出版物原水禁ニュース
2004.11号 

在日米軍基地はいらない!!
     各地で平和集会が開催される

トランスフォーメーションで在日米軍増強

米国は、世界規模での米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)を推進しています。

 米国は冷戦期を通して、ソ連との全面戦争と1つの地域紛争に同時に勝利する戦略を採用し、欧州とアジアに米軍基地を維持してきました。しかしソ連の崩壊と冷戦の終焉により戦略見直しが行われ、世界各地で発生する2つの地域紛争に同時に勝利する戦略に変わりました。そのため軍の配備も、大規模な部隊を特定地域に固定配備する方法から、コンパクト化・機動化された部隊を米本国や「ハブ基地国」に集中し、短時間に紛争地域に投入する方法へ変更されました。そのための措置がトランスフォーメーションです。

 現在、欧州や韓国では駐留米軍の削減が進んでいます。しかし在日米軍基地は、「ハブ」として強化される方向にあります。以下は、これまで報道で明らかになった在日米軍基地の変化です。

 こうした中、各地の平和運動センターが中心になった反基地運動が全国で取り組まれています。今回は、沖縄県新潟県神奈川県の取り組みを紹介します。

沖縄県:普天間基地返還・辺野古移設反対
都市型戦闘訓練施設建設許さない

3万人が「基地撤去」の声あげる

 9月12日、宜野湾市の沖縄国際大学グランドで、基地の返還を求める「宜野湾市民大会」が開催され、3万人が集まりました。主催者を代表してあいさつに立った宜野湾市長の伊波洋一さんは、「人身被害がなかったのは奇跡的であり、普天間基地の危険性への最後の警告と受け止めねばならない」と訴えました。
 この日の大会は宜野湾市民が一つになって作り上げたもので、自治会やPTA、婦人会や青年団、小中高校生、大学生の発言が続きました。沖縄平和運動センターに加盟の労働組合も、全力で参加しました。

連日カヌーで海上阻止行動

 普天間基地の移設先とされているのが、名護市辺野古です。国際的に保護が叫ばれている「ジュゴン」をはじめ、貴重な生物が生息している海に、さんご礁を削って海上基地を建設する計画です。地域の人びとや地区労は、建設を阻止するために8年間にわたる座り込みを続けてきました。

 ヘリ墜落以降、防衛施設局による基地建設のための海上ボーイング調査の動きが活発化しました。調査着工日とされた9月9日には、辺野古には300人を超す人びとが座り込み、辺野古に隣接するキャンプ・シュワブのゲート前では平和運動センターが阻止線を張って、防衛施設局や工事業者の通行を遮断しました。

ところが、防衛施設局は遠く離れた南部の港から調査船を出航させ、ボーリング調査を実施してしまいました。現在は船やカヌーを繰り出して、海上での抗議行動を行っています。

高速道路から250mの場所に実弾射撃施設

 金武町のキャンプ・ハンセンでは、「都市型戦闘訓練施設」の建設が進んでいます。この施設は市街地での戦闘を想定し、建物突入、屋内射撃、ロープ降下などの訓練を行うものです。
実弾射撃訓練が行われるキャンプ・ハンセンでは、これまでにも流れ弾が飛び出すなどの事故が発生していました。今回、建設が行われている施設は民家から300m、沖縄自動車道から250mしか離れておらず、流れ弾でも大事故を引き起こします。
町面積の60%が米軍に接収されて4つの基地が置かれた金武町では、米軍基地に反対する機運が高く、今回の訓練施設建設に際しては、町長を先頭に町民が団結し、組合と連携した運動が進んでいます。キャンプ・ハンセンのゲート前では、早朝の抗議行動が100日以上続いています。
平和フォーラムは「米軍普天間基地の返還・辺野古への移設反対・都市型戦闘訓練施設の建設中止・地位協定の改定を求める緊急署名」に全力で取り組んでいます。(HPから署名用紙がダウンロードできます)
また10月26日には日比谷野音で集会(12ページ参照)が予定されています。

新潟県:非核・平和条例全国集会
自治体からの平和運動を考える

自治体の「平和力」を考える

 9月18日・19日の両日、新潟市で、「第5回非核・平和条例を考える全国集会」が開催され、全国各地の平和運動センターや市民グループから400人が参加しました。この集会は、1999年に函館市で第1回目が開催され、横須賀市・神戸市・鹿児島市と続いています。
 1997年に新ガイドラインが締結され、99年には周辺事態法が成立。こうした状況の中で、米軍艦船の民間港湾への入港が頻繁に行われるようになりました。米軍艦が入港すれば、自治体の港湾管理部門、電気・水道事業、輸送業など、様々な業種の労働者が、米軍艦船のメンテナンスに動員されます。平時に民間港湾に入港することによって、自治体や労働者の米軍協力訓練を行うことが目的です。
 しかし、民間港湾の管理権は自治体にあるため、首長が入港を拒否すれば、米軍艦船は入ってくることができません。そこで、自治体の持つ平和力について考えようというのが、この集会の課題です。

上原公子さんが講演

18日の全体会では、国立市長の上原公子さんが、講演を行いました。上原さんは「防犯」の名目で地域に警察が入り込み防犯組織が作られていくこと、「防災」の名目で自衛隊が自治体に影響力をもっていくこと、こうしたことを通して自治体レベルの戦争態勢が作られていく危険性を解説してくれました。
 19日は、3つの分科会に別れて議論を深めました。第1分科会では「北東アジアの非核・平和を」、第2分科会では「市民・自治体の平和力で有事体制拒否を」、第3分科会では「新潟でも全国でも非核・平和条例の制定を」というテーマに、それぞれの立場で具体的な取り組みを話し合いました。

新潟港を見学

 19日午後は新潟港を見学しました。新潟港には西・東2つの港があります。西港では、朝鮮民主主義人民共和国の万景望号が入港するときの状況を、また東港では米海軍のイージス艦入港の動きについての解説を、全港湾の仲間から受けました。

神奈川県:原子力空母の横須賀母港化を許さない!

横須賀が原子力空母の母港に!?

10月2日、「原子力空母横須賀母港化を許さない全国集会」が、横須賀港のヴェルニー公園で開催され、3,800人が参加しました。主催は平和フォーラムや市民グループで作る「原子力空母横須賀母港化を許さない全国連絡会」。
横須賀港には米海軍横須賀基地があり、航空母艦「キティーホーク」が母港として使用しています。米海軍は現在12隻の航空母艦を保有していますが、海外に母港があるのは「キティーホーク」1隻だけです。また12隻中10隻は原子力艦で、通常動力艦はキティーホークと予備役のジョン・F・ケネディーの2隻のみです。そのキティーホークが2008年に退役し、数年後には予備役艦も退役します。空母の海外母港としての横須賀港の使用が続けば、2008年には横須賀港に原子力空母が配備されることになります。

首都圏がヒバクの危険性

集会は、全国連絡会共同代表で神奈川平和運動センター代表の宇野峰雪さんのあいさつで始まりました。宇野さんは「当初『3年だけ』と言われた1973年の空母ミッドウェーの母港化から30年になる。いま原子力空母の母港化を認めたら、今後50年、100年と母港が続かない保障はない」と訴え、「空母の横須賀母港問題を考える市民の会」共同代表の呉東正彦さんは「もし大事故が起きたら、死の灰が首都圏に広がり、国の中枢機能は壊滅する」と危険性を主張しました。
参加者は、原子力航空母艦の横須賀母港化に反対する日米両政府への申し入れ書を拍手で採択。団結ガンバローで集会を終了し、横須賀基地に向けてパレードを行い市民にアピールしました。