出版物原水禁ニュース
2003.7号 

障害に苦しむウラン鉱山労働者の子どもたち

小林 晃 (写真、文) 

 私は、さる4月中旬インドのウラン鉱山のあるジャルカンド州のジャドウゴダを訪れました。2001年12月につづき2回目です。インドのウラニウム公社(UCIL)が、先住民が住む土地にどのように強引に割り込んできたのか、そして周辺地域がどのような放射能の汚染状況にあるのかなど前回の取材結果は、すでに去年2月号(421)で報告しているとおりです。今回は、前回取材で、当地の反放射能同盟(JOAR・ガンシャム、ビルリ議長)から、ウラン鉱山の構内労働で多くの労働者が放射線で被曝していると聞いたので、特にウラン鉱山労働者の子どもたちの取材が主な目的でした。もちろん、JOARの協力を得て行いました。また、同行したアメリカ人、ダネット・ハンバートさんの協力も得ました。以下はその報告です。

プロセ・パトロ(男4歳) 集落:テライタント(鉱さい池から約500メートル)
 病状は、四肢障害、歩行不能。発病02年1月、家族12人他の家族に障害はない。父は語る「私は被曝してこうなったと思っている。私の父はUCLAに30年働いていたが1999年75歳で亡くなった」と語る。

ミウン・パトロ(男11歳) 集落:バティン(第一鉱山から約5キロ)
「病名は不明だがポリオかもしれない」と父。父アロマニ(40代)はUCIL労働者。25年働いている。ミウンの病状は、歩行困難、食物摂取不能。家族は4人だがミウン以外は正常。ジャドウゴダホスピタルに通院。父アロマニは語る「彼はポリオになったが、何の病名かわからない。医者は病名を言いたがらない。放射線による被害かもしれない。9歳まで彼は話すことができた。しかし、今は全然話せない」

ダス・ダリア(女4歳) 集落はジャドウゴダ(鉱さい池から約500メートル。症状、歩行不能。家族構成4人。医者は個人医、病名は医者もわからない。

ソムナ・ビルリ(男9歳) 集落:ナルワパハール(第一ウラン鉱山直下)
 家族5人、長男のみ障害。父シトワ・ビルリはUCILで14年間働いている労働者。ソムナは血液の病気で足や手に血が通わなくなった。そのため最近手と足の先を切った。去年まで歩いていたのに今は歩けない。

ドニア・オラン(女14歳)
アルバチ・オラン(男16歳)

 集落コロドウングリデ(鉱さい池直下数十メートル)
 発病は生まれたときから。UCILホスピタルに通院中。病状は、兄のアルパチが四肢障害と精神障害。妹のドニアは四肢障害。原因は不明。父パハリ・オランはUCLA労働者として27年働き91年に離職している。パハリは「二人とも小さいときはなんとか歩けたが今は歩けない。病状がどんどん悪くなってきた」と暗い顔で語った。

 以上の5事例のうち、4事例が何らかの形でUCIL労働者と関係しています。子どもたちの病気の原因を特定することは難しいですが、UCIL所有のウラン鉱山内部の労働による被曝や、周辺の鉱さい池やウラン残土からの放射能汚染による可能性が高いのではないでしょうか。本格的な疫学的、病理学的調査が必要です。