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フランス核実験被害者法(モラン法)案, 国民議会で可決:数カ所で被害者側の要求盛り込む

09年5月27日に閣議決定された「フランス核実験被害者法(モラン法)」案は、6月22日に国民議会に提出され、6月30日に可決されました。結果は不十分とはいえ、この審議中に、被害者側が要求した項目のいくつかが条文として反映されました。

主な修正点のひとつは、補償対象地域として、後方基地が置かれていたハオ環礁の一部とタヒチ本島の一部が追加されたこと。

もうひとつは、補償法の適用状況を追跡し、必要な提言を行う「追跡委員会」の設置が盛り込まれたこと。これにより、不十分な現状のまま可決・施行された場合でも、将来同法を回生し、被害者の声を反映させ、補償対象を拡大するための糸口がともかくも用意されたと言えます。

文中、下線部は、09年6月22日に国防相が国民議会に提出した法案に対して、国民議会での審議によって修正された部分を示しています(下線は訳者による追記)。

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採択法案第308号

「小法」

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国民議会

1958年10月4日憲法

第13会期

2009−2010年通常国会

2009年7月30日

フランス核実験被害者の認定と補償に関する

法案

国民議会は、次の内容の法案を可決した。

第1696号ならびに第1768号を参照。

第1条

フランス核実験のさいの電離放射線への被曝に直接起因し、国務院の政令に定めるリストに登録されている放射線障害に罹患しているすべての者は、本法に定める条件のなかでその損害の全面的な賠償を得ることができる。

その者が死亡している場合、その遺産相続人がその申請を行うことができる。

第2条

放射線に起因する疾病を罹患しているその者は、次の場所および時期のいずれかに居住または滞在したことがなければならない。

① 1960年2月13日からサハラ軍事実験センターに1967年12月31日までの期間、またはオアシス軍事実験センター、または両センターの周辺区域に1966年11月7日から1967年12月31日までの期間、

② ムルロア・ファンガタウファ環礁に1966年7月2日から1998年12月31日までの期間、または角の内部[1]に位置する仏領ポリネシアの被曝区域に1966年7月2日から1974年12月31日までの期間。

(追加)ハオ環礁の特定の区域に1966年7月2日から1998年12月31日までの期間。

(追加)タヒチ島の特定の区域に1974年7月19日から1974年12月31日までの期間

①に言う周辺区域、ならびに②に言う角の内部に位置する区域また③および④に言及されている区域は、国務院の政令により定める。

第3条

申請者は、とくに国防省および関連省庁との協力により、第1条に定める者が、第2条に定める場所および期間に居住または滞在したこと、ならびに第1条の適用により定められたリストに記載されている疾病のひとつに罹患していることを証明する。

第4条

I. – 補償申請は、個別に補償委員会に提出する。補償委員会は、国務院裁判官または破棄院裁判官を委員長とし、主として医学専門家により構成する。

遺産相続人は、本法の公布後5年以内に補償委員会に審理を付託することができる。

II. – 同委員会は、補償の条件が満たされているか否か、とくに、当該者の疾病の性質および被曝条件を考慮して、当該者が罹患している疾病と核実験との間の因果関係が存在すると見ることができるか否かを検討する。

同委員会は、あらゆる有用な科学的または医学的調査を、職業上の守秘義務に妨げられることなく、自らまたは委託により行う。

同委員会は、必要に応じてすべての情報をあらゆる国または地方自治体、社会保障管理の機関に要請し、または得ることができる。これらの情報は、申請の予審以外の目的に用いることを禁ずる。

同委員会の委員ならびに委員の補助を目的として出席を指名される者は、刑法第413−9条[2]の適用条件の下で、上記の緒項に定める情報を知る資格を付与されねばならない。

申請の審理に際して、同委員会は対審原則を尊重する。

III. – 同委員会は、その登録後4カ月以内に、国防大臣に対して、申請をどのように扱うべきかの提言を行う。大臣は、その提言に鑑み、2ヶ月以内に当事者に補償の提供、または申請の却下を通知する。同大臣は、この通知に補償委員会の提言を添付する。

本法公布後の1年については、同委員会の審理期間を申請登録後8カ月に延長する。

IV. – (追加)同補償委員会の構成、組織、申請者が提出する書類に添付すべきもの、ならびに申請の予審方法、とくに申請から補償の提供を通知するまでの期限は、国務院の政令によって定める。

第5条

補償は、資本の形で支払う。

同一の損害項目に対して申請者がすでに補償を受理している場合は、本法に定める補償額からその額を、とくに補償給付金を受給されている場合はその割戻額を差し引いた額を支払う。

第6条

補償の提供の受理は、民法第2044条に定める取引と同様の効力を持ち、係争中の訴訟行為はすべて取り下げられる。また、同一の損害の補償を目的とする他の訴訟行為はすべて受理不能となる。

第7条(追加)

国防大臣は、核実験被害追跡諮問委員会を年2回以上招集する。同委員会は、とくに国防、保険、海外領土、外務の各担当大臣の代理人、ならびに仏領ポリネシア政府大統領またはその代理人、仏領ポリネシア議会議長またはその代理人、国民議会議員2名、上院議員2名、核実験被害者を代表する団体の代表者5名、この分野の専門知識を有する科学者4名で構成する。

同委員会は、本法の適用状況、ならびに放射線に起因する疾病のリストの必要な変更について諮問を受ける。その資格において、同委員会は国防大臣および国民議会に対して提言を行うことができる。

同委員会の委員のリスト、その指名理由および運営原則は国務院の政令により定める。


第8条(追加)

一般所得税法第81条第33項第2段落の後に、次の第33項第3段落を挿入する。

「第33項第3段落 フランス核実験被害者の認定と補償に関する   第    号法の適用により、放射線に起因する疾病を罹患している者またはその権利所有者に対して支払われた補償金。」

2009年6月30日、本会議にて可決。

議長

署名:ベルナール・アコワイエ

訳注 —————————————————

[1] 核実験場を起点とし、一定の角度で一定方向に伸びる一定の半径でつくられる扇形の区域。

[2] 国防機密の対象となる情報の性質、指定手続きなどを規定した条文。

[3] フランス語原文はこちら

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