出版物原水禁ニュース
2008.4  

CND結成50周年式典に参加して
国際的につながる反核・反戦運動の輪

原水爆禁止日本国民会議事務局長 福山真劫

CND50周年サミット

ロンドン・シティホールで開かれたCND50周年サミット

1958年にB.ラッセルらが創設──ピースマークも

イギリスの反核・平和団体である「Campain for Nuclear Disarmament」(CND)の結成50周年記念集会が、2月16日、17日にロンドンで開催されました。世界各地から約300人が参加。原水禁からは、私が「日本のプルトニウム─青森県六ヶ所再処理工場の本格稼動反対の取り組み」を報告しました。

CND(核廃絶キャンペーン)は、1958年2月に設立され、初代の代表は哲学者で有名なバートランド・ラッセルです。結成直後に米、英が中距離ミサイル協定に調印し、これに抗議するデモとして、ロンドンから西に90q、核兵器工場のあるオルダーマストンへの平和行進を組織しました。その時のロゴとして作られたのが、現在ピースマークとして知られる、鳩の足跡に由来するという円に3本径の入った図柄で、60年代から世界中でピースシンボルとして使われるようになっています。

バートランド・ラッセルは、1955年にアインシュタインとともに「ラッセル・アインシュタイン宣言」を発表し、これに応えた科学者たちと声明を出し、2年後に世界科学者会議がカナダのパグウォッシュで開かれました。現在も世界的な科学者が集まり、核問題を話し合うパグウォッシュ会議として続いています。

1955年に始まる日本の原水禁運動に続いて、世界で同時期に同質の運動が広がっていったのです。

注目された原発反対のロンドン市長のスピーチ

世界にはいまなお26000発の核弾頭があり、イギリスにも200発あります。トライデントと呼ばれるミサイルに装備され4隻の原子力潜水艦に積まれて、スコットランドのファスレーン基地に所属しています。これらの核兵器システムは2024年頃に耐用年数を迎えると言われており、「更新をするのか廃絶するのか」をめぐってイギリスを二分する議論が行われました。CNDは廃絶の先頭に立って闘いましたが、07年3月の議会で「維持更新」することが決定されてしまいました。この事態を踏まえた運動の再構築が求められています。

総会の中では、ケン・リビングストン・ロンドン市長の原発に反対するスピーチが注目されました。市長は、「原子力発電は、単に核兵器の材料を提供するものでしかないということは、今や誰の目にも明らかになりました。原発を導入した人々の子どもや孫の世代が、そのツケを税金で払わされているのです。放射能で汚染されたあとの除去作業など、払うべき費用は膨大なものです」と警告しました。

そして、「イギリス政府のエネルギー対策は原発をもっと作るということですが、こんな対策はゴミのような政策だと言わざるを得ません。原発を優遇する政府のシナリオをとった場合、二酸化炭素(CO2)の削減に対しては、ほとんど寄与しません。CO2の削減には、エネルギー源の分散化、風力、太陽光の利用などが不可欠です。しかし、政府が原発新設の助成に数百億ポンドもの予算をつぎ込んでしまっては、実現の可能性はありません。私たちの限られた財源を代替エネルギー開発に使うか、原発に浪費するかの選択のときなのです」と訴えました。

日本では、政府と電力会社を中心に「温暖化防止のために原発を」というキャンペーンがあふれています。このロンドン市長のスピーチをじっくり噛み締めたいものです。

私たちは、「STOP THE WAR COALITION」(イギリスの反戦団体)も訪ねました。3月15日のイラク反戦デモの準備の最中で、ロンドンに数万人集めるのだとがんばっていました。市民団体と労働組合の参加が中心で、労働組合では公共部門労組のUNISON(組合員数130万人)などが全力で取り組んでくれているとのことでした。

日本のイラク反戦の「WORLD PEACE NOW」の闘いとロンドンがつながっていることを実感し、今後も国際連帯運動を進める決意を固めました