出版物原水禁ニュース
2007.2 号 

亡き高木仁三郎さんの遺志を継いで
次の世代の「市民科学者」育成に取り組んでいます (投稿)

高木仁三郎市民科学基金 事務局 菅波 完

 生涯をかけて脱原発の運動に取り組んだ「市民科学者」、高木仁三郎さんが亡くなってから6年半になりました。高木仁三郎市民科学基金(高木基金)は、高木仁三郎さんの遺言に基づき、仁三郎さんの遺産と一般の方からの寄付を財源として、市民グループなどの調査研究活動を助成しています。

ご承知の通り、高木仁三郎さんは、原子力資料情報室の代表として、市民の立場から、核や原子力の問題を専門的に批判し、核は民主的な社会とは相容れないものであるということを強く訴えました。最近の社会情勢を見ると、閣僚が核武装論を公然と口にしたり、教育基本法が「改正」され、憲法をもゆがめようという力が大きくなる中で、大学などの研究環境を見ても、「改革」等と称する流れの中で、行政や企業と一体となった研究以外は切り捨てられる傾向が強まっています。

この様な時代にこそ、行政や企業の利害に取り込まれることなく、市民の立場から専門的な批判を行える「市民科学者」を、市民の手で育て、応援していくことが、私たちや未来の世代にとって本当に重要な課題になっています。

高木基金への支援をお願いします

高木基金が助成してきた研究の実例は、表にまとめましたが、例えば山口県上関(かみのせき)原発の建設によって失われるおそれのある自然環境がどれほど貴重なものか、あるいはカネミ油症による被害がどの様なものか、関係企業や行政に任せておいては、本当の影響や被害の実状は明らかにされません。大学などの研究者にとっても、この様な問題の調査で研究費をとることは容易ではなく、だからこそ、一般市民がお金を出し合い、自ら研究に取り組む市民グループや、それに協力する研究者を支えて行くしかないというのが実状です。

おかげさまで、高木基金の趣旨に共鳴してくださる多くの方からの会費や寄付が寄せられ、2000年の設立からの収入は、昨年度末までの累計で約1億2,000万円となり、これまでに5,400万円もの助成金を支出することができました。しかし、基金残高は、2,700万円ほどで、高木基金の活動を継続的に進めていくために、より多くのみなさまにご支援をお願いするものです。

幸い、昨年4月には、国税庁の承認が得られ、高木基金へのご支援に寄附金控除が適用されることになりました。国のあり方を質すための研究助成に、国税庁が寄附金控除を認めたというのはある意味で画期的なことだと思いますので、ぜひこの制度をご活用いただき、高木基金へのご支援を頂ければ幸いです。

高木基金への送金口座: 郵便振替 00140-6-603393

加入者名 高木仁三郎市民科学基金

http://www.takagifund.org

サハリン開発のパイプラインルートが環境に影響

市民科学研究の実例……こんな取り組みを助成してきました。

高木基金の財務状況(2000〜06年度の累計)

収入累計 1億2,000万円(内 高木さんの遺産 約3,000万円、一般からの会費・寄付 約9,000万円)

支出累計 9,250万円(内 助成金5,400万円、その他の事業費1,800万円、管理費2,050万円)

基金残高 2,750万円(2006年3月末時点)

設立時からの支援者総数 約2,200名