出版物原水禁ニュース
2003.2号 

国・東電に36万名余の署名提出

 去年12月13日、原水禁国民会議と原子力資料情報室が共同で取り組んだ「国・東電などの事故隠しの徹底究明及びプルサーマル計画からの撤退を求める署名」を政府(原子力委員会)と東京電力に提出しました。2ヵ月半という極めて短い期間にもももかかわらす、全国から367,856筆が集まり、それだけこの問題に高い関心を寄せる人々が多いことが分かりました。もっと徹底した情宣活動や期間があれば、きっとこの数も2倍も3倍にもなったであろうことは、容易に想像がつきます。
 この署名は、東京電力の「事故隠し」の事態が明るみになり、東北電力、中部電力などにも広がりつつある中で取り組まれました。それらの事件により、日頃の安全管理の不十分さが浮き彫りにされ、原子力の安全神話がことごとくうち砕かれました。これが契機となり、福島や新潟で計画されていたプルサーマル計画は、地元の自治体から事前了解撤回などの決議が次々と上がり、計画そのものがとん挫しました。
 これらの事件は、決して東電などの個々の電力会社だけの問題ではなく、原子力業界全体が持っている閉鎖性と安全軽視の実態のごく一部が明らかにされたものにすぎません。
 当日、国側は原子力委員会事務局が対応し、署名の提出と共に、事故原因の徹底調査と再発防止を申し入れました。特に再発防止に関して、欠陥(傷つき)原発を認めようとする維持基準の導入については、規制の強化ではなく緩和であり、原発の安全を期待する住民への裏切りです。本来安全性強化にむけて規制の強化をするべきところ、従来の基準を緩めて規制していこうとすることは、今回の事件を逆手に取っての「焼け太り」ではないかと追及しました。併せてプルサーマル計画の見直しを求めましたが、明確な回答は得られませんでした。また、国側の責任についても一切言及しませんでした。
 東京電力にも、署名の提出とともに、事故隠しの徹底究明とともに、プルサーマル計画の白紙撤回を求めました。東電側からは「福島第一原発2号機」の、データねつ造事件など報告を受けましたが、原発の運転再開は、「地元の理解をえられるまで、こちらではいまどうこういう話しではない」と述べ、プルサーマル計画からの撤退については言葉をにごし続けました。また、プルサーマルの経済性の問題や今後のプルトニウム利用計画についても、企業秘密などを楯に明確な回答は何一つすることができないまま、時間が来てしまいました。
 署名提出時の交渉の中で、国・電力会社には、プルサーマル計画の明確な青写真はなに一つ描けていないことが明らかになりました。それでも強引にプルサーマル計画を推し進めようとする姿勢は問題です。また、原発推進派が「維持基準」の導入などでこの事件の幕引きをしようとしています。これを許さないねばり強い闘いは、これからです。今回の事件で停止した原発の再稼働をさせない運動などが課題となってきます。署名の力をバネに、さらなる追及をすることが必要です。