出版物原水禁ニュース
2005.12号 

東北アジアをめぐる女性運動の課題(II)

I女性会議東京都本部 清水 恵

第4回世界女性会議のあと、アジア太平洋女性フォーラム、東アジア女性フォーラムなど、さまざまな地域会議が開催されましたが、第5回世界女性会議は開催できないままです。その理由は、引き受ける国がないこと、テロが多発していること、アメリカを中心とする新自由主義の台頭で男女平等にもバックラッシュがまん延し、そのグループが会議に押しかけ、邪魔をし、後退案をつぎつぎと出してくることなどです。

 10年を経過した今年は、本来なら大きな世界会議があっても当然ですが、国連は毎年開催する女性の地位委員会を閣僚級に格上げすることで2月28日から3月11日に開催し、NGOを含めた6,000人の参加で、「北京行動綱領」を後退させないことと、災害やHIVの問題など10項目の決議をしてフォローしました。

「北京+10」記念国際会議

一方、中国政府は、8月29日から9月1日、この記念すべき年を最大にアピールし、第4回会議以来の成果を確認しようと、「北京+10」記念国際会議を北京で開催しました。国連会議とは違いますが、国連の全加盟国とNGO代表が招待され、91ヵ国の首相、閣僚、女性団体代表、国連関係機関、中国各省の主席、NGO、会議関係者やボランティアを含めて1,000名が参加しました。EUはほとんどの国が参加し、アメリカはNGO代表のみの参加、日本は内閣府男女平等参画局の名取局長はじめ、20名の参加がありました。I女性会議は2名招待され、清水澄子常任顧問と私が参加しました。

 胡錦濤主席が、30分にわたり、「国連設立60年、第4回世界女性会議から10年」の中国の男女平等政策の進展を披露したのは大変驚きでしたが、一方「中国はなお13億の人口を抱える開発途上国であり」、「北京行動綱領やミレニアム目標への充実がなお必要」と強調したのには、率直な印象を受けました。とくに、「紛争・貧困下の女性への実際的援助が必要」と述べたのには、中国外交の大きな自信を感じさせました。

 中国は1990年代から、途上国に大きな海外援助を始めており、それらの国の女性が経済的にエンパワーメントし、社会的因習と向き合いながら政治的にも重要な位置を占めるようになったことは、50ほどのスピーチがほとんど女性首脳、閣僚であったことからもうかがわれました。このような国々の女性が戦争への加担を許すことはないだろうと感じました。

今後の課題

私たち女性団体は、日本政府の憲法改悪の危険な歩み、政治の反動化、それと一体となったジェンダーバッシングのなかで、国への働きかけもままならず、まして国際会議への参加でも、参加者は多いが、発信が少ないといわれてきました。しかし、日本女性も1975年の国際婦人年以来が多様な運動を展開しています。いま必要なのはバラバラの運動に終わらせずにネットワーク化し、国内外に発信することではないかと強く感じています。

 戦後60年のいま、東北アジアの平和と非核化は、私たちにとっても最大の課題です。6ヵ国協議を見守るなかで、ここでも中国が外交力を発揮しているように見えますが、日朝においては「平壌宣言」に立ち返り、国交回復することこそが、多くの問題を解決することにつながると思います。それに伴って、東北アジア諸国の民間交流、経済交流、そして平和、非核化へと、流れは大きく変わっていくと期待しています。核保有国が主導権をとっている現在、東北アジアの非核化は難航すると予想されますが、「非核3原則」をうたった日本に原子力空母が入るのは、なし崩しの後退で、許せません。日本こそ、どの国に対しても全面的に非核化を主張できると思います。平和フォーラム・原水禁のみなさんとともに今後も運動を続けていきたいと思っています。