プルサーマルで使用するMOX燃料は、酸化プルトニウム粉末と燃えるウラン235はわずか0.2%の劣化ウランの粉末とを混ぜて焼き固めて、燃料ペレットにします。この燃料ペレットを被覆管に詰めたものが燃料棒で、この燃料棒を集めたのがMOX燃料集合体です。図1は加圧水型のMOX燃料集合体ですが、この図に見られるように、3種類のプルトニウム富化度をもつ燃料棒が組み合わされています。富化度というのは、燃料ペレットに占めるプルトニウム239の割合のことで、ウラン燃料におけるウラン235の濃縮度に相当します。
高富化度燃料棒=176本、富化度・7.15%、中富化度燃料棒=76本、富化度・4.15%、低富化度燃料棒=12本、富化度・3.05%となっていて、平均の富化度は6.1%となっています。これはプルトニウムがウランに比べて中性子の吸収が大きく、燃焼温度が高くなるため、プルトニウムの量を変えて、配置に工夫をこらしているためです。しかしプルトニウムとウランを微細な粉末にして混ぜ合わせるのは、きわめて困難な作業で、ほんの小さなプルトニウムの塊(スポット)が存在するだけで、そこだけ燃料温度が高くなり、MOX燃料の安全性を損なわせるのです。
このようにいろいろ配置を工夫したMOX集合体ですが、炉心にはMOX集合体は4分の1だけが入れられ、残りはウラン燃料集合体なのです。図2は4分の1MOX炉心の配置図です。つまり複雑なMOX集合体を、さらに複雑な2重炉心にして運転するのがプルサーマルなのです。
MOXとウラン燃料の二重炉心の危険
複雑なMOX集合体、さらにウラン燃料との二重炉心の安全性は、これまでに実証されているのでしょうか。日本では、関西電力・美浜1号機で、富化度の低い4体のMOX集合体を使って運転したことあるだけです。関西電力はフランスでMOX運転の実績があると主張しています。
しかしフランスの実績とはどのようなものでしょうか? 表1を見て下さい。プルトニウムの割合を示す
【図・1 MOX燃料集合体】

【図・2 1/4MOX炉心配置図(関電提供)】

全 157体 MOX 40体
40/157=25.5%(1/4炉心)
【表・1MOX燃料に関する富化度・燃焼度比較】
関西電力提供
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高浜4号 計 画 |
フランス の実績 |
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プルトニウム 富化度 (集合体平均) |
6.1% | 約3.0〜3.6% |
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最高燃焼度 (集合体平均) |
45,000MWd/t |
40,000MWd/t (3サイクル) |
富化度は、関西電力の計画ではフランスの実績の2倍近くも高く、燃焼度もフランスよりも高く設定されています。燃焼度とは、燃料が原子炉内に入っている間にどれだけ燃えたか(熱を出したか)を示すものです。
燃焼度が高くなると被覆管が脆化し、燃料自体も変質・変形し、燃料棒破損の危険が高まります。また燃焼度が4万を超えると途端にガスの発生が多くなり、これも燃料棒の破損につながるのです。
(W)