出版物原水禁ニュース
2008.2  

原子力空母横須賀母港化の撤回を求め、直接請求運動を再度展開
前回を上回る署名を獲得し、住民投票を実現しよう!

三浦半島地区労働組合協議会 事務局長 小原 慎一

 2006年11月〜12月にかけて『原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会(成功させる会)』が推進した第1次直接請求運動は、予想以上の市民の支持を得て、地方自治法の必要数の5倍を上回る37,858筆の有効署名を集約し、2007年1月、横須賀市に対し住民投票条例の制定を請求しました。

残念ながら、2月の臨時市議会において条例案は否決(賛成10名、反対31名)され、住民投票は実現しませんでした。条例案審議に先立ち横須賀市長は「原子力空母配備問題は国の専管事項で、住民投票はなじまない」との反対意見を表明し、保守系を中心に多くの市議がこれに追従した結果と言えます。

否決されたとはいえ、市議会の場で「成功させる会」の請求代表者4名が住民投票で市民の意思を明らかにすることの重要性を訴え、会のメンバーは3日間に渡って傍聴席を満杯にし審議を見守りました。まさに『軍都よこすか』の議会始まって以来の出来事でした。

今年8月配備にむけ、国は浚渫工事を強行!

原子力空母を配備するにあたっては現行の横須賀港の水深では無理があり、2m程掘り下げなければなりません。その浚渫工事の前提となる港湾法上の協議(横須賀市と国)は、前記の直接請求の結論が出るまではストップしていましたが、市議会での否決を受け横須賀市は驚くほどの早さで国との協議を終了させ、4月末、浚渫工事を許可しました。

昨年8月10日、防衛省は浚渫工事を強行し、呼応して米海軍は原子力空母ジョージ・ワシントン配備を1年後の08年8月中旬とすることを一方的に発表しました。浚渫工事は現在急ピッチで進行していますが、神奈川県を中心に関東一円から1,000名にも達する人々が原告団に参加して、この工事を差し止めるための裁判闘争(民事訴訟)も展開されています。

決して騙されない 根拠希薄な安全性

この裁判の過程で被告・国側が「原子力空母は安全である。決して事故は起こさない」としている根拠が「ファクト・シート」という米海軍の単なる説明書でしかなく、この説明について何ら科学的な検証作業等が行なわれていないことなど、現地住民にとっては信じがたい事実が浮き彫りになっています。

07年8月末〜9月初めにかけて、横須賀市主催の「原子力空母安全安心対策説明会」が市内10ヵ所で開催されました。延べ700人の市民が参加し、多数の質問、疑問点が噴出しました。この説明会自体の位置付けが不明確なうえ、『国の専管事項』としてきた横須賀市が国や米軍に代わって「安全」を繰り返す奇妙な会でした。その点を追及されると「市としての対策の説明」と逃げながら、横須賀市の姿勢は国・米軍の代弁者そのものでした。内容も「ファクト・シート」の説明で、専門的・科学的検証のかけらも見られませんでした。

蒲谷亮一横須賀市長は条例案否決直後の定例市議会で、「37,000人余の署名の重みを受け止め、安全面での市民の不安を米国や海軍にしっかり伝え、万全な対策を求めていく」と述べましたが、署名の重みをいったいどのように受け止めたのでしょうか。

局面打開へ 再チャレンジを決定!

「成功させる会」では、住民投票は実現しなかったものの、直接請求運動は原子力空母横須賀母港化の問題性を短期間で多くの市民に訴え、支持を得たことで大きな成果を収めたと確信しています。しかし、今年8月にむけて事態は進行しており、再度、市民の意思を明確に示す必要があります。この間の横須賀市の対応、不充分な安全対策に多くの批判が沸き起こっていることを新たな力とし、住民投票を実現する決意です。

新たな第2次住民投票が求める内容には、市の安全対策への市民の評価も加えながら、前回否決された条例案を補強し、より幅の広い意思表示を追求します。

すでに終了した横須賀港内の空母が使用する埠頭(12号バース)の延伸は、通常型艦・キティホークの使用を前提に国との港湾法の協議を行ったものです。要件が原子力空母の使用に変更になれば、再協議をする条件で市は延伸工事を許可したはずです。そのことを市も国も隠ぺいし、なし崩しに条件整備をすすめています。この点を重視して「母港化の是非」と合わせて国との再協議を条例案で提起します。

船舶の運行が過密な東京湾や、活断層のはしる三浦半島など、様々な原子力空母の危険性を訴えてきました。何よりも、米空母戦闘団の強化、永続配備を許してはなりません。直接請求の署名目標は6万筆です。再度、全国的なご支援をお願いします。