出版物原水禁ニュース
2008.3  

問題を残す六ヶ所再処理工場のアクティブ試験
本格稼働スケジュールありきの暴挙を許すな

六ヶ所再処理工場

六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)

これで第4ステップ終了?

2月14日、経済産業省原子力安全・保安院は、青森県六ヶ所村の再処理工場で実施しているアクティブ試験を、最終段階にあたる第5ステップへ進むことを容認しました。これまでアクティブ試験の第4ステップで、高レベル放射性廃液をガラス固化体にする試験を実施してきましたが、「炉内の温度が不安定」など技術的な課題を残しています。

「試験は行き当たりばったり。十分な結果は得られていない。落第寸前の試験結果」(デーリー東北)と核燃料サイクル安全小委員会の身内からも酷評されていました。しかし、それでも「ガラス固化体製造設備の試験状況について『問題なし』とする」日本原燃(株) の報告を追認する結果になりました。

地元紙・東奧日報の2月16日の社説でも「追加報告という“追試”を課しながら、追試の成績がどうなるか分かる前に合格扱いして進級させる。そんな変な手順で、極めて重要な最終試験入りを認めていいのか、安全性は大丈夫かという疑問、不安を抱く県民が少なくないのではないか」と指摘されるほど、第4ステップのガラス固化の試験に対する評価に厳しいものがあります。再処理技術の信頼性そのものが疑われているのです。

本来ならば、各ステップで問題点を把握し、解決してから次のステップに進むべきところ、第4ステップで解決すべき問題をあいまいにしたまま、第5ステップへ先送りしたもので、再処理本格稼働のスケジュールがまずありきの暴挙です。このような追認を到底認めることはできません。

これは遅れに遅れた本格稼働(予定では07年8月)を早急に実現するために第5ステップに移り、強引に国の最後の使用前検査に合格させ、地元と安全協定を結ぶことを急いでいるためです。しかし、早くも、07年度内稼働は難しくなりつつあり、本格稼働は「早くても今年夏ごろになる見通し」(東奧日報)などとの観測も流れています

ガラス固化体製造の問題点

今回の第4ステップで特に問題となったものは、使用済み核燃料を再処理して出てくる廃液(ゴミ)とガラスを混ぜて固化体にさせる作業の部分で、「溶かしたガラスと廃液を混ぜた後、容器に流し込む際にガラスの粘性が高まり、流し込みにくくなる」などの不具合が生じていました。

六ヶ所再処理工場のガラス固化技術は、もともと東海再処理工場(茨城・東海村)の技術を使ったもので、東海再処理工場でも同じようなトラブルを起こしており、その技術的問題が克服されていないとも言えるものです。原燃の報告では、粘性の問題について、「温度管理や炉内をかき混ぜることで防げる」としていますが、実際に混ぜて効果を確かめたわけではなく、あくまで「見通し」を示しただけです。

さらに原燃は、現在、その不具合を受けて固化体の製造試験を中断し点検中で、点検もカメラによる確認も終わっていない状況にあります。なのに「固化体の製造や安全面に問題はなかった」とする報告は、まさに問題です。

一方、高レベル廃棄物を固化体にして容器を安全・安定的に製造する技術は、核燃料サイクル事業の根幹を成す技術であり、その要の技術がいまだ不安定・不確かならば、現在進められている高レベル放射性廃棄物最終処分の問題にも影響を与えるものです。

第5ステップでは使用済み核燃料約100トンをせん断し、全工程を動かして、処理性能などを確認し、国の使用前検査に通れば本格稼働に移ることとなりますが、国も事業者も今回のやりとりを見ればどちらも無責任であり、技術的な面も含め、とても認めることはできません。

さらに高レベルで危険な再処理工場を絶対に動かしてはならないとの声を全国から強めることが必要です。