出版物原水禁ニュース
2008.8  

配備延期が決まった原子力空母ジョージ・ワシントン
母港化阻止実現をめざして これからが正念場

火災事故で9月下旬以降になる見通し

 8月19日に横須賀基地への配備が予定されていた原子力空母ジョージ・ワシントンは、5月に発生した火災事故によって配備の延期が正式に発表されました。7月初めに、在日米海軍司令部は「配備が9月以降にずれ込む」とし、米海軍太平洋艦隊のボブ・ウィラード司令官は記者会見で私見であるとしながらも、配備は「9月下旬以降」とする見通しを示しています。

 狭い船内に原子炉が置かれて、絶えず振動や衝撃にさらされる原子力空母。ひとたび原子炉事故が起これば、基地で働く人々に限らず、首都圏にいる多くの人々に大きな被害が及ぶことは間違いありません。当初、ボヤだと言われたこの火災事故は、実際には配備が延期されるほどのひどい事故だった訳です。

 しかも、原子力空母が「危険ではない」という理由が、「米国が安全だと言っているから」とされるだけのお粗末な状況下にあって、まるで今後起こりうる、事故のデモンストレーションを見せつけられたような事態でした。今回の状況から、配備後に事故が起こっても、実際に被害が広がるまでは、私たちには何も知らされないということになります。

米軍の出撃拠点の機能が強化される

 横須賀基地に配備され母港化されれば、ただそこに存在しているだけで、市民の生活を危険にさらす原子力空母ですが、もう一つの側面として、横須賀基地の機能強化ということもあります。

 横須賀に空母が初めて配備されたのは1973年のことです。当初、日本政府は「おおむね3年」としていましたが、以来空母は交代しながら、横須賀に押しつけられています。そして35年目の今年、原子力を燃料とする空母ジョージ・ワシントンが、通常型空母キティホークに代わって配備されることとなったのです。

 イラク戦争のとき、横須賀から出撃した米軍空母の戦闘機が、最も多くの攻撃を行いました。最初にイラクにミサイルを発射したものも横須賀のイージス艦でした。さらにさかのぼって、湾岸戦争のときも横須賀の米軍艦が攻撃の中心を担いました。このように、すでに横須賀が米軍の出撃拠点とされています。原子力空母の配備を許せばその傾向が一層顕著になることでしょう。そのことが全国の港にも米軍艦が入港することを許してしまうことにつながるのです。

高まる市民の意識 現地でゲンキに活動

 7月19日に横須賀で開催された「原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会」は、全国から会場一杯の1万5千人の参加者で大きく盛り上がりました(表紙写真参照)。この間、現地闘争本部では街宣活動を中心に元気に準備を行ってきました。

 2回にわたる住民投票の成果もあってか、街宣中に多くの人々がチラシを受け取ってくれ、中には自分からチラシをもらうために近づいてくる人もいました。小さな子どもを自転車に乗せて、両手がふさがっていながらも、「(チラシを)カゴの中に入れてくれませんか?」と声をかけてきた若いお母さんの姿が印象的でした。

普通の市民が、普通に暮らしていくためにも危険な原子力空母の配備は何としても阻止しなければなりません。これからが本当の正念場です。