出版物原水禁ニュース
2005.8号 

『日韓被爆二世シンポジウム』を終えて

広島県被爆二世団体連絡協議会 事務局長 角田 拓

 第5回になる被爆二世シンポジウムが、広島市中区の平和資料館東館のメモリアルホールで行われました。このシンポジウムは全国被爆二世団体連絡協議会と韓国被爆二世の会、原水爆禁止国民会議の主催でおこなわれ、「日韓被爆二世の連帯で平和な明日を創ろう。〜再びヒバクシャをつくらないために〜」をサブタイトルに、韓国からも7人の被爆二世が来日し、あわせて約250名ほどが参加しました。

 午前中は原水禁の福山事務局長をコーディネーターにパネルディスカッションが行われ、日韓それぞれの被爆二世から自分の体験を交え、被爆二世問題の現状やその課題などが訴えられました。特に韓国の二世からは日韓の両方の政府から放置されてきた在韓被爆者とその子どもである被爆二世の窮状、また靖国神社参拝などで揺れる日韓の歴史問題などにも言及する発言がありました。

 また、今年の高校生平和大使で自らも被爆三世である長崎の活水高校3年、平湯あゆみさんと、広島の三原東高3年、西迫駿さんから決意が述べられました。

 午後からは、講演が行われ、「在外被爆者支援運動」の歴史について、韓国の原爆被害者を救援する市民の会の豊永恵三郎さんから報告を受け、放影研の陶山昭彦さん、山田美智子さんからは「被爆二世健康影響調査」の経過と課題が報告されました。

 その後、三菱徴用工裁判の足立修一さんと韓国被爆二世の会の李承徳会長から特別報告がありましたが、李会長は、昨年に韓国政府により実施された二世の実態調査についての内容を交えながら報告し、「様々な問題もあるが韓国政府が被爆二世に関心を示した意味は大きい」と述べました。

 最後は平野伸人会長と李会長の読み上げた共同宣言で採択し締めくくられましたが、最後まで多くの熱心な参加者に支えられ、多岐にわたる内容を深化させるという非常にハードな内容だったにもかかわらず、成功裡に終えることができたと思います。

 今回で5回目となる日韓被爆二世シンポジウムですが、隣国とはいえ、外国との共同での開催となると中々その準備も大変で、韓国側との連絡に平野会長が何度も渡韓し調整にあたったり、広島でも会場の確保など半年ほど前から準備を進めてきました。

 いろいろ苦労もあった今回のシンポジウムですが、特に印象に残ったのは高校生平和大使でした。非常に力強い決意を持って自分たちの活動を紹介し訴える姿は、被爆60周年という節目の年にあたり、未来への希望を感じさせるものでした。

 私たちも今後も日韓被爆二世の連帯を深め、被爆二世問題を両国をはじめとした人類共通の課題とすべく、また世界の平和に貢献できる日韓被爆二世運動をめざしてこれからもますます運動の発展を目指していきたいと思います。