出版物原水禁ニュース
2006.2 号 

六ヶ所使用済み核燃料再処理工場を巡る情勢と反対運動の取り組み

青森県反核実行委員会 事務局長 井上 浩

 昨年に続く豪雪に見舞われている青森県では、雪かきに皆てんてこ舞いです。今年の豪雪は県内でも日本海側、いわゆる津軽に集中しています。その奥津軽に位置するつがる市・旧車力村にある航空自衛隊車力分屯基地に、米本土防衛を主たる任務とする米軍新型レーダー(Xバンドレーダー)基地を新設する計画が、“日米同盟・未来のための変革と再編”(いわゆる「米軍再編中間報告」)の中で急浮上し、青森県民は六ヶ所使用済み核燃料再処理工場につづく新たな余分なお年玉に困惑しています。

 さて、電力業界・子会社の日本原燃(株)が立地を進める六ヶ所再処理工場では、年が明けても相変わらずの体たらくが続いています。1月16日にはウランを抽出する「ウラン逆抽出器」の配管でph(ペーハー)計を不十分に取り付けたため、ウラン逆抽出液約1.3リットルを漏らしました。思わずもんじゅ事故での温度計を思い出したものです。

 しかし、日本原燃は今のところ再処理工場の試運転を来月(2月)に、操業を来年(07年)7月に予定しています。一昨年12月にガラス固化体貯蔵施設の設計ミスを承知しながら、全国の仲間の反対を押し切ってウラン試験を強行開始した以降も、「絶対大丈夫」と国も口裏を合わせた使用済み核燃料貯蔵プールで新たな水漏れが発覚し、一時は「大した事ないから今後は問題にしないことにする」とうそぶいた本音は現在もかわりません。

 設計ミスの影響で遅れていた化学試験を終了し、現在は試運転(アクティブ試験)前段の、ウラン試験の最後の総合確認試験を行っています。

ご承知のように建屋ごとに劣化ウランを使ってのウラン試験と異なり、原発から出た実際の使用済み核燃料を大量(約430t・フル操業時の年間処理能力は約800t)に使っての、工場のフル工程試験は、原燃が認めるように「本番と変わらない」ものであり、試運転(アクティブ試験)開始は、実質操業となります。

 このため、お題目では「安全確保を第一義」としながら国のお墨付きを唯一のよりどころとしてきた三村申吾青森県知事も、一定程度、慎重姿勢を県民に示そうとしています。地元紙に「三村知事はアクティブ試験を事実上の運転開始とみなし、手続きは慎重の上にも慎重に、との思いが強い」(県幹部)と報道される中で、青森県議会は2月23日開会の2月定例議会前にも、試運転入りの是非を県議会議員が議論する全員協議会を開こうとしています。

 ただし、推進派絶対多数の県議会の御墨付きを得た後にもこれまでの慣例で、国(関係閣僚)のお墨付き、県及び六ヶ所村、ざらには周辺市町村との安全協定締結があり、2月の試運転入りは、事実上不可能となっています。

 こうしたことから、2005年「止めよう再処理!秋の共同行動」では、

  1. 11月16日から始まった3日間の資源エネルギー庁前座り込み抗議行動に、青森県派遣団(今村修団長)42人を含め、連日100人を超える抗議団が同庁玄関前に座り込み,チラシ撒きやシュプレヒコール等様々な抗議活動を繰り広げました。
  2. 16日には衆院第二議員会館内で「六ヶ所再処理工場稼働中止を求める署名604,311筆(青森県以外分)」を今村団長が経済産業省へ手渡し、18日には資源エネ庁・原子力保安院、電事連に対して稼働中止を求める要請行動を行いました。
  3. 動かしちゃならない!プルトニウム生産工場」訴えました、東京で初の六ヶ所再処理工場稼働阻止全国集会では、津軽民謡と津軽三味線が鳴り響く中、青森県派遣団130人を始め2000人の参加者が、稼働阻止の決意を新たにした後、日比谷公園を出発し、銀座外をデモ行進して反再処理を全国にアピールしました。

これらの頑張りを、再度、再処理工場稼働阻止の力としていくために、延長して続けている「六ヶ所再処理工場稼働中止を求める署名」で引き続き抗議の意思を示すとともに、今年の4.9反核燃の日集会に全国の仲間が現地青森に再結集し、再処理工場稼働阻止へ全力を尽くされることをお願いします。