約国、被査察締約国、執行理事会及びすべての締約国へ速やかに送付する。事務局長は、また、執行理事会及びほかのすべて締約国に対し、議定書第二部104規定に従い指定された実験施設における試料分析の結果、国際監視制度の関連資料、要請締約国及び被査察締約国の評価並びに必要と認めるその他の資料を速やかに送付する。事務局長は、47の査察の経過報告が行なわれる場合には、47に定める期間内に執行理事会に当該報告を送付する。

65 執行理事会は、その権限及び任務に従い、査察報告及び64規定に従って提供される資料並びに(a)現地査察の要請の権利が乱用されたか否の懸念を検討する。

66 執行理事会は、その権限及び任務に従い65の規定に関して新たな活動が必要であるとの結論に達する場合には、第五条の規定燃したがって適当な措置をとる。

 

<根拠がない又は濫用的な現地査察の要請>

67 執行理事会は、現地査察の要請の根拠がなく若しくは濫用的であるということにより現地査察を承認しない場合又は同一の理由により査察が終了する場合には、次のことを含めて事態を是正するための適当な措置をとるかどうかについて検討し、決定する。

(a)技術事務局が行なった準備の経費の負担を要請締約国に要求すること。

(b)要請締約国の査察を要請する権利を執行理事会が決定する一定期間停止すること。

(c)要請締約国が執行理事会の理事会として任務を遂行する権利を一定期間停止すること。

 

E 信頼の醸成措置

68 各締約国は、次のことのため、議定書第三部に規定する関連する措置を実施するに当たり、機構及び他の締約国と協力することを約束する。

(a)科学的爆発に関連する検証資料に関する誤解の可能性から乗じる遵守についての懸念を適時に解決することに貢献すること。

(b)国際監視制度の観測的所綱の一部である観測所の調整について援助すること。

 

第五条(事態を是正し及びこの条約の遵守確保するための制裁を含む措置)

1 会議は、特に執行理事会の勧告を考慮して、この条約の遵守を確保し並びにこの条約に違反する事態を是正し及び改善するため、2及び3に規定する必要な措置をとる。

2 締約国が自国によるこの遵守に関して問題を引き起こしてる事態を是正するよう会議又は執行理事会により要請されかつ一定の期間内に当該要請に応ずることができない場合には、会議は、特に、会議が別段の決定を行うまで、当該締約国がこの条約による権利及び特権を行使することを制限し又は停止することができる。

3 この条約の主旨及び目的に対する障害がこの基本的義務の違反により生じうる可能性がある場合には、会議は、締約国に対して国際法に適合する集団的措置を勧告することができる。

4 会議又は事態が緊急である場合には、執行理事会は、関連する情報及び判断を含め、問題につき国際連合の注意を喚起することができる。

 

第六条(紛争の解決)

1 この条約の適用又は解釈に関して生ずる紛争は、この条約の関連規定に従い及び国際連合憲章の規定によって解決する。

2 この条約の適用又は解釈に関して二以上の締約国間で又は一若しくは二以上の締約国間と機構との間で紛争が生ずる場合には、関係当事者は、交渉又は当該関係当事者が選択する、この条約に規定する適当な内部機関に対し提起すること及び合意により国際裁判所規定に従って国際司法裁判所に付託することを含む、その他の平和的手段によって紛争を速やかに解決するため、協議する。関係当事者は、いかなる措置がとられるかについて常時執行理事会に報告する。

3執行理事会は執行理事会が適当と認める手段(あっせんを提供すること、紛争当事国である締約国に対し当該締約国が選択する手続を通じて解決を求めるよう要請すること、問題について会議の注意を喚起すること及び合意された手続に従って解決するための期限を勧告する事を含む。)によって、この条約の適用又は解決に関して生ずる紛争の解決に貢献することができる。

4 会議は、締約国が提起し、又は執行理事会が注意を喚起する紛争に関係する問題を検討する。会議は、必要と認める場合には、第二条26(j)規定従い、これらの紛争の解決に関連して補助機関を設置し又は補助機関に任務を委託する。

5 会議及び執行理事会は、それぞれ、国際連合総会が許可することを条件として、機構の活動の範囲内において生ずる法律問題について勧告的意見を与えるよう国際司法裁判所に要請する権限を与えられる。このため、機構と国際連合との間の協定を第二条38(h)規定に基づいて締結する。

