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2006.8 号 

米軍再編で自治体はどうなる? どうする!

22の都道府県で米軍が活動

 日米政府は5月1日、在日米軍再編の「最終報告」で合意しました。防衛施設庁のホームページを見ると、今回の再編に関連する自治体が、12都道県41市町村もあることが分かります。

 今回の米軍再編とは別に1997年以来、沖縄に駐留する海兵隊砲兵連隊の実弾砲撃演習が、本土5ヵ所の自衛隊演習場に移転して行われています。移転に当たり、当該自治体と国は、演習は砲撃のみとする協定を結びました。しかしいま米軍は、演習を拡大し、機関銃射撃の実施を求めています。

ミサイル防衛(MD)のために米海軍イージス艦が日本海に常駐配備され、米軍艦船の民間港湾への入港が増加しています。今年は1月から6月までの間に、11道府県に17隻が入港しました。

これらを合わせると、47都道府県のうち22の自治体で米軍が活動しているのです。「日本の半分が米軍基地」と言っても、過言ではありません。

■在日米軍再編に関係……12自治体
青森 東京 神奈川 山口 広島 沖縄
(既にある米軍基地が強化される)
北海道 茨城 石川 福岡 宮崎 鹿児島
(自衛隊基地で米軍の航空機訓練が行われる)

■海兵隊砲撃演習の分散実施……5自治体
北海道 宮城県 静岡県 山梨県 大分県
(米軍が演習内容の拡大を求める)

■1月?6月の間に米軍艦船が入港……10自治体
(自治体が管理する民間港湾の軍事利用が進む)
北海道 秋田 新潟 静岡 愛知 大阪
広島 高知 鹿児島 長崎

米軍ミサイル防衛で青森上空に飛行禁止空域

米軍活動地域の拡大は、私たちの生活に、どのような影響を及ぼすでしょうか。

国土交通省は、青森県つがる市上空に飛行禁止空域を設定し、青森空港と函館空港を利用する航空機の発着ルートを一部変更しました。つがる市の航空自衛隊車力分屯地に、米軍がMD用の「Xバンドレーダー」が配備しましたが、レーダー波が航空機の計器に悪影響を与える恐れがあるためです。「Xバンドレーダー」の配備に際して日米政府は、航空機に悪影響を及ぼすほど強力なことを隠してきました。05年10月17日には、空母キティーホークの電波が羽田空港の誘導用無線装置に混線し、滑走路が1時間45分も使用停止する事故が起きています。米軍の活動が、航空機事故を呼び起こす可能性もあるのです。

従来から米軍基地がある沖縄や東京・神奈川でも、事故・犯罪が頻発しています。沖縄では、水陸両用車が民有地に侵入し高速道路の高架橋を破損(05年6月6日)、軍用トラックが高速道路で運転教習を行い自家用車と事故(05年8月24日)と、考えられない事故が基地の外で発生しています。八王子で米兵が小学生3人をひき逃げ(05年12月22日)、横須賀で米兵が殺人(06年1月3日)と、凶悪犯罪もあとを絶ちません。

米軍の全国化は、事故・犯罪の全国化を伴います。市民はそれを受け入れなければならないのでしょうか。

自治体から米軍拒否を

 米国は米軍を、「望まれ・歓迎され・必要なところ」に配備するとしています。今回の再編で、日本は海外最大の米軍基地になります。巨額な思いやり予算、米軍への様々な国内法適用除外など、日本政府が米軍を歓迎しているからです。自治体の住民・首長・議会が米軍再編を拒否し、直接米国政府や議会に伝えることができれば、米国はそれに配慮しなければなりません。

 自治体が法令・条例を使って、米軍を制限することもできます。ベトナム戦争中の1972年、横浜市が「車両制限令」を根拠に、市道の村雨橋で、米軍戦車を積んだトレーラーの通行を阻止した闘いは有名です。米軍が新たに建物を作るときに、都市計画条例などの適用を求めることもできるはずです。米軍艦船の民間港湾入港に際しては、港湾管理者である自治体が入港を拒否することもできます。

 また自治体は日本政府との間で、自衛隊基地や米軍基地に関する各種の協定を結んでいます。今回の再編合意には、協定に違反するものが多々あります。政府に対して協定の履行を求めることも重要です。

自治体の持つ平和力を、地域市民や平和運動が支えることで、米軍再編を止めることができるはずです。