出版物原水禁ニュース
2008.8  

全国に拡げよう! 上関原発建設反対の声
1000回を数えるデモ行進。中国電力は計画強行へ

広島県原水禁 常任理事 木原 省治

 中国電力が山口県熊毛郡上関町に原発を建設しようとする、上関原発建設計画が起こったのは、1982年頃のことです。計画が浮上して今年で26年が経過しています。建設反対運動の拠点といわれている上関町祝島は、建設予定地の対岸約3.5キロの距離にある、お椀をひっくり返したような島です。

 原発問題が浮上した当時の島の人口は、1300人を超えていました。その当時の島の反対組織は「愛郷一心会」とい名前で、文字通り「愛する郷土のために心を一つにする」という気持ちから付けられました。現在は約500人強の人たちが住んでいます。

 島では、1982年11月頃から毎週月曜日の夕方、「上関原発絶対反対」の島内デモが始まりました。雨天などを除いて毎週行われるこのデモは、原発建設反対をアピールするとともに、島内の人たちの「反原発」の気持ちを固めるデモといえるかもしれません。

26年間のデモを支える女性のパワー

「原発絶対反対エイエイ オー!」「きれいな海を守ろう」などの声を張り上げながら行われる島内デモが、この6月で1000回に達成することになりました。そのため6月14日「上関原発反対!デモ1000回記念行動」が、島内はもちろん、島外からも山口、広島、大分などの人たちも参加して、総勢350人で行われました。

「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の山戸貞夫代表が「26年間、強引な手法で進められてきた計画を阻止するため、今後も頑張っていこう」とあいさつ。原水禁山口県民会議などのあいさつの後、いよいよデモの出発。

 デモの先頭は島の女性たちで、なんといっても元気の良いのは女性たちです。デモ隊は、漁港沿いの広い道から集落の細い路地に入ると、一段と女性たちの声が大きく聞こえます。26年間このデモを続けられたのは、まさに女性たちの支えだと思います。

予定地の埋め立て申請。希少生物の死滅の恐れ

 この『記念行動』が行われた3日後の6月17日、中国電力は上関原発予定地の埋め立て申請を、突如山口県に行いました。海面約14万uを埋め立てるというものです。

 埋め立てが計画されている海域は、祝島の主力産業である漁業にとっては非常に大切な漁場です。タイ・メバル・ハマチ・イカ・タコなどの多くの魚類をこの海域から水揚げしています。また世界最小のクジラである「スナメリ」をはじめ、せきつい動物の祖先といわれるナメクジウオ、世界的にも希少なカクメイ科のヤシマイシン等の貝類が生息している、世界的にも貴重な『生き物の宝庫』と言われています。

 埋め立てが行われると、これらの生物たちは死滅してしまう恐れがあります。

 この埋め立て申請に対して、祝島の人たちは早速、6月27日に行われた中国電力の株主総会に合わせて広島の中国電力本店前で抗議行動。引き続いて、山口県庁に向かい抗議を行いました。

 山口県議会で二井関成県知事は「祝島の住民と直接話し合う」ことを求めた県議の質問に対して、あっさりと拒否の答弁を行い、中国電力の山下隆社長は株主総会後の記者会見で「祝島の同意が得られなくても計画は進める」と言い放ちました。

 祝島の人たちが、中国電力本店前で配ったチラシには「上関原発反対!瀬戸内海と離島に住む人々を皆さんで守ってください!」と書いてあります。島の人から「被爆地広島に住む人たちは、私たちが原発建設に反対する気持ちを一番わかってもらえるだろう」と聞きました。この言葉に大きな衝撃を受けるとともに、改めて「上関原発を許すまい」という気持ちを強くしています。「上関原発の建設計画反対」の声を全国に広げ、是非とも計画を白紙撤回させたいと思います。