出版物原水禁ニュース
2003.6号 

国のヒバクシャ政策を問う
原爆症の認定求めて集団訴訟

■日本被団協の呼びかけで7人が訴訟

 4月17日、広島・長崎のヒバクシャ7人が原爆ヒバクを原因とした病気や後遺症があるのに原爆症認定申請を却下したのは不当として、国に却下処分の取り消しと1人当たり約300万円の損害賠償などを求める訴えを、札幌、名古屋、長崎の各地裁に起こしました。これは日本被団協が呼びかけた「原爆症の集団認定申請・集団訴訟運動」(2002年12号参照)の呼びかけに応えたもので、札幌市在住の3人、愛知県知多市在住の1人、長崎県在住の3人がまず第一陣として提訴しました。日本被団協では100人規模の訴訟にしたいと考えています。

■厳しすぎる原爆症認定

 国は原爆が投下された際、広島、長崎市内や周辺地域にいたか、2週間以内に爆心地に入った証明があれば「被爆者」として被爆者手帳が交付され、さらになんらかの病気(一応11の疾病)の人に対して健康管理手当(月額34,330円)が支給されていて、健康管理手当は02年末で28万人ヒバクシャの83.5%が受けています。
 さらにヒバクが原因で治療が必要な人は「原爆症」と認定され、月額139,600円の医療特別手当が支給されますが、こちらの認定はきわめて厳しい状況です。
 原爆症認定にはこれまで爆心地からの距離に応じたヒバク線量推定方式(DS86)が適用されていましたが、2000年7月に松谷英子さん原爆症認定訴訟で最高裁勝訴が確定した際、「(DS86)を機械的に適用するだけでは不十分」と指摘されたため、2001年からDS86に加え、当時の年齢や性別、病気発生確率を算出する「原因確率論」も導入されるようになりました。しかし認定が厳しいのは変わりません。02年3月末で被爆者手帳所有者28万5620人のうち、原爆症認定者はわずか2169人、0.76%にしかすぎません。
 特に原爆投下後に入市したヒバクシャへの認定は厳しく、書類の段階で外されるのがほとんどで、これまでに入市ヒバクシャで認定された人はわずか9人にしかすぎません。今回名古屋地裁に提訴した甲斐昭さんは、「入市ヒバクシャ」です。
 今回の集団訴訟は、認定基準の是非だけでなく、国のヒバクシャ政策を問う裁判となります。在韓ヒバクシャ訴訟同様、勝利を目指して支援しましょう。