出版物原水禁ニュース
2003.8号 

全国被爆二世団体連絡協議会・厚生労働省交渉から
被爆二・三世に対する国の援護対策を求めて

長崎県被爆二世の会 事務局長 崎山 昇

 6月20日、全国被爆二世団体連絡協議会(全国二世協、平野伸人会長)では、被爆二・三世対策を求めて厚生労働省と交渉を行いました。
 1945年8月、広島・長崎に投下された原爆は、被爆者だけでなく、その子や孫にも被爆者と同じような苦しみ、悩みを負わせました。被爆二世は全国に30万とも50万ともいわれていますが、健康不安や原爆放射線の遺伝的影響、社会的差別などに苦しみ、なかには病気と闘いながらの日々を送る人もいます。
 被爆50年を機に被爆者援護法はつくられました。しかし、二・三世に健康診断や医療給付などを定めた二・三世条項は盛り込まれず、「被爆者とその子及び孫に対する影響についての調査、研究及びその対策について十分配慮し、二世の健康診断については、継続して行うとともに、その置かれている立場を理解して一層の充実を図ること」という付帯決議にとどまりました。厚生労働省は、この付帯決議が立法者の意思であり、行政を進めていく基本であるとの認識を示しています。しかし、現在、国が行っている二世に対する唯一の施策は、年1回の被爆二世健康診断だけであり、二世の健康不安を解消するものとはなりえていません。全国二世協は、1988年に結成され、全国の二世を代表し、被爆者援護法の適用や健診の法制化、内容の充実、三世への拡大などを求めて厚生労働省との交渉を行ってきました。25年にもなりますが、いっこうに進んでいません。
 今回の交渉では、広島・長崎の二世の会相談窓口に寄せられている深刻な相談や健診で精密検査を受診する割合が増加していることなど、健康不安の高まり、健診が不安解消の役割を果たしていないこと、闘病生活など深刻な状況におかれている二世がいることなどを指摘し、

 これに対して、厚生労働省健康局総務課の岡山課長補佐は、

と具体的な前向きの回答は示しませんでした。
 しかし、ガン健診の追加については、同席した広島県選出の金子哲夫衆議院議員からも厚生労働省に再度検討を求めていただくことになりました。
 今後も二世問題の解決を国民的課題に高めつつ、国に援護対策を迫っていきます。