出版物原水禁ニュース
2004.07号 

8月1日・東京、核兵器問題を中心に討論 8月8日・長崎、ヒバクシャについて討論

被爆59周年原水禁世界大会・国際会議の案内・1

被爆59周年原水禁世界大会は、8月1日、東京水道橋の韓国YMCAでの国際会議で幕をあけます。
ブッシュ政権によって混迷のなかに投げ込まれたイラクは、6月末からイラク国民に主権委譲が行われますが、戦争状態収束、平和再建への展望は不透明です。
2005年には、NPT(核不拡散条約)無期限延長後の2回目の再検討会議が開催されますが、米国をはじめとする核保有国は、核廃絶に消極的で、このままでは成果は期待できません。NPT体制自体、イスラエル、インド、パキスタンなど新たな核保有国の出現、北朝鮮の核疑惑などによって崩壊の危機を迎えていますが、私たちはNPT体制を破綻させるわけにはいきません。
しかし、NPTは基本的には政府間交渉に依拠しており、私たちNGOはそれぞれの運動を展開することによって、自国政府や関係諸国、国際社会に影響力を発揮する立場にあります。

米国の新核戦略の転換を

8月1日の東京国際会議では、まずブッシュ政権の新たな核政策について考え、討論します。小型核兵器研究の再開、新たな地中貫通核爆弾の開発、核実験再開をもくろむブッシュ政権の政策は、これまで世界の平和運動が獲得した核兵器廃絶への希望の火さえ消しかねないものです。
さらに、ミサイル防衛などの宇宙軍事力強化は、新たな軍拡の世界を作り出すと考えます。日本の小泉政権は、アジアへの平和構想を欠いたまま、米国と共同のミサイル防衛に入り込もうとしています。私たちはこのようなブッシュ政権の危険性、それに従うだけの小泉政権の危うさについて討論し、運動を考えます。

北朝鮮の核計画放棄と六者協議

また、日本を含めた東アジア情勢に大きな影響を与える北朝鮮の核問題は、米朝間に存在する強い不信感によって、なかなか解決の糸口は見えてきませんが、対立する米朝の間に立つ中国の努力によって、少しずつ解決へ歩み始めたといえます。それでも北朝鮮に完全な核放棄を求めるには時間がかかると考えられます。
こうしたなかで六者協議が継続されていくことは、大きな意味があると考えます。六者協議の継続は関係する各国間に、さまざまな問題を対話によって解決するという、東アジアにおける新たな関係を築く可能性を与えるといえます。六者協議の継続は、東アジア非核地帯化の実現にも大きな展望を与えることでしょう。
8月1日東京での国際会議が、このような問題にまで踏み込んで討論されることを、私たちは期待します。

被爆60周年へつなぐ長崎ヒバクシャ国際会議

また、被爆59周年原水禁世界大会は、8月8日に長崎・ブリックホールでヒバクシャ問題の国際会議を開催します。
1945年以降、核兵器開発は私たちの想像を超えて巨大化する一方、無数のヒバクシャを生み出してきました。さらに原子力発電が世界に広がるなかで、チェルノブイリ原発事故に代表される多くの核被害者が生み出されてきました。
被爆60周年を前にして、私たちはこれらヒバクシャが手を結び、まず国際社会に対して、さらにそれぞれの国に対して、救済と補償を求めるために、協力し合う端緒を作りたいと考えます。したがって今年の長崎国際会議は、来年の60周年へと引き継がれます。
さまざまな核被害者が参加しますが、そのうちの1人、「リトアニア・チェルノブイリ運動」代表のゲディミナス・ヤンチャウスカスさんを紹介しましょう。
1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故の処理に際して旧ソ連全土から多くの兵士や炭坑夫などが動員されました。その数は80万人ともいわれています。バルト3国からも約1万8000人が動員されたといわれ、その多くの人たちがさまざまな症状で苦しんでいます。
リトアニアではチェルノブイリのヒバクシャたちによって、90年3月に「リトアニア・チェルノブイリ運動」が組織されました。しかし、リトアニアからいったい何人の人たちがチェルノブイリへ動員されたのか、5800人までしか確認できていません。すでに600人が死亡したことは確認されています。ヤンチャウスカスさんは、日本や世界のヒバクシャと交流し、運動を強めたいと希望しています。