出版物原水禁ニュース
2005.6号 

日韓被爆二世シンポジウム2005 in広島

全国被爆二世協会長 平野 伸人

日韓被爆二世交流の歴史

日本と韓国の被爆二世の交流の歴史は、20年前に日本被爆二世訪韓団が、韓国の被爆者や被爆二世を訪問したことから始まりました。しかし、日本の侵略・植民地支配のはてに原爆被爆という悲惨な体験をし、しかも戦後は被爆者援護からも切り捨てられた在韓被爆者、そして、被爆者の子どもとして親の苦しみを見てきた被爆二世との意識の差は大きく、同じ被爆二世としての連帯を作り上げていくには、多くの困難がありました。しかし、日本の被爆二世が在韓被爆者の支援を続けてきたことから、信頼関係が生まれるに至りました。

 このような歴史をへて、1989年に第1回の日韓被爆二世シンポジウムが広島・長崎で開催されました。被爆二世でありながら日韓の被爆二世の問題意識やそれぞれが抱える課題にはおおきな隔たりがあり、むしろ、その隔たりを認識することが重要な課題であったともいえました。しかし、この日韓被爆二世シンポジウムの開催によって、被爆二世として何をなすべきか、それぞれが自覚させられるきっかけとなりました。そして、日本の被爆二世が在韓被爆者の支援活動に取り組んだり、韓国の被爆二世の中心メンバーの事情などもあり、しばらく交流が途絶えた時期もありました。

 11年後の2000年に韓国ソウルにおいて、第2回の日韓被爆二世シンポジウムが開かれました。このソウル・シンポジウムでは、主として,日韓の歴史認識と在韓被爆者についての論議がなされました。被爆二世としての共通の基盤を持つために必要不可欠な課題への取り組みといえました。そして、第3回は2003年に韓国・釜山で開催され、歴史認識を共有するとともにこのようなシンポジウムや交流を通して日韓の被爆二世同士の連帯を深めてきました。

 昨年は、東京において第4回の日韓被爆二世シンポジウムが開催され、歴史認識の共有や在外被爆者問題ばかりではなく,被爆二世の援護の問題や被爆体験の継承、核兵器の廃絶などの平和問題などにも共通の問題意識と活動の方向性を持つことができました。

被爆60年・広島開催の意義と課題

 そして、被爆60年の今年は、これまでの経過を踏まえ、今後の被爆二世の運動を両国での国民的な課題としていくための重大なシンポジウムであるという位置づけのもと、被爆地・広島で開催されることとなりました。

今回のシンポジウムの目的としては、以下の2点があげられます。

  1. 原爆被爆60年にあたり、被爆二世の問題を日韓両国をはじめとした人類共通の課題として、被爆二世の援護を求めていく。そのために、被爆二世問題の理解を深めるとともに世論を喚起する機会とする。
  2. 日韓被爆二世の連帯を深め,共通の課題のもとに世界の平和に貢献できる日韓被爆二世運動の構築をめざすことです。

日韓被爆二世シンポジウムへの期待

 今回のシンポジウムは、韓国から5人の被爆二世を迎え、2005年6月26日(日)広島平和記念資料館;メモリアル・ホールにて開催されます。第1部(シンポジウム)と第2部(講演・報告)に分かれ『日韓被爆二世の連帯で平和な明日をつくろう』〜再びヒバクシャをつくらないために〜のテーマのもと、終日、論議が深められます。被爆60年・被爆二世の援護を求めるとともに、核兵器廃絶・世界の平和をめざす日韓被爆二世運動の構築に向けた論議が期待されます。多数の方々のご参加をお待ちしています。

日時
2005年6月26日(日)10:00 - 16:00
場所
広島平和記念資料館(広島市中区中島町1-2東館地下1階・メモリアルホール)
コーデイネーター:
福山真劫(日本・原水禁)
パネリスト:
寺中正樹(日本・山口)/中谷悦子(日本・広島)/崎山昇(日本・長崎)/カン・ソンホ(韓国・テグ)/イ・テジェ(韓国・プサン)
講演1
『日韓被爆二世運動に期待する』(仮題)
豊永恵三郎 (韓国の原爆被害者を救援する市民の会・広島支部長)
講演2
『被爆二世健康影響調査の現状と課題』
山田美智子(広島放射線影響研究所・臨床研究部副部長)/陶山昭彦(長崎放射線影響研究所・疫学部部長)
特別報告1
『三菱徴用工裁判・控訴審判決の意味と意義』三菱徴用工裁判を支援する会
特別報告2
『韓国における被爆二世の実態調査について』韓国被爆二世の会
主催:
全国被爆二世団体連絡協議会/韓国被爆二世の会/原水爆禁止日本国民会議
共催:
広島県被爆二世団体連絡協議会/長崎県被爆二世の会
後援:
韓国原爆被害者協会ほか