出版物原水禁ニュース
2006.5 号 

稼働した「六ヶ所使用済み核燃料再処理工場」と反対運動の取り組み

青森県反核実行委員会 事務局長 井上 浩 

「止めよう再処理!全国実行委員会」(原水爆禁止日本国民会議、原子力資料情報室、グリーンピース・ジャパン、同青森県実行委員会)と「青森県反核実行委員会」(渡辺英彦実行委員長)は4月9日、第21回「4・9反核燃の日」全国集会を県内外からの1,580人の参加で、青森市・青い海公園で開きました。集会では「アクティブ試験は危険な実験操業だ」として、3月31日に日本原燃六ヶ所再処理工場で始まった同試験の即時中止を訴えました。

主催団体を代表して挨拶に立った原水禁国民会議の福山真劫事務局長は、「3月31日の暴挙により、今年の4.9反核燃の日集会は、怒りと抗議で迎えることとなった。環境を破壊し続ける工場の稼働には絶対反対」などと訴えました。

また激励に駆けつけた社民党の福島瑞穂党首は、「人の命を傷つける危険な再処理を、知恵と力の結集でストップさせましょう」と呼び掛けるとともに、「(志賀原発2号機を巡る運転差し止め訴訟で)金沢地裁判決が示したように国の耐震構造・指針はでたらめ、プルサーマルや再処理工場も止めるべき」と訴えました。

さらに海外ゲストの韓国環境運動連合のイ・サン・フン政策課長が「六ヶ所再処理工場は朝鮮半島非核化運動の障害となる」として、試運転の即時中止を強調しました。つづいて、原子力資料情報室のフィリップ・ワイト国際担当は、「再処理工場稼働で起きている事態を世界に発信しているが、早速反応があった」と国際的にも今回のアクティブ試験開始が注目されていることを報告しました。

この他に金沢地裁で運転差止め判決を勝ち取った能登原発差止め訴訟原告団の多名賀哲也事務局長や、玄海原発でのプルサーマル阻止闘争を闘う佐賀県平和運動センターの伊藤昇事務局長による現地報告を受けた後、集会アピールを採択し、川村数彦・県平和労組議長の団結三唱で集会は終了しました。集会後、参加者全員で新町通りなど青森市の繁華街をデモ行進し、最後に県庁前で抗議のシュプレヒコールをあげて解散しました。

また、同日午前中には原水爆禁止日本国民会議の「反核燃の日全国交流集会」が青森市のアスパムで全国から300人の結集で行われ、原子力資料情報室の西尾漠共同代表が「再処理の世界的動向と日本」と題して講演しました。

前日の8日には、「再処理・プルサーマルの問題点」「青森が抱える原子力問題」の2分科会に分かれて問題点の掘り下げ交流を行ったほか、7日にはアクティブ試験強行に抗議する申入れを、昨秋の東京行動以降に集めた60,938筆の署名をそえて、青森県庁及び日本原燃Mに対して行うなど、多彩な取り組みを4月7〜9日の3日間で展開しました。

さて、六ヶ所使用済み核燃料再処理工場での試運転の最終段階である「アクティブ試験」が2006年3月31日14時58分に開始されたことにより、使用済み核燃料のせん断・溶解が既に始まり、4月1日には希ガスのクリプトン85(β線とγ線を出す)の大量放出も始まりました。全量放出のクリプトン85は使用済み核燃料のせん断・溶解時に、ガス状で封じ込められていた使用済み核燃料棒から開放され、150mの主排気筒から放出されています。その他の放射性物質の太平洋への放出も4月中に始まろうとしています。

アクティブ試験は危険な実験操業です。日常的に大量の放射能の放出が始まる上、臨界事故や爆発事故などの危険性が伴い、今後は放射能の漏えい事故や労働者の被ばく事故とも向き合わなければなりません。そこで私たちは今後の闘いとして、これまでの全国の仲間の原発監視行動に学び、再処理工場の運転状況監視を強めるとともに、下請け・孫受けの被曝労働の危険性を広く地元住民に訴え、さらにプルトニウムの大量生産に抗議を続けて、国際連帯の輪も広げていこうと考えています。