出版物原水禁ニュース
2005.11号 

六ヶ所再処理工場に関するQ&A

Q 再処理工場の現状は

A 青森県六ヶ所村の再処理工場における劣化ウランを用いたウラン試験の総合進捗率は約70%と発表されていますが、使用済み核燃料を使ったアクティブ試験の12月実施が困難となる見通しが報道されています。これは、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体関連施設の設計ミスによるもので、改造工事の認可が遅れ、これによりウラン試験の最終段階としての再処理工場全体の性能確認する総合確認試験やアクティブ試験、さらに2007年5月予定の本格操業の時期もずれ込む可能性が指摘されています。

 この設計ミスは、今年1月に発覚し、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の温度が設計目標値を超えることが判明したものです。しかし、安全審査を担当した原子力安全・保安院は、これまで再処理工場の不良溶接などの一連の手抜き工事なども見抜けず、今回の設計ミスも見抜けず、再処理工場の安全確保の技術的信頼を全く失っているのが現状です。

Q 原子力政策大綱では、再処理どうのように位置づけられていますか

A 原子力委員会の原子力開発利用長期計画(長計)の策定作業が「原子力政策大綱」としてまとめられました。従来の原子力開発利用長期計画(長計)は、相次ぐ計画倒れにより数値目標がほとんど意味を失い、今回「原子力政策大綱」と名称変更し、「計画」的な色彩から基本的考え方を示すものへと後退し、位置づけを変えました。

 今回の策定会議で大きな焦点となった核燃料サイクルは、使用済み燃料の取り扱いに関して、全量再処理や全量直接処分など4つのシナリオを出しましたが、結局、全量再処理路線の継続を支持し、さらに、核燃料サイクルの自主性を主張し、国内再処理を原則に掲げました。しかし、再処理工場とMOX工場だけでも約12兆円もの莫大な費用がかかるなど経済性に問題の多いことが明らかになっています。第2再処理工場は「2010年ごろから検討を開始し、六ヶ所再処理工場の操業終了に間に合う時期までに結論を得ることとする」とし、問題を先送りにしているだけで、その具体性は何ら示されていません。

Q プルトニウムを使う本命の高速増殖炉はどうなっていますか

A 高速増殖炉は「原型炉もんじゅの成果に基づき、経済性などの条件が整うことを前提に2050年ごろから商業ベースでの導入を目指す」と実用化時期を一応設定していますが、45年後の実用化というほとんど具体的実現性がない計画になっています。書いた時点ですでに「絵に描いた餅」となっているといっても過言ではありません。

 高速増殖炉原型炉として期待された「もんじゅ」は、当初360億円といわれた建設費が最終的に5,900億円にものぼり、初臨界からわずか1年8ヶ月の95年12月8日にナトリウム漏れ・火災事故を起こし現在まで停止したままです。この間、名古屋高裁判決では、原告住民勝訴という画期的な判決を引き出しましたが、今年5月30日に最高裁で不当にも逆転敗訴とな現在再審請求を行っています。核燃料サイクル機構は、最高裁判決を受け、改造工事に着手しています。この工事は2年ほどかかり、その後の安全審査に1年かかり、その間にも莫大な費用負担を続けることになっています。仮に改造工事が終了しても品質の劣化や機器の安全性が大きく懸念され、事故の不安を拡大しています。

Q 各地のプルサーマル計画は

A 関西電力が高浜原発3・4号機で予定したプルサーマルは、燃料のデータ不正により燃料が廃棄され、03年の美浜3号機事故(11人の労働者の死傷)により計画が頓挫しています。東京電力が福島第一原発3号機では、国の原子力政策に疑問を持つ福島県が認めず、東電の事故隠し事件を受けて事前了解が白紙になりました。同じく東京電力柏崎刈羽原発3号機では、刈羽村での住民投票により、拒否されました。現在九州電力が玄海原発3号機や伊方原発3号機、島根原発2号機、浜岡原発4号機でプルサーマル実施の動きがでていますが、各地から反対の声が上がっています。そもそも、プルサーマルは、重大事故が起こりやすくなり、事故時の被害が2倍にもなり、費用も10倍以上かかるもので、何一ついいことはありません。