出版物原水禁ニュース
2008.7  

被爆63周年原水禁世界大会・国際会議
太平洋米軍の中心基地 横須賀で開催

原子力空母入港を前に横須賀で開催

 被爆63周年原水禁世界大会の国際会議は、8月2日、神奈川県横須賀市「ヴェルクよこすか」で開催されます。討論テ─マは「東アジアの平和と米軍再編、原子力空母の母港化」で、パネラ─として韓国の参与連帯から栄和女子大学平和研究所・研究員のソウ・ボヒョクさん、アメリカのピ─ス・アクションからジョ─ジ・マ─ティンさん、中国の平和・軍縮協会の代表が参加し、日本側から梅林宏道さん(ピ─ス・デポ顧問)、福山真劫さん(原水禁事務局長)が参加します。
 いつの間にか横須賀の米海軍基地は、太平洋米軍の中心的存在となってきました。沖縄の米軍基地が中東からアジア・太平洋一帯へ向けての前線出撃基地とするなら、横須賀基地は東京の横田基地と連動する司令部的存在といえます。2001年に発足したブッシュ政権は、中東から東アジアまでを「不安定の弧」と定義し、その要因の一つに軍事力の近代化を進める中国の存在があるとし、米国が対応策を講じなければ、この地域での米国の軍事的優位を失う恐れがある。中国に「ステ─ク・ホルダ─=利害共有者」として平和的な発展を促す必要があると強調しています。
 米国は長期にわたって維持してきた太平洋での覇権が、中国の経済的・軍事的台頭によって脅かされてきたと考え、中国と戦略的パ─トナ─としての関係を模索する一方、軍事的優位性を築こうとしています。こうして現在、米海軍は太平洋に空母11隻のうち6隻、潜水艦約70隻のうち6割、弾道ミサイル迎撃ミサイル・SM3搭載のイ─ジス艦18隻のうち16隻の展開を始めているのです。
 しかし、いまや米軍が太平洋で軍事的優位を築いていくためには、日本の軍事的協力が不可欠となっています。このためアジア・太平洋の米軍再編は、在日米軍再編に中心がおかれることになったのです。そして、再編される米軍の中心に横須賀米海軍基地が存在するのです。

原子力空母の事故や軍事的危険性

 横須賀米海軍基地はこれまで空母・キティホ─クの母港でしたが、老朽化を理由に原子力空母「ジョ─ジ・ワシントン」に替わろうとしています。キティホ─ク(基準排水量60,100トン、全長323.8メ─トル、全幅39メ─トル、喫水10.9メ─トル)と比べると、ジョ─ジ・ワシントン(基準排水量81,600トン、全長339.8メ─トル、全幅76.8メ─トル、喫水12.59メ─トル)は横幅がほぼ倍近くあり、喫水も深く軍艦として世界最大を誇り、さらに出力60万キロワットの原子炉を搭載しています。
 原子力発電所がこれまで多くの事故を起こしてきたように、原子力空母でも事故が発生する危険は絶えずあります。事故が起こらなくても、日常的に放射性物質が海洋に排出され、海洋生物に蓄積され、濃縮され、やがて私たちの体内に取り込まれていくでしょう。
 こうした危険に反対して、「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」が結成され、06年秋から活動が始まり、07年2月と08年5月の2回にわたり住民投票条例の請求を行ってきましたが、横須賀市議会は2回とも否決し、住民の願いを無視しました。
 一方、住民投票運動とは別に、「原子力空母横須賀母港化阻止闘争本部」が平和フォ─ラムなどによって組織され、入港予定の8月19日の1ヵ月前の7月19日に1万人規模の全国集会が開催されます。
 ジョ─ジ・ワシントンは5月22日に太平洋を航行中に火災を発生させ、8月19日の横須賀入港は延期される可能性も出てきました。しかし、入港が延期されたとしても、米軍の太平洋戦略、米国の軍事的覇権主義が転換されない限り、そして日本政府が原子力艦船の持つ物理的危険、軍事的危険を認識しない限り、原子力空母の横須賀母港化は変わらないでしょう。
 それは、アジア・太平洋に一層の軍事競争を招くことを意味します。ミサイル防衛の日本展開とともに、私たちの住む地域を不安定化させ、将来に禍根を残すでしょう。8月2日の国際会議では、そうした情勢を踏まえて、今後の運動を論議することにしています。
 全国から多くの人が参加されるようお願いします。