出版物原水禁ニュース
2008.5  

原子力空母・横須賀母港化の是非を問う住民投票を!
条例制定を求める署名52,417名分を提出

空母の配備や安全性に重大な疑念

「原子力空母が横須賀に配備されるって?原子力空母って安全なの?」これは市民の自然な感情です。原子力空母が原子炉を二つ積んだ船だとしたら、その安全性に疑問を持つ人は少なくありません。

 今年の8月19日に配備が予定される原子力空母ジョージ・ワシントンは、2基合わせて出力120万Kw(発電用炉に換算して約40万Kw、福井美浜原発1号機に相当)の原子炉を動力源とします(ピースデポ調べ)。平和フォーラムは、多くの団体との連帯のもと、国や横須賀市に対して、原子力空母の安全性について納得いく説明を求めて取り組みを進めてきました。しかし、米政府が示すファクトシート以外に安全性について言及する資料は出てきませんでした。

 それにもかかわらず、蒲谷亮一横須賀市長は「母港化は国の専権事項だ。国が安全と言っている」との無責任な姿勢で、原子力空母母港化のため港のしゅんせつ工事を認め、受け入れの準備を進めています。原子力空母ジョージ・ワシントンの艦長ダイコフ大佐は「原子力空母はエンタープライズの就航以来50年にわたって事故を起こしていない、原子力に関する不安は根拠がない」と述べています。また、ジェームス・ケリー在日米海軍司令官は「仮に事故が起きても放射能は基地内に止まる」と発言しています。

 しかし、1999年11月には原子力空母ステニスが座礁し冷却水循環ポンプが故障して原子炉が緊急停止した事故が現に発生しています。あわや大惨事となるこの事故は、基地を離れた直後に発生しています。横須賀を中心とする三浦半島は、知られるだけで5本の活断層が横切り、その活断層が動く確率は阪神大震災を起こした六甲淡路断層帯と同じか、より上位に位置づけられています。地震による津波で原子力空母が座礁し、原子炉に大きな被害が出ることは十分予想されます。

 米の環境学者ジャクソン・デイビス博士は、横須賀で原子力艦船の原子炉(出力10万Kwの想定)が炉心融解(メルトダウン)事故を起こした場合、被爆被害で死者の想定される範囲が直径約100q圏内に及び、死亡予想は数日間で25,000人、1年以内の総数は77,000人と推定しました。さらに放射能による各種ガンの発生による死者を含めると15万人超の命が奪われると予想されています。実際の原子力空母の原子炉1基は、その10倍近くの出力を持っています。

住民投票は市民の声だ。前回を大きく上回る署名

 平和フォーラムも参加する「原子力空母母港化の是非を問う住民投票条例を成功させる会」は、このような現状では市民の安全を確保できないとして「投票条例制定を求める直接請求」のための署名活動に再度取り組むことを決めました。3月6日からの1ヵ月間、神奈川県平和運動センターや三浦半島地区労などが中心となり進められました。女性たちだけで毎日駅前に立つ「エプロン署名」活動や、自衛隊のOBも署名に応じるなど前回を大きく上回る活動となりました。

 その結果、集まった署名数は52,417筆にのぼり、前回(06年11月)より10,826筆も多くなりました。これは、請求に必要な署名数の7.4倍、市内の有権者の7人に1人が署名したことになります。署名は4月11日に横須賀市の選挙管理委員会に提出。選管で審査の後、5月中旬には市長に対する本請求が行われ、5月末〜6月初旬に住民投票条例案が市議会に諮られます。この運動には、小説家の井上ひさしさん、女優の吉永小百合さん、小児科医の毛利子来さんら多くの著名人からも賛同が寄せられています。横須賀市長・市議会が「住民投票」の決断を望む声が大きく広がっています。

 さらに現在、平和フォーラムは、横須賀市長及び議会に対しては「住民投票条例」の制定を求め、国に対しては「原子力空母の母港化の拒否」を求める署名活動を全国で展開しています。この署名運動を通して、米軍再編・東北アジアの平和の視点からも、全国で空母母港化に反対することが重要です。7月19日には横須賀市において、1万人規模の「原子力空母母港化阻止全国集会」が予定されています。この集会を成功させて、1ヵ月後の入港を絶対に阻止しましょう。