出版物原水禁ニュース
2005.7号 

MD法案・衆議院安保委・本会議で可決

文民統制をめぐる議論は不十分  政府が導入を進めている、弾道ミサイルをミサイル防衛(MD)システムで迎撃する手続きを簡素化する自衛隊法改「正」案が6月14日、自民・公明両党の賛成多数で衆議院を通過しました。緊急の場合には、首相があらかじめ承認した「緊急対処要領」に沿って、現場指揮官が迎撃を判断できる内容を含んでいます。 しかし、要領の内容は「政令で定める」とされ、細部は明らかになっておらず、文民統制をめぐる議論は不十分なままです。

 法案は自衛隊法82条(海上警備行動)に「弾道ミサイル等に対する破壊措置」を新たに追加。@発射の兆候がある場合は、首相の事前承認を得て迎撃A明確な兆候がつかめない場合は、事前に作成する「緊急対処要領」に基づき防衛庁長官の命令で迎撃──の2類型を明記。国会報告の規定があります。

 ただ、訓練中だと思っていた相手国から突発的にミサイルが発射されるなど、首相の承認を取り付ける時間がない場合も想定されるとして、第3項で明確な兆候がない時でも、イージス艦が日本海に展開する際など一定の期限で付きで権限を与えられた現場指揮官が、緊急対処要領に従って迎撃を判断できる仕組みを盛り込んだものです。しかし、このことは、自衛隊に戦争開始の権限を認めることになり、文民統制(シビリアン・コントロール)に違反することになります。

 民主党は弾道ミサイル迎撃にあたって、国会報告ではなく、事後の国会承認とするなど、「文民統制の徹底」を主張しましたが、与党側が応じなかったため、独自の修正案を委員会に提出しましたが否決されました。(次号で軍事問題研究会の桜井宏之さんに問題点を詳しく解説していただきます。)