出版物原水禁ニュース
2008.1  

またまた東京電力の隠ぺい体質露見
虚偽の柏崎刈羽原子炉設置許可申請を取り消せ

原水爆禁止新潟県協議会 事務局長 中村 進

原発の近くにある活断層を公表せず

12月5日、東京電力は『03年に柏崎刈羽発電所周辺の海域の活断層を再評価』し、原発沖合18.5kmの所に、長さ20kmにわたるマグニチュード7〜7.5の地震断層があることを今頃になって発表しました。東電によれば「03年に7本の断層を再評価した結果、3本の断層がM7以上の地震の可能性を把握したが『安全上問題ない』とし、原子力安全・保安院報告のみで新潟県などの自治体や東京電力の中枢、発電所にも知らせなかった」と述べました。

柏崎刈羽周辺の活断層

柏崎刈羽周辺の活断層

東京電力の隠ぺい体質からして、自治体に知らせなかったとしても、東電内部に対してまで隠ぺいするとは思えません。仮にそうだとすれば企業体質そのものが問われ、批判されることとなります。

同時に、「活断層の長さや活動性は、原発の安全性を測る上で最も基本的な要素でもあり、原子炉設置許可の是非が問われる重要な課題」(東電)を隠していたことになります。加えて、02年の原発トラブル隠しなどで東電の17基の全原発が停止した時、「2度とウソはつきません。隠しだてはしません」とした経過や、耐震設計「新」指針によるバックチェック(耐震安全性評価)の際や7月の中越沖地震直後にも明らかにしなかったことは到底許すことができません。

反発する地元の自治体「運転再開は白紙」

泉田裕彦新潟県知事は「情報公開が不適切。原発の近くに住んでいる人の気持ちがわかっていない」と東電を批判し、県技術委員会を補強・増員の上、「原発に批判的な学者・研究者も加えるとともに、反原発の学者との公開討論をする小委員会を新設し、意見交換会を県内各地で開催し、県民の声を施策に反映する」としました。また、「国の『調査対策』委員会の見解を原発施設、地質・地盤の二分野で再評価・チェックし、技術委メンバーと反原発団体の推薦する学者・研究者との公開討論を行う」と、国や東京電力に不信と不満を露わにしました。また、会田洋柏崎市長も、「東電の信頼回復の取り組みに一定の評価をしてきたが、信頼感がなくなった。まだ何かあるのではと言わざるを得ない」と述べました。

一方、11月21日に柏崎市で開催した「原発立地自治体議員緊急大会」(全国20自治体・350人参加)では、

  1. 原子炉の調査は電力会社に任せず、国の責任で行うこと、
  2. 昨年9月の「新」耐震設計審査指針の再検討、
  3. 複合災害での危機管理体制の充実・向上や緊急時対応を立地自治体に権限委譲、

などを内容とする決議をあげました。

加えて泉田知事は、「今後についてはまだ白紙の状態であり、調査結果によっては原発の廃炉もあり得る」と述べ、さらに運転再開に必要な「地元の了解」では首を縦に振らない決意を9月県議会で答弁しています。

運転再開断念を求める署名への協力を

今回の発表に対して、広島工業大学の中田高教授(地形学)は、朝日新聞社の取材に「東電自身の調査で過小評価が裏付けられた格好だ。当時の調査だけでも20キロ程度の活断層と評価できたはず」と述べています。東電の評価やそれを追認した国の審査のずさんさが明らかになりました。

このようなずさんな評価の上にいまの原子炉の設置許可がなされています。私たちは、今回の地震を機に、柏崎刈羽原発の「原子炉設置許可の取り消しを求める署名」と「運転再開断念を求める署名」を全国的に展開します。署名期間は08年の4月までを予定しています。全国の皆さんのご協力をお願いいたします。

問い合わせは「柏崎刈羽原発設置反対新潟県民共闘会議」(新潟県平和運動センター気付 電025-281-8100)