2002年10月9日
外務大臣
川口順子 殿
日本労働組合総連合会
原水爆禁止日本国民会議
核兵器禁止平和建設国民会議
貴省の平和、核兵器廃絶に向けたご努力に敬意を表します。
さて本年8月6日と9日、ヒロシマとナガサキは被爆57周年を迎えました。
私たちは核兵器廃絶と世界平和の実現に向け、被爆国氏として誓いを新たにしノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキを世界に強く訴えました。しかし現実には今なお世界中には3万発ともいわれる核弾頭が存在しています。
冷戦が終結した時、私たちは地球上に平和が訪れることを大いに期待しました。しかし宗教や民族対立、地域紛争はますます拡大し、多くの子供たちや女性が犠牲となっています。緊張激化の中で私たちが最も警鐘をならさなければならないことは、核兵器が「核抑止力」としての存在から「いつでも使える兵器」になっていることです。インド・パキスタンにおけるカシミール地方の領有権をめ(hって核兵器使用も含めた武力紛争の激化も危惧されています。また、昨年9月11日の米国における同時多発テロの発生によって、卑劣なテロリストによる市民社会への挑戦が現実のものとなりました。これが核兵器を含む大量破壊兵器の使用ということにつながってはなりません。
現在、核兵器保有超大国として、世界の安全と平和に大きな影響力を持つ米国ブッシュ政権の姿勢は、世界平和に逆行するものといわざるを得ません。ユニラテラリズムヘの固執による国際的責任の放棄、米国上院でのCTBTの批准拒否さらにはCTBT条約そのものの死文化の動き、
ABM制限条約からの一方的離脱とミサイル防衛の推進、核弾頭の起爆剤となるプルトニウム塊の製造再開、小型で使用可能な核兵器開発等、イラクヘの先制攻撃という姿勢とあわせ、米国の傲慢さに世界の人々は大きな不安を抱いています。とりわけ、米国ネバダ州の地下核実験場で行われる臨界前核実験は、本年9月27日未明(日本時間)実施分で通算19回目となり、ブッシュ政権下では6回目というハイペースで行われています。これはすべての核実験の禁止を訴える被爆者や国際世論を全く無視するものです。
私たちは、「21世紀を戦争のない平和な世紀に」を合い言葉に核兵器廃絶と世界の恒久平和実現に取り組んできました。いま私たちが痛感することは核兵器廃絶に向けた地球市民の大きな声が必要だということです。そのためには何よりも平和を求める国際世論をもっと盛り上げていくことが重要です。
こうした中で、わが国政府が先頭に立って被爆国の立場から国連総会において世界の恒久平和実現と核兵器廃絶の提案を行い、総会決議を求めることは大変意義のあることと考えます。その際重要なことは、CTBT条約とNPT条約、2000年NPT再検討会議の経過と内容及びその後の成果を踏まえ、さらに昨年の国連軍縮会議の経過を十分に踏まえながら、より有効かつ成果を得られる内容としなければならないことです。特に新アジェンダ連合諸国と協力し、米国政府に決議案への賛同を強く求めることが必要だと考えます。貴省におかれましてはこうした点に十二分にご配慮いただき、ご努力されることを求めます。
私たちは、この提案がすべての国の賛成によって決議されるようわが国政府の奮闘を大いに期待します。あわせて私たちは、わが国における平和運動に責任を持つ平和団体として、わが国政府提案の国連決議が世界平和のために真に活かされていくように平和NGOの立場から核兵器廃絶に向けた取り組みを一層強めることを明らかにします。
以上