出版物原水禁ニュース
2003.10号 

韓日被爆二世シンポジウム2003 in 釜山の報告

原水爆禁止調布市民会議
藤川泰志(被爆二世・広島)

 7月26日に韓国の釜山で開かれた第3回被爆二世シンポジウムに参加しました。日本からは広島、長崎から日本被爆二世の会の平野伸人会長(長崎在住)をはじめとして26名が参加、そのうちの3名が高校生(三世も含む)でした。東京在住の二世ということで私も参加させていただきました。

 前日に釜山に集合した私たちは、まずふたりの在韓国被爆者を訪問しました。ひとりは国際市場の中で電気部品店を営むキム・ムンスンさんで、7〜8年前から原爆症の認定を求めていますが、被爆地が2.1kmということで却下されています。足にガンができて皮膚の移植手術を受けるなど健康被害とたたかってきました。最近までは被爆者であることを隠して暮らしてきたとのことですが、在外被爆者への補償問題が進展する中で、明らかな原爆での傷を持つキムさんは今後の交渉に期待を持っており、積極的に被爆体験を語るようになったそうです。私たちにも足の手術の跡、カツラをとって頭に残る火傷の跡を見せてくださいました。もうひとりは釜山駅近くの商店街にお住まいのチェ・ケチェルさんで、すでに被爆手帳をお持ちですが、高齢で体調に不安があって健康手当ての申請のために訪日できない状態の中で放置されている方です。

 在外被爆者への補償に道が開かれつつあるとはいえ、日本に申請に来なければ補償を受けられないという現状は、高齢の被爆者にあらたな差別を生み始めています。日本の参加者全員からの支援金を渡して激励しました。
 シンポジウム当日の午前中は、韓日の参加者が協力して釜山駅前で原爆展を行いました。韓国側からは多数の高校生が署名集めに参加して、日本の高校生との交流が実現しました。韓国の市民は広島、長崎、被爆者問題にたいへん関心が高く、写真パネルの前に立ち止まる人が大勢いました。

 約100人の参加を得たシンポジウムでは、イ・テジェ韓国被爆二世会釜山支部長、イ・ソンギル会長、日本の平野会長のあいさつの後、韓日6人のパネラーから発言を受けました。植民地支配、被爆、戦後の放置と、三重の被害を受けてきた韓国の被爆者問題を韓日の二世が協力して解決していくことは、北東アジアの非核化、平和の実現のために大きな意味を持つことが熱く語られ、新しい韓日被爆二世の交流の歴史が始まったことが宣言されました。被爆者の高齢化は韓国でも重大な問題になっており、会場を埋めた被爆者の方々の熱い視線が二世交流に注がれていました。

 私は今回の韓日二世交流への参加を機に、東京都に二世の申請をして健康手帳を受け取りました。年2回の健康診断を無料で受けることができます。東京都は全国的にもまだ少ない二世に健康手帳を発行する都道府県のひとつです。今後この制度を守るためにも多くの二世に申請を呼びかけていきたいと思います。また今回の二世交流に参加して、東京周辺でも組織化を進めていかなければとあらためて思いました。