6 この条の規定は、第四条及び第五条の規定を害するものではない。

第七条(改正)

1 いづれの締約国も、この条約が効力を生じたのちいつでも、この条約、議定書又は議定書の附属の修正を提案できる。改正のための提案は、2から6までに規定する手続に従う。7の規定に基づく修正のための提案は、8に定める手続に従う。

2 改正案は、改正会議に置いてのみ検討し、及び採択する。

3 改正案は、事務局長に通報するものとし、事務局長は、これを全ての締約国及び寄託者に回章し、改正案を検討するため改正会議を開催するべきかどうかについて締約国の見解を求める。事務局長は、改正案の回章の後三十日以内に、締約国の過半数が改正案を更に検討することを指示する旨を事務局長に通報する場合にすべての締約国が招請される改正会議を招集する。

4 改正会議はその改正を支持する全ての締約国が早期の開催を要請する場合を除くほか、会議の通常会期の後直ちに開催される。いかなる場合にも、改正会議は、改正案の回章の後直ちに開催される。いかなる場合にも、改正会議は、改正案の回章の後六十日を経過するまで開催されない。

5 改正は、改正会議においていかなる締約国も反対票を投ずることなく、締約国の過半数の賛成票により採択される。

6 改正は改正会議において賛成票を投じた全ての締約国が批准書又は受託書を寄託した後三十日で、すべての締約国について効力を生ずる。

7 この条約の実行可能性及び実効性を確保するため、議定書の第一部及び第三部並びに議定書の付属書の1及び2規定は、修正案が運営上の又は技術的な性質の事項にのみ関連する場合には、8の規定に従って行なわれる修正の対象とする。議定書及び議定書の付属書の他の全ての規定は、8の規定に従って行なわれる修正の対象としない。

8 7に規定する修正については、次の手続に従って行う。

(a)修正案は、必要奈情報と共に事務局長に送付する。すべての締約国及び事務局長は、当該修正案を評価するための追加の情報を提供することができる。事務局長は、すべての締約国、執行理事会及び寄託者に対し、当該修正案及び情報を速やかに通報する。

(b)事務局長は、修正案の受領の後六十日以内に、この条約の規定及びに履行に及ぼし得るすべての影響を把握するために当該修正案を評価するためのものとし、その結果についての情報をすべての締約国及び執行理事会に通報する。

(c)執行理事会は、全ての入手可能な情報に照らして修正案を検討する。(当該修正案が7に定める要件を満たすか否かについての検討を含む。)。執行理事会は、当該修正案の受領の後九十日以内に、適当な説明を付して、執行理事会の勧告を検討のためにすべての締約国は、十日以内にその受領を確認する。

(d)執行理事会がすべての締約国に対し修正案を採択することを勧告する場合において、いずれの締約国もその勧告の受領の後九十日以内に異議を申し立てないときは、当該修正案については承認されたものとみなす。執行理事会が修正案を拒否することを勧告する場合において、いすれの締約国もその勧告の後九十日以内に異議を申し立てしないときは、当該修正案については拒否されたものとみなす。

(e)執行理事会の勧告が(d)の規定に従って締約国によって受け入れられない場合には、会議は、次の会期において実質事項として修正案の承認についての決定(当該修正案が7に定める要件を満たすか否かについての判断を含む。)を行う。

(f)事務局長は、この8の規定の基づく決定を全ての締約国及び寄託者に通報する。

(g)この8に定める手続に従って承認される修正は、他の期間を執行理事会が勧告し又は会議が決定する場合を除く他、全ての締約国につき、事務局長が当該承認を通報した日の後百八十日で効力を生ずる。

第八条(条約の検討)

1 締約国の過半数が別段の決定を行なう場合を除くほか、前文の主旨及び目的及びこの条約の規定の実現の遵守を確保するようにこの条約の運用及び効果を検討するため、この

条約の効力発生の十年後に会議を開催する。検討に際しては、この条約に関連するすべての科学及び技術の進歩を考慮するものとする。検討会議は、締約国の要請に基づいて、平和的目的のための地下核爆発の実施を認める可能性を検討する。検討会議はコンセンサス方式により当該核爆発を認めることができると決定する場合には、当該核爆発から軍事上の利益を排除するこの条約の適当な改正を締約国に勧告するために停滞なく作業を開始する。そのような改正案は、締約国によって事務局長に通報され及び第七条の規定に従って取り扱かわれる。

