米国エネルギー省が核兵器の性能維持・開発のために建設中の「国立点火施設(NATIONAL
IGNITION FACILITY)」にHOYAコーポレーションUSAがレーザー光線増幅用のレーザーガラスを納入したとの報道に接した。
「国立点火施設」はレーザー光線で核融合を起こし、核兵器内部で起きる核融合の実験的研究を行う施設であり、新たな核兵器の開発につながる施設である。実験は核爆発を伴わないとはいえ、その研究は臨界前核実験と同様、包括的核実験禁止条約(CTBT)の趣旨に反することは明らかである。
20世紀の科学技術は原子爆弾を生み出し、広島・長崎に大きな惨禍をもたらした。科学技術が誤った目的に使用され、その結果、人間の存在そのものが危機に陥れられた。こうした体験を踏まえ、ヒロシマ・ナガサキは、科学技術は人間社会を破壊するためでなく、人間的目的のために開発、使用されなければならないことを身をもって訴えてきた。
今回の納入は、米国内の現地法人が企業活動として行ったとはいえ、核兵器廃絶の国際世論醸成に向け主導的な役割を果たすべき被爆国の関連企業が、このような核兵器の研究・開発にかかわる施設に主要装置を納入することは、被爆地・広島市の市長として看過できない。被爆者及び広島市民を代表して抗議の意を表明する。
同時に日本企業が今後、科学技術を非人間的な目的のために開発したり、使用したりすることのないよう強く要望する。
平成13年(2001年)2月9日
HOYA株式会社
代表取締役社長 鈴木 洋 様
広島市長 秋 葉 忠 利