出版物原水禁ニュース
2005.2号 

青森・六ヶ所村再処理工場でウラン試験強行

青森原水禁  井上 浩

亡霊復活「本日、9時26分より再処理工場におけるウラン試験を開始しましたので、お知らせいたします。」(日本原燃公式サイト)──2004年12月21日、日本原燃(株)(兒島伊佐美社長)は、抗議のシュプレヒコールと吹雪の中で建設中の六ケ所使用済み核燃料再処理工場でのウラン試験入りを宣言しました。

 開始の内容は「前日搬入した劣化ウラン粉末を溶解するためウランを吸い上げる気流輸送装置へ専用容器を移動させる」というもので、かつては国に対して準備作業と説明していたものです。こうした点にも、とにかく一日でも早く試験入りを宣言したい兒島社長の焦りが見られます。

 というのも、試験入りはすなわち連日のトラブル発生開始と自ら宣言してわざわざ、190項目に及ぶトラブル事例集を公表しており、何が起きるかわからないから早くやるしかないということなのです。実際に年明けの1月からは想定していないトラブルが続出しています。

 1月1日、裁断溶解後の燃料集合体の被覆管(ハル)と両端(エンドピース)を貯蔵する予定の「ハル・エンドピース貯蔵建屋」で空気中のベータ線を測定する「β線ダストモニター」が基準値の1千〜1万倍の数値を断続的に示す故障が発生しました。

 1月6日、使用済み燃料を溶かした硝酸溶液からウランとプルトニウムを取り出す分離建屋地下2階で「蒸気発生器へ加熱用蒸気を供給する配管に設置している弁から発煙」し消防署へ通報しましたが火災ではなく、「当該弁の塗料の溶剤および潤滑剤が蒸気の熱によって揮発し」発煙したとのことです。

 1月14日、原子力安全・保安院が再処理工場で「現在建設中の第1ガラス固化体貯蔵建屋・東棟、高レベル廃液ガラス固化建屋ならびに、現在設工認申請中の第1ガラス固化体貯蔵建屋・西棟」について貯蔵する高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の冷却能力に不備がある(日本原燃は410℃まで冷却冷却できるとの計算だが、原子力安全基盤機構の解析では500℃を上回る)というもので、日本原燃は再評価を指示しました。このため日本原燃は(謝罪の意味というより県民の目をそらす為に)15〜16日に予定していたウラン試験作業を停止しました。

 こうした状況がこれから連日続くことが予想されます。なにしろ日本原燃がウラン試験への理解を県民に求めた際に強調したのは、劣化ウランを使う試験だから臨界事故は起こしませんという信じられない説明だったのです。

 こうした無責任な日本原燃に対して私たち、止めよう再処理青森県実行委員会ではウラン試験強行の12月22日午前に六ケ所村の再処理工場正門前で緊急抗議集会に150人が参加し、当日の晩には青森市内で、工場を視察した新潟県選出の近藤正道参議院議員や原水禁の福山事務局長、原子力資料情報室の澤井正子さんほかを招いての集会に150人が参加し、抗議の意思を示しました。

 ウラン試験に使う劣化ウランが再処理工場に搬入された12月20日には、翌日に予定されたウラン試験強行に抗議する「止めよう再処理全国実行委員会」の意見広告を青森県の地元紙・東奥日報に1頁全体を使って掲載し、県内外で試験入りに反対している私たちの運動を県民に訴えました。

この取り組みは当初計画した氏名・団体名の掲載が間に合いませんでしたので第二次意見広告を現在取り組んでいます。広告でも訴えましたが「ウラン試験が始まっても、再処理は止められる。だから絶対あきらめない.ストップ再処理!」です。