出版物原水禁ニュース
2006.3 号 

被爆二世の援護を求める署名にご協力を

山崎 幸治(全国被爆二世団体連絡協議会会長)

2006年1月21日(土)?22日(日)、広島市・自治労会館において、「全国被爆二世団体連絡協議会2006年全国総会」が開催されました。今年の総会では、これまで長年会長を務めてこられた長崎の平野会長が退任をされることに伴い、後任の会長選出も行われ、私、山崎幸治(自治労被爆協、大竹市職員労働組合執行委員長、37歳)が会長に選出されました。

被爆二世団体連絡協議会2006年全国総会

 これまで事務局長の任を4年間務めてきましたが、それほど会のお役に立っているとは思えず、会長を引き受けるにあたっては不安もありましたが、同じく今回の総会で副会長2名(長崎の崎山昇さん、山口の寺中正樹さん)・事務局長(広島の平野克博さん)を選任し、ともに運動を進めていける体制が構築できたことなどもあり、引き受ける決心をいたしました。就任にあたり、「60年前の惨禍を目の当たりにした親を持つ者として、あの惨禍を二度と繰り返さない決意で取り組みを進めていきたい」とあいさつさせていただきましたが、約1ヵ月が経過しようとする今もその思いは変わっていません。それどころか、会長就任後マスコミで大きく取り上げていただいたこともあり、様々な方々から「私も二世なんです」等励ましの言葉をいただき、就任時の決意を一層強くしているところです。

 さて、昨年は被爆60周年ということもあり、様々な取り組みが行われ、私たち全国被爆二世協も6月、広島において「日韓被爆二世シンポジウム」を開催してきました。被爆から61年目となる今年も、被爆の実相を風化させない取り組みが必要です。また、2007年3月には、現在放射線影響研究所で行われている「被爆二世健康影響調査」の結果が報告をされる予定です。「被爆二世健康影響調査」とは生活習慣病に放射線の遺伝的影響の有無を調査するものです。私たちはこの調査を実施する前から放射線影響研究所と協議を重ねてきました。今後も、この調査が有意義なものになるよう、また当事者である被爆二世の立場を理解したものになるよう、取り組みを進めてきます。

 また、現在被爆二世に行なわれている唯一の施策である、「被爆二世健康診断」についても、国や都道府県に対し充実を求めていきます。これまでも厚生労働省に対し、被爆二世施策の充実を求めて交渉を行ってきましたが、厚生労働省は「被爆二世への放射線の遺伝的影響がはっきりしない現在では、施策の充実をはかることはできない」という立場を取り続けており、議論は平行線です。私たちは、被爆二世の数すら把握をしていないこと、二世の実体を把握しないことで「健康不安」は増大していることなどを挙げ、「健康不安解消」のための施策の充実をはかることや、健康診断の被爆三世への拡大を要求し続けています。被爆二・三世(それ以降の世代も含めて)を、被爆者援護法に盛り込むとともに、国家補償を明記した被爆者援護法に改正するよう求めています。

 しかし、まだまだ被爆二世が抱える課題は、当事者のみの問題となっています。この問題をより多くの方に理解をしていただき、国民的課題に押し上げていくために、先日の総会で「被爆二世の援護を求める署名」を展開することを決定しました。2007年3月には放射線の遺伝的影響の有無について一定の判断がなされることとなります。この署名の取り組みにより、現在平行線をたどる国との協議を新たな展開へと移行させていき、私たちの目標である、被爆者援護法改正実現に向けて取り組みを進めていきたいと考えています。

 被爆二世問題を詳しくお知りになりたい方は、二世協が出している被爆二世の問いかけ―再びヒバクシャをつくらないために(全国被爆二世団体連絡協議会・原水爆禁止日本国民会議/編¥1,500+税 新泉社)という本をお読みください。