出版物原水禁ニュース
2003.6号 

中間貯蔵施設建設をめぐる動きと問題点

中間貯蔵とは

 原子力発電の使用済み燃料を貯蔵する施設は、現在、各原発サイトと再処理工場にあります。原発内の施設で貯蔵し、冷却した後、再処理工場に運ばれるのが、この間の流れでしたが、1999年6月に原子炉等規制法が改正され「中間貯蔵」が認められ、原発から出てきた使用済み燃料を再処理するまでの間保管することが可能になりました。中間貯蔵施設の正式名称は、「リサイクル燃料備蓄センター」と呼ばれ、いかにも使用済み燃料がリサイクルできるような幻想を与えるものです。ここでいうリサイクルとは、再処理をしてプルトニウムを取り出し、利用することを指していますが、新潟や福島などでのプルサーマル計画の頓挫や六ヶ所村の再処理工場の先行きも全く不透明になりつつあるように、プルトニウム利用そのものが行き詰まっている現状にもかかわらず、「リサイクル」との名を冠し、強引に貯蔵施設の建設を図ろうとしています。現在、東京電力と関西電力が中心となって建設を進めようとしています。

東電・関電の動き

 東京電力は、4月11日、青森県むつ市の関根浜に使用済み燃料貯蔵施設の建設構想を発表しました。その中で、複数(2,3社)の電力会社の出資による新会社を設立し、約3,000トンを貯蔵する施設を建設し、その後同規模施設の増設で、最終的には5,000〜6,000トンを貯蔵しようと計画しています。ここでの貯蔵は、東電およびこの事業に参画する電力会社の原子力発電所から発生する燃料を貯蔵することになっています。東京電力は、立地可能性の最終報告を4月3日、市長に提出し、19日からは9ヵ所で住民説明会を行っています。むつ市は現在、財政難に苦しみ原子力船「むつ」の後に、使用済み核燃料の受け入れ、電源三法交付金や固定資産税、核燃料税などの様々な税収を当て込もうとしています。計画予定地は、公表されていませんが、水面下では着々と進んでいるのが実態です。
 和歌山県御坊市の沖、御坊第二火力発電所の建設予定地に関西電力の中間貯蔵施設の誘致の話が出てきています。周辺市町村は、反対を表明していますが、御坊市の一部議員や経済界は積極的に動いています。関西電力は、管内の福井県以外で複数の候補地を検討しているようですが、水面下で行われる立地工作は、民主主義を基本とした地域作りに背くものです。その他、福井県内の小浜市でも立地の動きがありまが、いずれにせよ、候補地を明らかにしないことは問題です。

破綻する中間貯蔵計画

 中間貯蔵建設は、地元に50年保管する事を約束し、現在の六ヶ所再処理工場ではなく第二再処理工場に使用済み燃料を運ぶことを前提に建設が進められようとしています。しかし、六ヶ所再処理工場の建設・稼働もままならない現状にあって、第二再処理工場の稼働を前提に、進められる中間貯蔵計画の破綻は目に見えています。建設地域も、計画内容も一切具体化されていないものを前提に進められ、破綻すればそのまま半永久的に貯蔵しつづけることになる可能性があります。50年の約束が、60年、70年、100年となし崩しにされ、そのまま放置されるでしょう。
 責任を後へ回し、現在の核燃料リサイクル政策を根本的に改めることもない、その場しのぎの政策は、原子力政策の矛盾を拡大するもので、地元住民に大きな負担を強いることになります。破綻が明らかな中間貯蔵施設は、中間ではなく、半永久的な核のゴミ捨て場となるでしょう。根本的な政策転換と施設建設の中止を求めることが重要です。