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2006.2 号 

在日米軍再編の本質は米軍と自衛隊の一体化

地域ぐるみの反対運動を作ろう!

日米安保条約を全面改訂する在日米軍再編

 日米政府は昨年10月29日に「日米安全保障協議委員会(2+2)」を開催し、「日米同盟:未来のための変革と再編」を発表しました。マスメディアはこの文書を、在日米軍再編の「中間報告」と報じています。私たちもこれまで、日米政府間の交渉を、在日米軍基地再編と呼んできました。ところが今回の合意には、米軍基地再編の大前提として、日米安保条約の全面改訂とも言うべき内容が含まれていたのです。

 文書の「I.概観」は、日米は「共通の戦略目標」を持つと書いています。具体的には「新たに発生している脅威」や、「アジア太平洋地域において不透明性や不確実性を生み出す課題」に共同で対処するとしています。新たな脅威とは、9.11「テロ」攻撃や、中小軍事国家の大量破壊兵器を指します。アジア太平洋地域の不透明性・不確実性は、中国と朝鮮民主主義人民共和国の軍事力増強や弾道ミサイル保有のことです。

「II.役割・任務・能力」では、こうした事態に対処するため、(1) 在日米軍を維持し、必要に応じて増強する、(2) 在日米軍に対して、日本が切れ目のない支援を提要する、(3) 米軍と自衛隊の一体化を進めるため、運用の統合・情報の共有・基地の共用・共同訓練の増加を行う──としているのです。

時代ごとに変質してきた日米同盟

 冷戦時代の自衛隊の役割は、日本の防衛でした。また米国が日本に求めたものは、米軍が日本を守る(安保条約第5条)、そのかわりに米軍が極東の安全の範囲で日本の基地を使用する(同第6条)というものでした。ベトナム戦争では、米軍は日本から出撃しましたが、自衛隊が戦争に関わることはありませんでした。

 冷戦崩壊後には、米国は国連の名を利用した世界支配を目論見ました。日本には、国連平和維持活動の範囲内での自衛隊による米軍支援を求め、日本はPKO法を成立させて、各地のPKOに参加しました。しかし自衛隊の役割は、非軍事に限定されていました。

 現在の米国は、アフリカ東岸から太平洋にかけての地域を「不安定の弧」を命名し、この地域での大量破壊兵器の拡散・反米テロ・紛争には、軍事介入するとしています。また国連の名を必要とせず、同盟国との「有志連合」を組織するとしています。

日米合同軍の出現

 文書の「III.兵力態勢の再編」には、「不安定の弧」を活動範囲とする陸・海・空・海兵4軍の司令部と実戦部隊を日本に配備すること、また米軍と自衛隊を一体化することが書いてあります。

 神奈川県の座間基地には、米本土から陸軍第1軍団司令部が移転し、陸上自衛隊中央即応集団司令部が併設されます。陸上戦力の司令部が一体化します。

横須賀基地には原子力空母が配備され、軍事介入の際の空爆やミサイル攻撃の第1撃を担います。

東京都の横田基地には現在、第5空軍司令部がありますが、ここに航空自衛隊航空総隊司令部が併設されます。日米の航空戦力を一体化し、主にミサイル防衛に共同対処することになります。

 沖縄県では、普天間基地が名護市辺野古に移設されます。基地の県外移設ではなく県内での新基地建設は、海兵隊の沖縄駐留の恒久化を意味します。

 米国は軍事介入の際に、司令部と前線基地を置く国として、また戦闘を支援させる国として日本を選びました。日本政府もそれを受け入れたのです。こうして日米同盟は日米安保条約の範囲を飛び越え、世界中に軍事介入することになりました。また自衛隊は「専守防衛」から米軍を支援する軍隊に変わったのです。

反対の声を上げるのはいま!!

 日米政府は3月末までに、「最終報告」を取りまとめるとしています。しかし「最終報告」は法律制定や条約制定を伴わないために、国会での十分な審議が行われず、報道などにも取り上げられないまま合意に至る可能性があります。この状況を変えていくためには、平和運動側の、政府や国会、世論に対して積極的な働きかけがなければなりません。

平和フォーラムは1月から3月まで、「米軍再編に反対する緊急署名」を全国で展開します。2月23日(木)には日比谷野外音楽堂で、「在日米軍再編に反対する全国集会」を開催します。また米軍基地所在地域の首長や議会が、「米軍再編反対」の意思表示を積極的に行っています。こうした動きを支えながら、地域ぐるみの反基地運動を作ることが重要になってきます。

(在日米軍基地再編に反対する各種の取り組みについては、ホームページにてお知らせいたします。)

(Y)