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2005.10号 

2005年8月京都軍縮会議
核軍縮と政府機関への働きかけ

8月国連京都軍縮会議の開催

8月17〜19日、国連軍縮局・国連アジア太平洋平和軍縮センターが主催する第6回国連軍縮京都会議が、20ヵ国の政府関係者の参加のもと開催されました。会議は4つの全体会議から成り、特に全体会議II「2005年核不拡散条約(NPT)再検討会議の結果」に大幅な時間が充てられました。

2005年核不拡散条約(NPT)再検討会議の結果

核不拡散防止条約(NPT)再検討会議は、前回2000年の本会議時に「核兵器の全面廃絶に対する核保有国の明確な約束」など核軍縮に関する前進的な合意が結実しましたが、今年5月に行われた本会議では残念ながら事実上何の合意もなく決裂のまま閉幕となりました。しかし核軍縮の義務が規定されている唯一のこの国際条約が否定されなかったという点では、最悪の結果ではないと言えるでしょう。

2005年8月25日美根軍縮大使

(略)

(国連京都軍縮)会議中に話された主な項目の概要を述べる。

■初めに会議ではNPT再検討会議について検討し、その成果から照らして、多くの参加者がNPTの信頼性と実効性を維持することの重要性を指摘した。

■NPT外の3ヵ国について議論がなされた。近年の核の民間協力に関する米印合意についても関心が示された。

■核軍縮の達成に対する強い期待が示され、不拡散という文脈において遵守とIAEAの役割が強調された。

■イランおよび北朝鮮の核プログラムの問題が議論された。多くの参加者は六者間協議の成果について、問題の複雑性・困難性から予断を控えた。

(以上)

※日本政府報告(英語pdf

今回の京都軍縮会議では大阪大学・黒沢満さんから、今年のNPT会議結果の原因について、加盟国間で脅威の認識や会議への期待が異なっていた点などが挙げられました。またインドネシア・ラシミアント国連代表部一等書記官からは、被爆60周年に際する広島・長崎被爆者への哀悼が述べられ、核保有国が核軍縮義務を果たしていない現状が指摘されました。カナダ・メイヤー軍縮大使は、NPTには188ヵ国という多くの国が加盟するにもかかわらず事務局・実施機関が不在であり、5年に一度の本討議のみという国際協定としては非常に弱い点、ビューローを結成し緊急会議を開くべき点、さらに市民社会と締約国のパートナーシップの必要性などが指摘されました。囲みはジュネーブ軍縮会議2005年第3会期(CD)(8月11日〜)で8月25日に日本政府が発言した国連京都軍縮会議の報告です。

NPT会議以降の国際交渉と今後の課題

今回の京都軍縮会議では各社マスメディアおよび学者は発言権のある参加者として自由な意見を述べ、海外NGOにも発表・議論の機会が与えられていたにもかかわらず、日本の市民社会からのNGO/平和団体はこうした機会は与えられていないのです(一般の参加者は発言権のない階上のオブザーバー席です)。日本の市民社会の声がこうした政府間交渉の場でも十分尊重され、反映されるよう、今後私たちは活動をより強化し日本政府に要請していく必要があります。

また今年は国連総会60周年であり、その初めの9月14〜16日にはミレニアム+5サミット(ニューヨーク)が開催されます。この成果文書草案において、米国・ボルトン国連大使は世界の安全保障の真の脅威は核不拡散にあるのにこの問題に焦点が当たっていないとし、包括的核実験禁止条約(CTBT)・非核兵器地帯・消極的安全保障・核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)・NPT第6条(核軍縮義務)・NPTの3本柱(そのひとつは「核軍縮」)の言及に及ぶまで、軍縮に関わる文言を、実に大幅に削除要求しています。

これに対して、今後の核軍縮の方策として、NGOの中堅国家構想(MPI)が再度NPTの核軍縮義務を強調するため、NPT第6条(核軍縮義務)を履行させる交渉について協議する「第6条フォーラム」を発足させ10月初旬にニューヨークで第1回を開催すること、ならびに、広島市・長崎両市長が呼びかけを行ってきた平和市長会議<112ヵ国・地域の1,080都市が加盟:05年8月現在>も今年10月の国連第1委員会(軍縮・安全保障)に核兵器禁止条約を協議するための特別委員会の設置を求めるという動きが出ています。

 核軍縮の義務がなおざりにされかねない世界情勢の今こそ、国内外の市民社会との連携を強め、日本政府への働きかけをさらに強めることが必須です。