出版物原水禁ニュース
2006.2 号 

プルトニウム利用計画の幻想

2005−06年度 六ヶ所再処理工場回収プルトニウム利用計画 (2006年1月6日発表などから作成)
所有者再処理量所有量*1利用場所年間利用量
(トンPuf)
利用に要する期間の目途*2
再処理予定使用済燃料重量
(トンU)
予想割当プルトニウム量
(kg Puf)
05年度06年度05年度06年度
北海道247泊発電所で1基0.2約0.5年
東北250女川原子力発電所で1基0.2約0.5年
東京6722520立地地域の皆さまからの信頼回復に努めることを基本に、東京電力の原子力発電所の3〜4基0.9〜1.6約0.3〜0.6年
中部5116浜岡原子力発電所4号機0.4約0.3年
北陸113志賀原子力発電所で1基0.1約0.2年
関西13015356高浜発電所3、4号機、大飯発電所で1〜2基1.1〜1.4約0.3〜0.4年
中国364島根原子力発電所2号機0.2約0.5年
四国370伊方発電所3号機0.4約0.3年
九州15489215玄海原子力発電所3号機0.4約0.5年
原電13374敦賀発電所2 号機、東海第二発電所0.5約0.2年
小計152586515254.4〜5.4
電源開発他電力より譲り受け大間原子力発電所1.1
合計2731590(合計で16基〜18基)5.5〜6.5
    注:
  1. *核分裂性のプルトニウムのみの重量。六ヶ所再処理工場に搬入されている各電力会社ごとの使用済燃料に含まれる核分裂性プルトニウムの分量に応じて配分されているため、再処理予定のない電力会社にも割当てられている。
  2. *利用に要する期間の目途は、予想割当プルトニウム量を年間利用料で除した数値。電力会社の公表数値はすべてトン単位だが、原子力委員会での説明でキログラム単位の数値が明らかになったのでこれを記した。

 六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を前に、06年1月6日、電気事業連合会は、06〜07年度に六ヶ所再処理工場で作り出されるプルトニウムの利用計画を公表しました。利用計画では、2012年以降に六ヶ所のMOX加工工場の竣工に合わせて、9電力会社と日本原子力発電と電原開発の11社の16〜18基の原発で年間5.5〜6.5t利用するというものです。

 利用計画は、「余剰プルトニウム」を持たないという国際公約を踏まえ、03年8月の原子力委員会決定により電気事業者がプルトニウムを分離する前に「利用計画」を公表し、利用時期や場所を明確にするためのものです。アクティブ試験で取り出すプルトニウム1.6tも含め、具体的な使途を明確にすることは、青森県の安全協定の前提にもなっており、原子力委員会がその妥当性を判断することになっています。

 しかし、この間の相次ぐ事故や事故隠し、住民投票での否決等で地元の自治体や住民の反対の声が大きく計画通りに進むはずはありません。特に東京電力は「立地地域の信頼回復を最優先に努める」として具体的な原発名すら公表出来ない状態です。これで計画は十分とするような判断が下されることがあれば、まさに「再処理工場を稼働させるためのつじつま合わせ」と言えます。強引に操業へ持っていけば、余剰プルトニウムをますます増やすことになり、核拡散の観点からも国際的批判がますます強まることになり、計画の破綻が見えています。

 すでに国内外には43t以上ものプルトニウムを保有していますが、その使途については全く明らかにされていません。また、電源開発の青森・大間原発は国の審査すらまだ通っておらず、建設もこれからという段階です。机上の空論とも言える計画では、国際社会の信頼を得ることはできません。まして、そのような計画にこれ以上多額の資金を投入することは問題です。

(I)