ヒバク
2004.12.16

厚生労働大臣
尾辻 秀久 様

日本労働組合総連合会
会 長  笹森 清

原水爆禁止日本国民会議
議長 岩松 繁俊

核兵器禁止平和建設国民会議
議長 大谷 恵教

2004年12月16日

被爆者援護施策充実についての要請

 広島・長崎が原子爆弾による未曾有の大惨禍を被ってから59年、来年は被爆60周年という節目の年を迎えようとしています。
 私たち3団体は、このような悲劇が二度と再び繰り返されないように、核兵器のない平和な世界の実現を求めて、これまで様々な取り組みを行ってまいりました。しかしながら、被爆者や私たちの願いにもかかわらず、2005年のNPT(核不拡散)再検討会議にむけた、国連での第3回準備委員会では、非核保有国と核保有国との間での対立が激しく、核軍縮や核不拡散をめぐる実質的な合意はもとより会議の正式な議題も決まらないまま閉会するなど、核兵器廃絶に向けて厳しい状況が続いています。
 今こそ被爆者の切なる願いである核兵器廃絶に向けた取り組みの強化が求められています。
 同時に、被爆者援護については、1995年に「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」が、旧原爆二法に代わって施行され、国の責任において、被爆者に対する保健・医療および福祉の総合的な援護施策が実施されています。被爆後59年を経る中で、被爆者の高齢化とともに、一人暮らしや寝たきりの被爆者の増加や在外被爆者への援護、被爆二世の健康不安など新たな課題を含め、より一層の被爆者援護施策の充実が求められています。
 私たちは、国の内外を問わず原爆被爆者の援護策の充実強化を願って、以下の要請をいたします。

  1. 保健医療福祉の充実をはかること
    1. 被爆者が社会的・医学的・精神的に特別な状態に置かれている実状にあわせて、介護手当等諸手当の充実及び原爆小頭症患者の終身保障についての特段の配慮と、広島・長崎の各自治体が推進している独自の援護事業の助成措置を講じること。
    2. 高齢化、病弱化にともなう在宅被爆者等援護対策を拡充すること。
    3. 高齢化とともに、被爆の影響によりがんなどの疾病の発症率が高くなっているため、被爆者健康診断内容をさらに充実させること。
    4. 被爆者関係施設の整備充実を図るとともに、国際的な被爆医療等への協力・支援や受け入れ機能等の拡充を図ること。
    5. 被爆者の置かれている実状にあわせ、原爆症認定基準及び認定作業の見直しをすること。
    6. 被爆者援護法に国家補償を明記すること。
    7. 被爆二世以降および在外被爆者とその後代への適用を明記した「被爆者援護法」に改正すること。
    8. 長崎県・長崎市などが要望している「被爆体験者医療受給者証の居住条件の撤廃」をただちに行うこと。
  2. 被爆二世・三世への援護の推進をはかること
    1. 単年度措置で行われている被爆二世健康診断を法制化し、制度の充実をはかること。
    2. 被爆二世にたいして「被爆二世健康手帳」を発行すること。
    3. 放射線影響研究所「被爆二世健康影響調査」について国としての責任ある対応を行い、被爆二世の援護策に生かすこと。
    4. 放射線影響研究所において、被爆者・被爆二世の健康調査の継続ならびに内容の充実を図り、その施設環境を整えること。また被爆三世についての健康調査を検討すること。
    5. 在外被爆二世に対する「被爆二世健診」については、居住国の医療機関で受診できるような措置を講じること。
    6. 被爆三世以降についても援護の充実をはかること。
  3. 在外被爆者の援護の充実をはかること
     全ての在外被爆者に居住国、居住地域に関わりなく被爆者援護法を適用し、被爆者の平等な援護を行うこと。
  4. 被爆実態に関する調査研究及び啓発活動を促進すること
    1. 原爆被爆の実態を把握するための被災調査の促進並びに被爆二世・三世に対する実体調査・研究を促進させること。
    2. 被爆の実相について、国内外に認識を広め、理解が得られるよう啓発活動の推進をはかること。

以上