出版物原水禁ニュース
2007.10  

高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開を認めるな!

福井県平和環境人権センター事務局長 水上 賢市 

後ろに見える「もんじゅ」に抗議

後ろに見える「もんじゅ」に抗議する集会(05年、敦賀市)

運転再開へ向けたプラント確認試験に入る

原子力研究開発機構(原子力機構)は、05年9月より、高速増殖炉「もんじゅ」の本格的な改造工事をはじめましたが、工事は予定より大幅に遅れて今年5月23日に完了し、事故後抜き取られていた冷却材のナトリウムを二次冷却系配管に充てんする作業が始まりました。

また、新・増設された装置の「工事確認試験」が今年8月30日に終了し、31日からは「プラント確認試験」に入っています。このプラント確認試験は、運転再開の最終的な準備にあたり、長期にわたって停止していた装置や機器の試験を中心に行われています。

現在「もんじゅ」は、当初の08年5月運転再開の予定が10月に延期されています。運転再開後は、国の使用前検査(性能試験)のやり直しからスタートし、2年半にわたり (1) 炉心確認試験, (2) 40%出力プラント確認試験、(3) 出力上昇試験の3段階に分けて行われ、「性能試験」終了後10年間の運転、その後、実用炉用技術の開発や高速中性子照射用に使用される予定になっています。

「もんじゅ」はこのままでは動かない

しかし「もんじゅ」は、現在の炉心のままでは臨界に達することは出来ません。燃料のプルトニウムのうち、燃えるプルトニウム241は半減期が14年と短く、製造から10年以上が経過し減っているためです。したがって、プルトニウム富化度の高い燃料と交換する必要があります。

新たに装荷される燃料は初装荷用として許可された燃料よりプルトニウム富化度が大きくなるため、許可事項の変更手続きをとらなければならず、現在、安全審査が行われています。さらに敦賀市長や福井県知事の了承も必要になっています。

運転は大丈夫か?

「もんじゅ」は長期間の停止により、構造材料の腐蝕や可動部の固着が危惧されています。腐蝕は配管や機器の損傷に、固着は弁やポンプなどの動作不良の原因になります。冷却系から使用中の1次冷却系の1ループを除いてナトリウムを抜き取り、腐食防止のため内部に不活性ガスを充填していましたが、実際に腐蝕の有無を調べる方法もなく、現状が未知のままの運転再開は大きなリスクを抱えています。

また、水・水蒸気が触れた機器や配管はより腐蝕しやすく、それらをもれなく調べられるのかも疑問です。弁やポンプなどの機器が固着による不動作などの不具合も、プラント確認試験でもれなく調べられるという保証はなく、未知の問題が隠れている可能性もあります。

さらに「もんじゅ」「ふげん」や関西電力の美浜原発など7基もの原発が集中する敦賀半島には、柳ヶ瀬山断層、山中断層、甲楽城断層、野坂断層、池河内断層、浦底断層があり、政府の地震調査委員会は04年に、敦賀半島先端部から滋賀県余呉町に連なる長さ約25キロの活断層帯「浦底─柳ケ瀬山断層帯」でM7.2程度の地震が推定されるとの発表をしています。もんじゅの配管は熱対策として薄く、長く作られています。そのことが反対に、地震に弱い構造になっていることも問題です。

全国集会に結集を!

「もんじゅ」の運転再開をめぐって、上記の問題をはじめ様々な問題が危惧されることから、原子力発電に反対する福井県民会議やもんじゅ監視委員会は、原子力機構との「もんじゅ」公開討論会を10月27日に敦賀市で開催することになりました。

さらに「もんじゅ」の運転再開の最終的なポイントは、敦賀市長や福井県知事が新燃料の使用を承認するかどうかにあることから、「もんじゅを廃炉へ!全国集会」を、12月8日〜9日に福井市内で開催します。この全国集会に全国各地から一人でも多く結集をしていただき、私たちと一緒に、福井県知事に、福井県民に、そして全国に向けて、『もんじゅ運転再開を認めるな!』の大きな声を発信してください。