出版物原水禁ニュース
2004.02号 

「もんじゅ」の廃炉を求める全国集会

いまだ最高裁は国の上告を不受理
安全性無視の改造工事を許してはならない

■全国から700人が集まる

もんじゅを廃炉へ!全国集会

 03年12月6日、敦賀市で「03もんじゅを廃炉へ!全国集会in TSURUGA」が「原発反対福井県民会議」や原水禁などの主催で開催され、約700人が集まった。
 午前中「もんじゅ」すぐ横の白木海岸で現地集会が開催され、福山真劫原水禁事務局長、小木曽美和子「原発反対福井県民会議」事務局長らが主催者を代表して「高裁判決は安全審査に重大な違法性があると断定したが、国は判決内容を不服として上告した。しかし国は指摘された問題点を全然解決しようとせずに、改造工事を進めようとしている」と批判。参加者は200メートル離れた「もんじゅ」正門前までデモ行進し、抗議文を手渡した。
 午後からは会場を敦賀市勤労福祉センターに移し、「もんじゅ」裁判に関わってきた吉村弁護士が講演し「国は上告しているが、最高裁はいまだに受理していない。受理されない可能性もある。仮に受理しても訴えは却下されるだろう」との見通しを、高裁判決が明らかにした「もんじゅ」の危険性との関連で説明した。
 その後、参加者は敦賀駅までデモを行い、1日の行動を終了した。なお原水禁は翌7日にかけて、「脱原発活動者交流・討論集会」をサンピア敦賀で開催した。

■名古屋高裁・金沢支部判決の重み

 ここで03年1月27日の、「もんじゅ」安全審査には重大な過ちがあり、「もんじゅの原子炉設置許可処分は無効である」とした名古屋高裁・金沢支部判決の意味を再度考えたい。
 まず高裁判決を理解する上で大事なのは、1992年に四国電力・伊方原発の「設置許可取消請求訴訟」(この裁判は原告の敗訴になったが)で、最高裁判所が『原発設置許可に先立って……原子力安全委員会が行った安全審査について、以下2点が認定できる場合には、その安全審査の結果に基づいて行われた「設置許可」は違法と判断できる』とした判決に基づいて、「もんじゅ」高裁判決がなされた点である。
 その2点とは、現在(判決時点)の科学技術水準に照らし、(1)審査に用いられた具体的審査基準に不合理な点がある。(2)当該原子炉施設が具体的審査基準に適合するとした調査・審議および判断の過程に看過し難い過誤、欠落がある──場合である。
 そして高裁判決は、(1)95年に起こったナトリウム漏れ事故で、「床ライナー(コンクリート床の上に張ってあるスチール板)が溶けて、ナトリウムとコンクリートが反応して爆発事故に発展する危険、(2)蒸気発生伝熱管の高温ラプチャ(伝熱管がつぎつぎに破損する)の危険、(3)炉心崩壊事故(チェルノブィリ事故のような大事故)の危険──についてきちんと安全審査が行われていないとして「設置許可処分を無効とする」との判決を出したのであった。

■まだ上告受理申立書も受理されていない

 1998年以降、最高裁への上告は、憲法違反以外については「法律上重要な問題があるから、上告を受理して欲しい」との上告受理申立書を出すことに変わった。このため国は高裁判決を不服として「上告受理申立書」を提出しているが、最高裁は「伊方最高裁判決例」に照らして間違っていないかなどを調べるだけである。
 最高裁としては、金沢支部判決を間違いだということは、最高裁判決を否定することになる。だからいまだに申立書の受理さえなされていないのである。

■あせる国、早く「もんじゅ」改造工事を進めたい

 国は95年のナトリウム漏れ事故以来、運転が止まったままの「もんじゅ」改造工事を一日も早く行い、運転を再開したいと考えている。04年3月末までに改造工事に着手しないと、02年度分の改造工事費19億円余が使えなくなるからだ(04年度分としての改造費15億円は計上されている)。しかし改造工事は、それで安全性の保証がされたとはいえない内容である。
 福井県の設置した「もんじゅ安全性調査検討委員会」(座長・児嶋真平福井大学学長)は「(もんじゅ改造工事によって)工学的に十分な安全性をもつ」との最終報告書を11月14日に福井県知事に提出している。福井県も敦賀市も早く改造工事の認可を出したいが最高裁が国の上告を却下したら困るというジレンマに陥っている。理不尽な改造工事を許してはらない。