出版物原水禁ニュース
2007.6 号 

平和フォーラム総会・原水禁全国委員会で新年度方針を決定
憲法・平和が危うい時代に組織と運動を強化しよう

強引に改憲を押し進める安倍政権

4月13日、日本国憲法の改正手続に関する法律案(国民投票法案)が、衆議院を通過しました。今166通常国会内での成立をめざすとする、安倍首相の強い方針を受けた結果です(5月14日の参議院本会議で可決成立)。これにより、安倍首相の主張する5年以内の憲法「改正」は、現実のものとなってきました。

 昨年、12月末には教育基本法が改悪されました。自・公政権は、防衛庁の省昇格法、少年法の改悪、改憲手続き法(国民投票法)、米軍特別措置法など、平和・人権などを脅かす諸法案を、国民の合意なしに、圧倒的な数の力で成立させてきました。

総会写真
総会に150人が参加

憲法を遵守し、その理念に基づいて政治を行うべき首相が、「戦後レジームからの脱却」を標榜し現体制の変革をめざす、この国の危うさがそこに現れています。

 アメリカは世界的規模での軍再編成に着手し、米陸軍第一軍団司令部の神奈川・キャンプ座間への移駐、横須賀への原子力空母配備、沖縄駐留海兵隊のグアム移転などを計画、東アジアでの軍備強化を企図しています。日本政府は、陸上自衛隊中央即応集団司令部の米軍キャンプ座間移駐、航空自衛隊パトリオットミサイル(PAC3)の埼玉・入間基地や神奈川・武山基地への配備など、米軍との一体感をより強めています。

そのような中で、安倍首相は、4月25日の訪米前に、私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を設置し、「現憲法下において、集団的自衛権が行使できるかを検討する」としました。「戦争をする国」を基本とした考え方です。

 昨年10月の北朝鮮の核実験をめぐって、中川昭一自民党政調会長は「日本においても核武装を議論すべき」との持論を展開。非核三原則を国是としてきた日本で、政府首脳のこの発言は、危うい時代を象徴しています。

人間の安全保障、核廃絶、循環型社会実現へ

 そのような中で、フォーラム平和・人権・環境の第9回総会および原水爆禁止日本国民会議の第82回全国委員会が4月25日に、東京・総評会館で開かれました。150人が参加し、代議員からは、原発のデータ改ざん・事故隠し問題、高レベル放射性廃棄物処分場問題、原子力空母や第一軍団移設などの米軍再編と厚木基地爆音訴訟、改憲手続き法案反対の取り組み、平和基本法の具体化などについて重要な提起が相次ぎました。

総会は、「平和フォーラム・原水禁は引き続き、めざすべき課題として、(1) 人間の安全保障の推進と憲法理念の実現、(2) 核兵器廃絶と脱原発、(3) 循環型社会作りなどを掲げ、政策転換、政権交代を意識し、最大の平和団体としての組織と運動の強化、市民団体・平和団体・連合などの労働団体、民主党・社民党等の野党との連携強化、また国際的な連携強化をはかり、課題の前進めざして、全力でとりくみます」とする2007年度の運動方針を満場一致で確認しました。

市川定夫
新議長の市川定夫さん

岩松繁俊さん勇退 市川定夫さんを選出

 今期で岩松繁俊原水禁議長・平和フォーラム代表が勇退され、市川定夫さんに引き継がれました。これまでの岩松さんのご労苦に全員の拍手で応え、最後に岩松さんは次のように述べました。

岩松繁俊
10年間議長を務めた
岩松繁俊さん

「日本政府の政権を握っている保守層とその追随者たちは、アメリカの当局と連携をとって、日本人の真面目な反省をイデオロギー的偏見だと非難する。(中略)日本の現状はわれわれが侵略戦争の先頭に立っていた1930年代初頭に似ている。同時に、私は日本に原爆を投下したアメリカの罪の深刻さを再び強調しなければならない。多くの思慮深いアメリカ人はすでに日本人に謝罪している。この罪は核兵器の開発と生産を阻止し、軍備放棄と平和な惑星の建設のために全世界に訴える民衆の努力によって償わなければならない」