出版物原水禁ニュース
2004.11号 

「帝国」の平和運動活動家と市民がなさねばならぬことは?(2)

ピース・アクション事務局長 ケビン・マーティン

シナリオ・2──ブッシュが再選された場合

私たちは、大統領選でブッシュが再選された場合のシナリオも考えなければなりません。
もしブッシュが再選された場合、平和・軍縮問題で危険があふれるかもしれません。核実験が再開されるか、あるいはCTBT(包括的核実験禁止条約)への署名を撤回する、または両方とも現実となるだろうと確信している専門家が少なくありません。

これらの措置は来年の早いうちに起こるかもしれません。というのは、論争を巻き起こすこれらの政策変更を、2006年という議会選挙の年には避けたいからです。

そしてこれらの措置のどちらも、NPTの終焉を告げるものとなる可能性があります。それは国際世論の米国に対する怒りを更に高めることになるでしょう。

また2期目のブッシュ政権下では、ミサイル防衛の財源確保や配備もフルスピードで進められることになるでしょう。そうなれば、同様な結果をもたらすことになるでしょう。

 核実験について言うと、W-76という原子力潜水艦・トライデント用の核弾頭に「設計上の欠陥」が見つかったと、核兵器研究所は主張しています。核兵器研究所は米国の核兵器を「安全で信頼性がある」と認証する役割を負わされていますから、核実験をしたがっているのです。そのような認証はもはやできないというための口実を探していて、懸念されています。新しい核実験については、もっと先になるでしょう。

私たちの運動に自信をもって取り組もう

私たちはレーガン時代に、一度、アメリカと世界の平和運動の力で、彼の大軍拡方針を覆した経験があります。対立から交渉、妥協、最後には旧ソ連との核兵器削減条約の締結にまで辿り着いたのです。

ブッシュ大統領もすでに平和問題における自分の弱みに気付いています。最近彼は、選挙戦のスピーチで冗談交じりに「私は平和の大統領になりたい」と言っていました。ネオ・コンの動きもすでに頂点に達していて、2期目のブッシュ政権下では、外交政策における影響力も薄れていくことも考えられます。

当面、アメリカの平和運動の最優先優先課題はイラク戦争です。ケリー、ブッシュのどちらが大統領に選ばれても、アメリカは帝国主義的な軍事的、政治的、経済的プレゼンスをイラクに、そして中東全体に維持し続ける意向です。

ケビン・マーティンさん、クリックで拡大
 ケビン・マーティンさん

ですからイラクにおける真の民主主義、平和、そして繁栄を求めて声を大にする必要性は続きます。

イラクに関する平和運動活動については、新しい、素晴らしい面がでてきています。イラクの人々と連帯するキャンペーンが初めて可能になってきているからです。いや必要といえるでしょう。なんといってもイラク、そして中東全体の、真の民主主義、社会の安定はアメリカと世界の安全保障と深く結びついているのです。
 いまや、こうした連帯の構築はますます可能になってくるでしょう。私たちがアメリカ政府の方針に変更を求めるにあたっても、イラクや中東での民主主義勢力に耳を傾け、それを応援し、支持していかなくてはなりません。簡単なことではないでしょう。西洋文化とイスラム文化の間には、「文明の衝突」が存在すると信じている人が、西側諸国には多いからです。

しかし、こう言った声をはびこらせてはなりません。もしそうなってしまえば、戦争や衝突は不可避なものになってしまうからです。

 私はイラクこそが、米国の「戦争集団」の世界制覇の夢が絶え果てる場所だと。絶対にその夢は破れると私は信じています。なぜなら世界中が反対しているからです。しかしそこに行き着くまでにどれほどの命が奪われ、どれほどの代償が支払われなくてはならないのでしょう。

最後に、アメリカを私たちが信奉する自由と民主主義の原理に恥じない国にするために、長い道のりになるであろう、非暴力の闘いを決意しなければなりません。しかしこの難しい使命を果たせるかどうか、私の確信がゆらぐこともあることを認めなければなりませんが。

 この原稿は、国際会議のケビン・マーティンさんのスピーチの要約です。全文は大会報告集に掲載しています。