出版物原水禁ニュース
2002.11号 

六ヶ所再処理工場の稼働中止を求める署名を提出

─ 100万人までもう一息 ─

青森県原水禁 井上浩 

「止めよう再処理! 青森県実行委員会」(今村修実行委員長)は、原水禁国民会議、原子力資料情報室とともに4月から小泉純一郎内閣総理大臣及び、木村守男青森県知事宛に進めていた「六ヶ所再処理工場の稼働中止を求める署名」748,495筆分(10月23日までに集約、内青森県内分152,704筆)を10月25日にそれぞれ提出しました。

 県知事への署名簿提出に先立って、同日昼に青森県庁前で集会を開いた同実行委員会は「プルトニウム利用政策からの撤退と原子力政策の転換を求める」アピールを採択するとともに、破綻した核燃料リサイクル政策を依然として国に求めつづける木村知事を批判しました。
 その後、県庁に山口柾義副知事を訪ねた同実行委員会の一行22人は、県民から寄せられた15万2千余筆を含む段ボール20箱・546,474筆分の署名簿を提出しました。
 提出にあたって今村実行委員長は「プルサーマル計画が頓挫し、もはや再処理工場を動かす必要が無くなった」とし、県民の声を聞き入れて再処理工場を稼働させないよう求めました。
 応対した山口副知事は「75万人の署名を重く受け止める」としたものの、青森県は日本原燃が来年6月の再処理工場・ウラン試験を目指して準備をすすめる同・化学試験の11月1日開始を容認しました。
 この署名運動は、わたしたち「止めよう再処理! 青森県実行委員会」を3月25日に核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団(浅石紘爾代表)、核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会(平野良一代表)、青森県反核実行委員会(今村修実行委員長)を中心に結成し、その後、4月7日の「止めよう再処理!全国実行委員会(原水禁国民会議、原子力資料情報室、県実行委員会)」発足(4.9反核燃の日集会)と同時に今日まで、「止めよう再処理!100万人署名運動」として続けてきたものです。

 署名の趣旨は「危険で採算が取れず、核廃棄物の処理・処分も出来ない六ヶ所再処理工場は全く必要ありません。私たちは、原爆・核兵器材料にもなるプルトニウムを取り出す六ヶ所再処理工場稼働の中止を求めます。」(署名用紙)というもので、「プルトニウム利用政策からの撤退と、核燃料リサイクルという原子力政策」の転換を求めるものです。
 当初の集約期日までには、目標100万人の4分の3の署名しか集められませんでしたが、全国の仲間の下に駆けつけての署名のお願いや、夏の原水禁世界大会と一体となった「止めよう再処理!全国キャラバン」の成功で、署名運動は全国に広がっており、提出後も県内外から送られつづけた署名は県内3,178筆、県外101,906筆となり、11月14日現在の署名総数は、目標の100万人が見える853,579筆となりました。
 そこで実行委員会では12月20日を最終集約日として、当初目標の100万人達成まで署名運動を継続することとしました。
 再処理工場貯蔵プールでの漏水事故が手抜き工事によるものが明らかとなったにもかかわらず、事業主体である日本原燃(株)はなんら反省することもない今、一刻も早い、稼働停止が求められています。


止めよう再処理! 100万人署名提出
東京での政府関係省庁・関係団体への申し入れから

政府への提出と交渉経済産業省への要請

 今年4月の「反核燃の日」を契機に発足した「止めよう再処理!全国実行委員会」(原水禁国民会議、原子力資料情報室、止めよう再処理!青森県実行委員会など)が集約した「六ヶ所再処理工場の稼働中止を求める署名」の第1次分の署名748,495筆を、10月25日午前、内閣総理大臣に提出しました。政府側からは、内閣府の原子力委員会事務局担当者が対応し、「署名について必ず政府に伝え、原子力委員長と各委員にも伝える」ことを言明しました。提出に際して「東電などの一連の事故隠しにより、プルサーマル計画が頓挫したいま、六ヶ所再処理工場の建設や稼働する意味がない」ことを申し入れましたが、国策の推進を言うだけで、明確な説明がなされないままでした。

 同日午後には、国会での院内集会を行い、署名提出の報告と各地からの報告などを行い、同時刻に青森で行われている集会との共同アピールを採択して、経済産業省、電気事業連合会、電源開発(Jパワー)への申し入れへと移っていきました。
 中でも電気事業連合会では、六ヶ所再処理工場建設に関して、当事者の一角を占めていながらも、プルサーマル計画が頓挫し、再処理工場を建設する意味を問われても「我々は連合体なので、我々に言われても困る」、と言った無責任極まる答弁に終始し、「国の方針だから」、「資源の有効利用で、地球温暖化を防ぐためにも」とあいも変わらず建前の議論しかでてきませんでした。現実の状況に対して、再処理をどう位置づけ進めていくのかは一切明確にできませんでした。この程度の意識と内容で青森県に危険な再処理を押しつけることは、まさに許されるものではありません。使う当てのないプルトニウムを作り続ける意味を失ったまま、建設を「粛々と進めます」との言葉の先に、第二の原子力船「むつ」の二の舞を見るようです。2兆円も超える金が無駄に終わることが目の前にあっても、誰にも止められないシステムが、原子力の未来を暗示しているようでした。
「電源開発」へ申し入れ

着々と進む再処理建設と今後の運動について

 署名提出後の11月1日に、六ヶ所村の再処理工場で、硝酸などの薬品を使い、機器の性能や作動状況を調べる化学試験が始まりました。来年には、ウラン試験が計画され、プルサーマル計画が破綻していようがおかまいなしに、2005年7月の操業に向けて建設が強引に進められています。
 引き続き、「止めよう再処理!全国実行委員会」を軸に、運動の強化を図ることが必要です。今回の提出の際に、政府(原子力委員会)との公開の討論会を申し入れ、現在、検討中ではありますが、政府の方針や現状の対応について徹底的に公の場で明らかにし、批判していくことも必要だと考えています。
 また、署名は引き続き継続し、年末までに100万人集めるために、全国からのさらなるご支援とご協力をお願いします。来年4月の「反核燃の日行動」や6月の脱原発全国集会など様々な取り組みを積み上げていきます。
 今年から来年にかけては、誰も止めることができない再処理事業を、市民の手で止め、原子力政策の根本的な転換を図るまさに正念場です。圧倒的なご支援・ご協力と各地での奮闘をお願いします。

 (原水禁事務局・井上年弘)