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2008.3  

非核・平和条例を考える全国集会in東京を開催
有事法制の整備が進む中で問われる「自治体の平和力」

非核・平和条例を考える全国集会

全国から200人が参加した集会(1月26日・社会文化会館)

「第8回非核・平和条例を考える全国集会in東京」が1月27日〜28日、都内で開催されました。この集会は1999年に函館で初めて開催され、この間、横須賀、鹿児島、神戸、新潟、小樽、長崎と集りを重ねています。集会では、「自治体の平和力」をテーマに、有事法制が整備される中での市民レベルでの平和の取り組みをどう構築していくのか、有事法制の空洞化を自治体レベルで模索していくために、全国的な交流を基本にして議論を積み重ねてきました。

岩国への露骨な「アメとムチ」に強い怒り

 初日の全体会では新倉裕史さん(非核市民宣言運動ヨコスカ)が基調提起を行い、自治体が持つ港湾や空港の施設管理権の強さに着目し、自治体が戦争非協力の重要な現場であると指摘。「有事法制が作られた今も、米海軍が全国各地の民間港へ繰り返し寄港させているのは、自治体側からの諦めが生じることを期待しているからだ」と述べました。

「自治体の平和力」と題したシンポジウムでは、上原公子さん(前東京都国立市長)と田村順玄さん(山口県岩国市議会議員)が発言。米軍厚木基地からの空母艦載機移駐問題が大きな争点となった岩国市長選(2月10日投開票)が大きな論点となりました。田村さんは、もともと米軍再編受け入れとは関係なかった市の新庁舎建設への補助金を市の艦載機の受け入れ反対を理由にカットしたことについて、「岩国の問題を日本政府の防衛政策の根幹として、夕張市を破たんさせたのと同様な形で岩国を見せしめにする方向だ」と批判し、露骨な「アメとムチ」の政策への強い怒りを語りました。

 また、国が米軍岩国基地沖合の公有水面埋め立て認可権を持つ県知事に対し、滑走路移設事業に関する用途変更申請を行なったことについて、目的が騒音軽減から艦載機移駐の受け皿づくりに変えられたと指摘。「井原前市長を痛めつけるもう一つの外側からの包囲網であり許せない」と語りました。そして、知事による認可の差し止めを求める岩国基地爆音訴訟を準備していると報告しました。

東北アジア非核地帯化こそ真の国民保護

 講演は「国民保護計画の問題点と地方自治」をテーマに、ピースデポの田巻一彦さんが行いました。田巻さんは、広島や長崎における「国民保護計画」の策定過程やイギリスのスコットランド自治政府の非核宣言の動きを例に、「非核宣言」と「国民保護計画」の双方を持つ自治体が日本の約6割に達していることから、「今こそ自治体に対して『真剣に住民の保護を考えるならば、核廃絶の第一歩として私たちが住む東北アジアを非核地帯にすべきだ』と具体的に呼びかけることを通して、自治体の平和力をさらに力強いものにできるのではないか」と問題提起しました。

また、地域からの報告として、横須賀から米原子力空母母港化に反対する第2次「住民投票直接請求」への取り組み、東京から「石原都政下における防災訓練の実態、I女性会議からは「横須賀での米兵による女性殺害事件への取り組み」が報告されました。

エスカレートする実動訓練などが報告

 2日目の分科会は(1) 非核・港湾条例、(2) 米軍再編、(3) 国民保護計画の3つのテーマに分かれて討論・交流がありました。

「非核・港湾条例」の分科会では、米艦船入港問題や平和条例制定運動に取り組んでいる室蘭、小樽、函館の各地域からの報告と各地域からの発言がありました。「米軍再編」の分科会では、沖縄の名護市の辺野古新基地建設、横須賀で8月に予定される原子力空母母港化問題、座間や相模原などの各地の基地問題が報告。「国民保護計画」の分科会では、エスカレートする実動訓練の実態(石川)、「反テロ」国民保護訓練の現状(神戸)、県の国民保護計画案に対する市民共同パブリックコメントの取り組み(新潟)などが紹介され、討論・交流を深めました(詳しくはこちらを参照ください)。