2 その後十年ごとに、前年に会議が手続事項として決定する場合には、同様の目的を持って更に検討会議を開催する。会議が実質事項として決定する場合には十年よりも短い間隔で検討会議を開催する。

3 検討会議は、通常、第二条に規定する会議の通常年次会期の後直ちに開催される。

 

第九条(有効期間及び脱退)

1 この条約の有効期間は、無期限とする。

2 各締約国は、この条約の対象である事項に関係する異常な事態が自国の至高の利益を危うくしていると認める場合には、その主権を行使してこの条約から脱退する権利を有する。

3 脱退は、他の全ての締約国、執行理事会、寄託者及び国際連合安全保障理事会に対し六箇月前に通告することによって行う。脱退の通告には、締約国が自国の至高の利益を危うくしていると認める異常な事態についても記載する。

第十条(議定書及び議定書の付属書の地位)

この条約の付属書、議定書及び議定書の付属書はは、この条約の不可分の一部を残す。「この条約」というときは、この条約の付属書、議定書及び議定書の付属書を含めていうものとする。

第十一条(署名)

この条約は、効力を生ずる前はすべての国による署名のために解放しておく。

第十二条(批准)

この条約は、署名国により、それぞれ自国の憲法上の手続に従って批准されなければならない。

第十三条(加入)

この条約が効力を生ずる前にこの条約に署名しない国は、その後いつでもこの条約に加入することができる。

第十四条(効力発生)

1 この条約は、その付属書二に掲げるすべての国の批准書が寄託された日の後百八十日で効力を生ずる。ただし、いかなる場合にも署名のための解放の後二年間を経過するまで効力を生じない。

2 この条約が署名のための解放の日の後三年を経過しても効力を生じない場合には、寄託者は、既に批准書を寄託している国の過半数による要請によってこれらの国による会議を招集する。この会議においては、1に規定する要件が満たされている程度を検討し、及びこの条約の早期の効力発生を容易にするため国際法に適合するいかなる措置を取るか検討し、コンセンサス方式によって決定する。

3 2に規定する会議又はそのようなそのほかの会議が別段の決定を行なわない限り、この条約が効力を生ずるまで、その後この条約の署名のための解放の日に繰り返される。

4 すべてのの署名国は、2に規定する会議及び3に規定するその後の会議にオブザーバー として出席するよう招請される。

5 この条約が効力を生じた後に批准書又は加入書を寄託する国については、その批准書又は加入書の寄託の日の後三十日目の日に効力を生じる。

第十五条(保留)

この条約及びその付属書については、保留は付することができない。この条約の議定書及びその付属書については、この条約の主旨及び目的を両立しない保留は付する事ができない。

 

第一六条(寄託者)

1 この条約の寄託者は、国際連合事務総長とするものとし、同事務総長は署名、批准書及び加入書を受領する。

2 寄託者は、すべての署名国及び加入者に対し、各批准書又は各加入書の寄託の日、この条約の効力発生の日、この条約の改正及び修正その他の事項に係る通告の受領を速やかに通報する。

3 寄託者は、この条約の認証謄本を署名国政府及び加入国政府に送付する。

4 この条約は、寄託者が国際連合憲章憲章第百二条の規定に従って登録する。

第十七条(正文)

この条約は、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とし、国際連合事務総長に寄託する。

付属書一 第二28に規定する国の一覧表 [省略]

付属書二 第十四条に規定する国の一覧表[省略]


包括的核実験禁止条約の議定書[詳細は省略]

 

第一部 国際監視制度及び国勢データセンターの任務

  A 一般規定

B 地震学的監視

C 放射性核種監視

D 水中音響監視

E 微気圧変動監視

F 国際データセンターの任務

 

第二部 現地調査

A 一般規定

B 共通の措置

C 現地査察の要請、査察命令及び査察の通告

D 査察の慈善活動

E 査察の実施

 

 

第三部 信頼の醸成措置

付属書一

付表一A 主要綱を構成する地震観測の表

付表一B 補助綱を構成する地震観測の表

付表二A 放射性核種観測所の表

付表二B 放射性核種実験施設の表

付表三  水中音響観測所の表

付表四  微気圧変動観測所の表

付属書二 国際データセンターの事象の標準的な選別のための特徴付け要素の表

   

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