出版物原水禁ニュース
2003.11号 

原発ヒバク労働者・長尾光明さんに
1日も早い労災認定を!

 現在、原発内労働によるヒバクで「多発性骨髄腫」を発病した長尾光明さん(77歳、大阪市西淀川区在住)の労災請求が、厚生労働省で審査されています。
長尾さんは石川島プラント建設株式会社に72年から就職し、86年1月末に定年退職するまで、現場所長、配管・安全の現場監督を勤めてきました。この間77年10月から82年1月までの4年3ヶ月間に、福島第一原発2・3号基、「ふげん」(新型転換炉)、浜岡原発で作業に従事していて、合計70ミリシーベルト(mSv)のヒバクをしています。
 福島第一原発1号基では78年12月に燃料棒破損事故があり、当時プルトニウムなどアルファ核種が1、2号基共用の排気筒から放出されていたことが、内部告発(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会へメール)されるなど、原発内はかなり汚染していました。そして長尾さんは、この福島第一原発で働いていた77年10月〜79年12月末までに40.4ミリシーベルト(mSv)という大量のヒバクをしました。
 長尾さんは92年頃より体調を崩し、98年には第3頚椎の圧迫骨折、鎖骨病的骨折などの症状で、大阪、兵庫の病院で手術を受けました。長尾さんは原発でのヒバクが病気の原因ではないかと考え、チェルノブィリ救援関西のメンバーを仲立ちに阪南中央病院で診察を受け、同病院の村田三郎医師によってヒバクによる多発性骨髄腫と診断されました。昨年5月のことです。
 村田医師は関西労働安全センターに連絡。労働安全センターは大阪中央労働基準局に労災請求、大阪から富岡労基署、さらに厚生労働省に書類が回され、現在、厚生労働省で審査中というのが、この間の経過です。
 これまで原発内作業によるヒバクが原因で白血病に罹り、労災請求を行った人の内、5人が認定されていますが、多発性骨髄腫ではまだ認定がありません。しかし原爆症の認定基準には「原爆放射線起因生」がある病気として多発性骨髄腫が記載されています。
 厚生労働省の労災認定基準には、白血病についてのヒバク基準があり、長尾さんヒバクは基準の3倍です。多発性骨髄腫の基準はありませんが、原爆ヒバクシャには多発性骨髄腫が多発していることは周知の事実で、厚生労働省の1日も早い労災認定が待たれます。